バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ/20

ハーフビースト:ハーフヒューマン:ヒーローズ 20
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

 
20
 
 裏路地の先の暗い場所にある廃ビルのような赤黒い今にも崩れそうな高層ビル、裏路地に四角く大きい正面入り口があるし、入口にはもはや簡易的な入口屋根もガラスなども無い、ここから入るのか?
 ・・・行くしかない!!
 匂いをたどって入口から昏くカビか何かで赤黒く染まった中を奥右手側にある廊下をたどり左右に扉が一定間隔で続く中、廊下の先左手にあった階段を踊り場含め上り続け、
 六階の場所から廊下をたどり右手一角にあった扉を思い切り蹴って破壊し突入する!
 「誰だ!!」
 「爆破事件の首謀者!おとなしくしろ!!」
 男性の声が響き渡る中そこにいたのは、女性の左半顔のみを見せる、来た黒いローブが右半身側のみ上にいびつな形に膨らんだ女性、
 確か年齢は三十代後半あたりだったはずだが、
 苦労でか優しさと冷徹さが垣間見える濃い化粧でもはっきりとわかるほど顔に深いしわが刻まれている・・・
 その左目が俺を捉えて・・・いや何か違和感がある・・・
 「どなた?」
 聞きなれた優しい声・・・
 訊きたいことが山ほどあるが、それはこいつを捕まえた後、
 冷静に・・・冷静に・・・
 「悪いな、否定したいのも山々なんだろうがとりあえず所までご同行願おうか?」
 今度は目が俺を捉らえていない・・・?
 「あら?半人半獣のおまわりさんなんて聞いたことないけど?」
 あの左目、よく見ると痙攣するかのように俺を捉らえるのととらえていない状態を繰り返している・・・?
 「警察官じゃなくて協力してる自警団だよ・・・」
 「でもどうしてかしら、あなたを見てると・・・」
 おいおい、話聞いてんのか?
 「全てを滅ぼしたくなるわ・・・」
 な!?
 「全てを滅ぼすって?俺が消えりゃあいいのか?でも、別の奴が来るだけだぜ?なぜそんなことをする!?」
 「覚えていない・・・何も・・・でも、半人半獣のせいで私は大切なものを失った、だから・・・全て滅ぼすの、半人半獣も、それを生んだ、人間も・・・」
 いきなりフードの右肩周りから二筋の炎が来る!!
 慌てて右に転がり避け・・・
 燃えたフードから出てきたのは、灰色の毛皮の犬の右半顔とその先の右肩でかがみ合わせのように付いている犬の左半顔とその女性の右半顔・・・
 さしずめ、頭が左右に割れて間から左右が左右に反転した犬の顔が覗いている感じ・・・
 おまけにそのすべての目が狂ったように痙攣している・・・!?
 「「全て・・・全て滅ぼす!!」」
 二つの頭から発せられる共鳴する声が響き渡る!!
 「なら・・・止めてやる!!」
 二つの頭の口から吐かれた二条の炎がこちらに一直線に向かって来る、だけど!
 大きく右に回り込むように避けると、炎が追って来る、
 おし、直接戦闘にはなれていない、向こうが回り切れずある程度炎が離れたところで一気に近づき右拳を叩き込む!
 すると、突如ローブ右側より男の左手が出てきて拳を受け止める!?
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――