御前教会の真実 ダブモン!!2話/20
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食事は持ってきていた旅中の保存食だ、宿の主人から宿泊するならと宿の料理を勧められたのだが、
こちらを腐らせないうちに処理したいと言って断った、
・・・警戒のためである・・・
食事で何かされてもかなわない、飛行空団が来るまでの間、極力自力で食事をとらねばならないだろう、
友人も、よく警戒していた、当人の職業柄仕方無いのだが・・・
・・・ここの教会を疑うきっかけとなる結界のことに気付いたのは五年前、私が初めてこの村に訪れた時の事である、
私がぶつくさと文句を言いながら神殿の結界を担当している洞窟のダブモンの様子を見に行った時の事だ、
ダブモンには会えたのだが、なぜだか元気が無く、調子がおかしそうだった、
そのせいか一瞬結界に揺らぎのようなものを感じた、
教会の人にそれとなく訊くと、結界のダブモンは教会の人が管理しているのだという、
単なる管理不足かとも考えたが、なぜか異様な胸騒ぎを覚え、教皇庁に報告、ダブモンの様子を見ると共に、管理不足かわざとかを見極めるため、ここの教会の調査を敢行することになった・・・
だが、ここに教皇庁の者達がくるまで、住居の話は理由を付けて引き延ばすべきか、マリアナを信用してともに住むべきか、
いずれにしても食料は下の街で手に入れた方がいいだろう、村の人間も頻繁に街まで行き来する、不自然だとは思われないはずだ、さて下の街まで行く言い訳をどうするべきか・・・
・・・マリアナの不興を買うかもしれないが致し方あるまい・・・
・・・本来ならば、マリアナ達を信頼したかったのだが、もうそれもかなわない・・・
と、いけないな、食事の前に、まずは窓を閉めなけれ
ビビッ・・・
窓から何かが飛び込んで、アントイワンの背後に取り付き気付かぬ間に針を刺した・・・!?
アントイワンが気を失い、それが宙に飛ぶと同時に前に重々しく倒れる。
「アントイワン!?」
思わず駆け寄り触って状態を確かめる、高熱であり、胸部側部の呼吸用の気門の息も荒い・・・
なんだ・・・まるで病気のような・・・
はっ!?
上から飛んで来たの者を思わずアントイワンを抱えながら避け、ベットの横にアントイワンを立てかける
「すまないな、アントイワン」
すぐに向かってきた者を見ると、それはすでに大きく私の後ろに回り、
「しまっ・・・」
私は体当たりを受けて大きく前に倒れこみ、首筋に痛みすら走らず代わりに熱い何かが走り刺された次の瞬間には、私の意識は闇に沈んでしまった・・・
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