バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

暗黒騎士フラウリア(17)/21

暗黒騎士フラウリア(17) 21
 
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第21話 魔族の館
 
 「ここが館か・・・」
 私達は館の前に到達する・・・
 「それじゃ、皆、ゴブリンやオーク以外の頭よさそうな奴をとりあえず倒していくこと!!」
 了解!!
 私達は目じりを上げた真剣な顔の団長に向かい、返事と共に側頭部に伸ばした手を当て敬礼する、
 ・・・状況が状況だからしょうがない、要は怪しい奴は全滅させろってやつだ・・・
 「それじゃ・・・突撃~!!」
 館の扉を全員の斧で突き破り、中に突撃する!!
 中には鉄装備で固めたゴブリンやオークなどがいる、
 やはり・・・魔物の巣窟!!
 綺麗な館に兵士然とした魔物たちがあふれているのは異様だが、兵士たちの待機所も兼ねているのだろう・・・
 「別れろ!敵を見つけ次第倒せ!」
 了解!!
 そう言って皆と別れていく・・・
 私は十字路を右に入り、正面に走る・・・
 すると、館を縦に貫く大広間へと出た・・・
 赤いじゅうたんが敷かれ、壁には壁際に二重らせんのように四階まで階段とまっすぐの通路があり、その階通路にそこかしこに通路があり、天井から垂れ下げるようにガラス細工がふんだんに使われた大きなシャンデリアが一つあり、壁のそこかしこに明かりのあるだだっ広い空間・・・
 しかし、そこには誰もいない・・・
 おそらく、先程蹴散らした一団の待機所だったのだろう・・・
 ならばここに用は無い・・・
 「おやおや、君が一番弱そうだ・・・」
 広間から声・・・?
 「おまけに強力そうな武器を携えている、これこそ、飛んで火にいる夏の虫、カモがネギをしょってきた、というところかな?」
 誰だ・・・?
 再度広間の方を見ると、
 赤い体に下半身に竜巻を持つ二本角の悪魔がそこにいた・・・
 「あなたは・・・?」
 その直線に整えられたつながった対三角の口髭とロ字型のあごひげの生えた彫りの深い顔の左口端が得意げに上がる
 「我はイフリート・ジン、この館の主だよ」
 「魔族ですね、この領内では魔族は侵入禁止です、今すぐ立ち去りなさい、いえ、倒すように命令が出ているので、今すぐ斬ります」
 「ほほう、辛辣ですね、ですが、あなたは私には勝てません、私が念じれば、この近くにあるとある都市がすぐに崩壊するのです!!」
 やった!こいつが元凶だ!!
 元凶はさらに軽く笑い
 「ふふふ・・・もっともすぐに私のものになりますがね、降伏勧告はすぐにでも受け入れられるでしょう!さぁ、私に負けるか、都市が崩落するか、どちらがいいですか?その都市に所属する暗黒騎士さん?」
 う・・・読まれてる・・・
 ・・・こうなれば、一か八か・・・
 私は思い切り胸を張り、不敵な笑みを浮かべる
 「我が名はフラウリア・デスランブルジャック!かの死神将軍の娘!!私の道にかような小都市の崩落になど興味無し!」
 元凶の表情に変化はない、余裕あるまま・・・
 「では?何が目的と?」
 「我が目的は魔族の生き血をすする事のみ!よって、貴殿を斬る!」
 うう・・・ハッタリ怖いよう・・・
 「ふはははは!!」
 イフリート・ジンが腹を抱え笑いだす!
 「面白い!面白いぞ!!いいだろう!貴殿のその言葉を放つ度胸に免じて、貴殿の相手をしてやろう!!」
 イフリート・ジンが右手を振り上げこちらに向かって来る!?
 おっと!
 振り下ろされた右手を斧で受け止めると、ジンの下半身の竜巻が激しく回転し、そこから発生した風が、私の鎧を傷付けていく!?
 
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