バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

煉瓦の聖都 ダブモン!!14話/08

煉瓦の聖都 ダブモン!!14話08
 
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 裏路地より元の道に出る
 「さて、とりあえず、大聖堂を目指しましょうか!」
 「大聖堂ってあの一番奥にあるやつ?」
 「ええ!その通りです!教皇庁に来たらとりあえず大聖堂に、というくらいですね!」
 四葉の言葉にレファンがわけの分からない言葉を返す
 「大聖堂か・・・」
 対して、アクリスはなぜか遠くを見つめている感じ・・・
 「どうしました?」
 「え?」レファンの言葉に即座に首を横に振り「あ、ううん、何でもない・・・」
 返すアクリス、
 問題はなぜか大聖堂を神妙ににらむカンテーラとウィルピーだ
 「・・・」
 「・・・」
 「では!先に行きましょう!!」
 嬉しそうに歩き出すレファンとは裏腹に、なぜか苦い予感がする俺達だった・・・
 ・・・入口の重厚な木製の扉を開くと、そこには大きな聖堂が存在していた・・・
 「うわぁ・・・」
 「凄いな・・・」「綺麗だ・・・」「荘厳っていうか・・・」
 四葉の言葉の後に俺達の言葉が続く、
 広い空間の奥にある地の色しかない石の女神像の背後の横半円の空間の縦長の大きな三つの窓、一切の着色がされていないガラスから降り注ぐ太陽光はそこが光に満ちた場所であることを表していた、
 壁と天井はところどころに、細かい円石柱を円並べたような模様が施された柱が埋め込まれ、上では綺麗なアーチが柱と柱の間に描かれ、
 下には正方形の白と黒のタイルが敷き詰められ、女神像の前には左右に木の長椅子が並べられていた・・・
 左右の端には扉型の穴の先に奥の通路や階段が垣間見える、いくら大聖堂とはいえ建物の高さや横幅から垣間見るに聖堂以外の部屋もあるに違いない、書庫とか、執務室とか・・・
 そんな中に深い紺色の全身を覆う下半身上半身肩辺りの三重ローブに少し高めの前立てに白い羽ロザリオが描かれたローブと同じ色の高い長方形の帽子に胸に羽ロザリオを付けた修道僧や様々な格好をした観光客やダブモン達が女神像や窓や天井を凄みに感激するように見上げている
 「っつ!」
 「ウィルピー?」
 ウィルピーが頭を痛めたように右手を額に当てる
 「どうかしましたか?」
 「え、ええっと・・・」
 レファンがかける声にウィルピーを見たままの四葉が戸惑い
 「頭痛?」「病気か?」
 フリィジアとイグリードが心配して近づく
 「心配ですね・・・あ、でも教団には医療術を使えるダブモンもいますし、診てもらうというのは・・・」
 「そうね・・・そうしてもらった方が・・・」
 「必要ない」
 ・・・カンテーラ・・・?
 ウィルピー見るレファンと四葉の意見をカンテーラが遮り大聖堂の方に飛んでいく・・・?
 そして、ウィルピーに横から視線を投げかけ
 「ウィルピー、こっちに来い」
 「ちょっと!ウィルピーは頭を痛めて「いいですよ・・・」
 ウィルピーが飛んでいく、同時に、カンテーラが大聖堂の方に視線を戻す、しかし、ウィルピー、どう見ても痛みが引いたようではなく、ますます右手に力を込め、むしろ痛みが増しているような・・・
 「痛いんじゃなくて違和感があるんだろ?で、その原因がわからずに頭を痛めたようになってる」
 カンテーラが目線も変えず俺の疑問の視線に応えるようにか話し出す
 「お察しの通り」ウィルピーがこともなげに答えた
 「違和・・・感・・・?」
 四葉の腰が引け、目が瞬かれ、明らかに困惑しているように見える、
 ・・・当然だ、俺達人間とダブモンの感覚は違うものだ、しかし・・・
 「フリィジア、イグリード、お前らは何か感じるのか?」
 問われたフリィジアは悩み気味に眉を曲げ目をつぶりつつ、イグリードは同じく考え込むように両腕を組み
 「まったく」「残念ながら」
 「どういうことだよ」「そうだよ」
 兎白と鼓動の質問に、フリィジアはさらに眉を曲げ、イグリードは考え過ぎで目などつぶりつつ
 「んー温度系の感覚には機敏なんだけどねぇ・・・」「俺も同じだ、もっとも、その意味は真逆だろうが・・・」
 つまり、カンテーラとウィルピーが機敏になっているのは、あいつらの共通事項においてということになる・・・
 等と考えている間にも、二体は大聖堂の女神像の斜め上こちら側まで飛んで周りを見下ろしながら、互いも見ずに行動を続ける
 「どう見る、ウィルピー?」
 「何か仕掛けでもあるんでしょうかね?」
 「うーむ・・・こうかな?、はいはいごめんよ」
 と、カンテーラが座っていた人たちを掃けつつ一番前右側の長椅子を持って飛び、ウィルピーを横から見る
 「ウィルピー、反対側頼む」
 ウィルピーも応えるように見返し、右手を広げ上げ
 「了解しましたー、」そう言って長椅子の方に動いていく「はいはいごめんですよー」
 「な!?ちょっと待ってください!!」
 レファンの慌てた声が響く中で、カンテーラとウィルピーは人を掃けさせ誰も座らなくなった長椅子を左右一番端まで行って、角から両端の壁に付けるように椅子を置く
 すると、長椅子の足は何かスイッチでも押すように少し埋まり、女神像の手前の床が奥にスライドしていく・・・
 出てきたのは下に行くための階段
 「だ・・・ダメです!!」
 レファンが言う間にもカンテーラとウィルピーが入っていく、その後を追うようにアクリスも走り出す!
 
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