バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

左竜右人ドラセルシア/13

左竜右人ドラセルシア 13
 
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第5話 竜の霞 前編
 
 左右に木々生える山道を登り歩いていくうちに霧が立ち込めてくる、
 ・・・聞いてた話の通り、間違いない、この先だ・・・
 「やぁどうも、お嬢さん」
 空から声が降ってわいたと思ったら、目の前に誰かが降りてくる
 「おそろいの緑の鱗だねぇ」
 確かに、目の前に降りてきたのは、人語を解し話す、背中に両翼生えたドラゴン・・・
 蝙蝠のような、だが、蝙蝠よりも明らかに固そうな膜と鱗の翼は、確かに私にはないものだ、
 それ以外は大きな二足歩行の蜥蜴の様な姿に、全身が緑の鱗と甲殻に覆われ、頭の後ろ左右に角が生えているて・・・
 そして、その力籠る竜瞳をこちらに向け、口を開く
 「この先に何か用?」
 「観光よ、観光」
 私は軽く返した、
 次の瞬間、その竜まぶたの中央が途端に面白そうな表情をするが如く上に曲がる
 「お!いいね、確かにこの先にはいいものがあるよ、でも、お嬢ちゃんにわかるかね?」
 「わかると思うわ、この竜の半身が・・・ね?」
 竜の視線が楽しそうな表情のまま私の左半身を捉える
 「ああ、そっちは竜の力を持つのか?ということは、君は・・・右竜左人族の人?」
 「左竜右人族です」
 思わず訂正する・・・
 「ああ、そうだそうだ、そうだった」
 言いながら口を開け笑う竜
 本当に知ってたのか?適当言ってんじゃないだろうな・・・
 「でも、あの血族って、人族に戦争で利用されて里に籠り切りになってるんじゃなかったっけ?」
 え?初耳だけど・・・?
 目が上に向いたまま何気なく言った言葉に思わず動揺する
 「そうなんですか?まぁ、出ていく人はいないですけど・・・」
 「もうそんなに経ってるの?」
 疑問声のまま再度顔を私の方に向ける竜、その表情は私をきちんととらえる為か真正面から私を見ている
 「じゃあ、君は観光のために里を出てここまで?」
 「いや、色々と・・・」
 正直言うと勘当されたのである、左半身が裸に見える破廉恥な衣装を流行らせたという罪で!!
 「ま、君の様なのが出てきたら色々と勘違いされるかもだけど、ま、それは僕達の気にするところではないね、さ、この先に行こう」
 表情も声の程度も変えずに言って竜が振り返り、歩き出す、
 まったく・・・
 
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