バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ/21

ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ 21
 
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21
 
 俺は慌てて振り払いつつ後ろに跳び距離を取り、思わず睨む・・・
 「やっぱりいやがったな、匂いで分かってたぜ、決定的なのは声だ!!おい!!出てこい!糞親父!!」
 「ほう、やはり貴様はケルロスか・・・」
 と、ローブが燃えると同時にお袋を挟むように、右側に人の左半身が、左側に機械の右半身が立ち上がる
 人側はローブを被りながら乱れ振った金の長髪、白シャツに黄色いズボンの壮観な男性が、
 機械側は人側を模し、心臓部を始めとしてところどころに赤い光が灯る銀色の体だ・・・
 俺が最後に見た時は機械の体なんかじゃなかったけど、あの左半身とその顔は確かに・・・
 俺の睨む目にさらに力がこもる、
 「てめぇ、仕事でいつも家にいなくて俺が捨てられた日も一月は家に帰って無かったくせに」
 親父の見下ろす両の顔に力が入って行く
 「そうだ!だからこそ、私は残された者を守る!我が妻だ!!片時も離れずにな!!!」
 「守るってんなら爆破事件の片棒担ぐのは違うだろうが!機械になってもか!!」
 「そうだ!こうすれば擬態して片時も離れず側にいられる!破壊衝動に飲まれても、己を破壊する前に破壊してやれる!!」
 「他者の命を奪ってでもか!他に方法は無いのかよ!!」
 「他者の命を奪ってでもだ!他に方法は・・・無い!!」
 見下ろす顔と体にこれ以上ないぐらいに力が入りこわばっている、
 部屋に引火した火が周りで爆ぜる音を聞き熱さと火の匂いを感じながら少しの時が流れ、
 俺は口を開く、
 「そうか、どうしてもやるってんだな・・・?」
 「方法はあるぞ?貴様が引けばいいだけだ」
 表情も変わらず威圧感を出して言いのける親父、
 俺は数瞬の間逡巡するもすぐに答えは出た、
 俺はお袋と親父を正面に見据え、
 「俺に引くという選択肢は無い、仮に俺が引いても次が来る・・・なら、俺が引導を渡してやる・・・」
 俺はそう吠え、駆け出し、走り込み、再び右拳を叩き込む!!
 
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