バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/10

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 10
 
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 「やっぱり、入れないかなぁ・・・」         BGM:ワールドマップ1
 フォビドンと帝国領は大きな川で仕切られており、そこには大きく立派な石の橋が架かっていた、
 四角い塔を思わせる門柱が前後左右についており、門柱の間のアーチ状の支えの下にある上下式の柵のような門がその行く手を阻んでいる、
 「ふむ・・・手が無いわけじゃないが・・・」
 「どういうこと?」
 ジンガさんに返すと、俺の方に顔だけを向け
 「中央平原を囲む山があるだろ?」
 「ああ、確かに・・・」
 「あのあたりは力関係が微妙だから、実は蟻の穴のように警備が外れている場所があるんだと、そこをたどればあるいは・・・」
 そんなわけで、俺たちは川を上り、        SE:ワールドマップから移動
 山を歩いていく・・・                  BGM:山間の道、夜
 周りは木々が生い茂り、夜が迫ってくる・・・
 「そういえば私聞いたんだけどさ~」
 「何?リリサ?」
 歩きづらい山道の途中でリリサが話し出すのを顔も見ずに受け答えする
 「この辺りに教会があるんだって」
 「教会?なんで?」
 「知らな~い」
 「中央平原の監視者だっけ?昔の戦争を嫌った人が建てたとか・・・」
 本当?マユーカ?
 「そこからなら、中央平原見えるのかな?俺、見たことないんだよ・・・」
 「僕も・・・」
 「私も・・・」
 マユーカとリリサも見たことないのか・・・
 「ま、今の時代なら行くのは無理でも、見るぐらいならできるかもな・・・」
 そうですね、ジンガさん
 「そこで何をしているのですかあなた方・・・」           SE:驚き
 いきなり森の暗がりより俺達の前を遮るように表れたのは・・・シスターだ、
 紺の厚着にロングスカート、頭には白のヘヤバンドと濃紺のフードを合わせたベールを付けており、
 そこから顔横に揺れた金の長い巻き毛に切れ長の青い目は優しさに満ち溢れており、だが、その体系はシスター服を超え男性の目を引き付けるものだった、
 てっきり、幽霊かと思うほどの登場だった、で、思わず
 「あ、始めまして」
 「なにデレデレしてるの?」
 なぜか後ろからのメイダの棘のある発言、思わず苦笑いになりつつそちらを見て
 「あ~いや、こんな森の奥でいきなり表れたら変な表情にもなるさ」
 「若人は何やらこじらせて話せないようなんで俺が代わりに話すぞ~」
 そう言ってジンガさんが前に出る
 「始めましてシスター、俺たちは旅のもので故合って帝国領に向かうところなのです、できうるなら見逃してくれるとありがたいのですが?」
 「この辺りは夜は危ないですよ、最近は狼も出ますし、良ければ教会の方に一泊なさってはどうでしょうか?」
 シスターは笑顔のままも何も動じない・・・
 対し、ジンガサンは首を二度ほど横に振りつつ話し始める
 「いえいえ、それだと教会にご迷惑がかかる、朝になれば見つかる確率も増えてしまいますし」
 「そう言いつつ行方不明になった人は数知れず、安心してください、早朝に出れば何の問題もありませんわ、それに、その手の人を向かい入れたのも一度や二度ではないですので・・・」
 この人、何が何でも進ませないって意志を感じるな・・・
 「ご迷惑でないのなら、一泊させてもらおうよ」
 「おいおい、いいのか?」
 シスターを警戒しながら返すジンガさん
 「いいも何も、このまま一泊しなかったら通報するとでも言いだしそうだよ、この人」
 「あら~そういう手もありますわね~」
 うわっちゃ
 笑顔のまま返してきたシスターに思わずミスり心の中で戸惑いを受ける俺
 「まぁいいさ、そこまで言うなら、一泊させてもらおう、危険を感じたら、その場で暴れりゃいい」
 ジンガさんまぁ仕方ないけど、
 思わず呆れ許容する俺・・・
 「あらあら、物騒な発言ですわね、それでは、こちらに~」
 シスターが振り返り、歩き出す、と俺の目に飛び込んできたのは・・・
 「それ!リボルバーボウガンじゃない!?」
 そう、シスターが護身用に腰元にか装備している武器、それは六つの弓矢を持つリボルバーボウガンだ、
 簡単に言えば持ち手の無いボウガン六丁を回しまとめて一つの持ち手とトリガーで扱えるようにしたもので、
 弓の部分が六芒星を描くことから別名ヘキサグラムボウガンともいわれる
 「すごいな!実物を見たのは初めてだ!!」
 「リバルバーボウガンて?」思わず声を出したメイダさんの方を見る
 「聴いてよメイダさん!あれはてい」
 メイダさんの方を向く俺の左こめかみには、いつの間にか件のリボルバーボウガンが笑顔のシスターの手によって突きつけられていたのだった、
 無論、矢はしっかり、六つ入っている・・・
 「てい・・・何かしら?」
 笑顔のシスターが怖い・・・
 「な・・・なんでもないです・・・」
 そうして、俺たちは教会まで導かれていく・・・
 見えてきたはこじんまりとした教会、
 三角屋根に上の三角錐屋根の四角い塔にベルを持つ
 そこで、別のシスターがお出迎えする、
 服装こそシスターのそれだが、きりりとした顔の横から茶髪が見え、両腰にクロスボウと長剣を装備している
 「ずいぶん物騒だな・・・」
 ジンガさんの一言に案内してくれたシスターが横からこちらに顔を向け
 「言ったでしょう、最近狼が出るって、教会の中にいれば襲ってきません、あくまで畑が目的でしょうから・・・」
 返してきた、
 そうして、中に入っていく・・・
 中にあったのは、奥に時空神クロノスの大きな時計と深いローブを着た姿を模した像にその前にたくさんの差が椅子が左右に分けられ置かれている礼拝堂だった、
 像の左側に奥に行くための扉も見える
 そこで案内してくれたシスターがこちらに振り返り
 「食事などは何もおもてなしできなくてごめんなさい、狼たちのせいで食料が無くて・・・せめて、この礼拝堂でお眠りになっていただけませんでしょうか?」
 「ああ、屋根があるだけずいぶんマシだ」
 「にしても、時空神クロノスか・・・」
 ん?メイダさんが反応するなんて、おもわずそちらに顔を向け
 「どうかしたの?メイダさん?」                 SE:気付き
 俺の方を見て目を思わず瞬きさせて口走りながら慌てて顔を二度ほど横に振り
 「え?ああ、ううん、なんでもない」
 「時空神クロノス」
 と、シスターが厳かに語りだす、中途半端な知識しかない俺達より、シスターの方が詳しく知ってるか・・・
 「時間を動かし、それにより無であった世界を流動させ混沌を生み出し、また戻すことを禁忌とすることで未来に世界を進ませ続け差異を生み出すことで有と成し、世界を生み出した・・・」
 「・・・」
 シスターを見ながら黙り込むメイダさん、
 その顔からは何とも言えない感情があふれているように見える
 「メイダさん?」
 先ほどと同じように俺を見て気付きつつ弱く顔を左右に二度振り
 「あ、ううん、何でもない」
 返してくる・・・
 「そういえばシスター?」
 「はい、何でしょう?」
 「襲われてる狼の一団の中に、大きい狼とかいませんでしたか?」
 ジンガさんの質問に、俺は思わず気付く、今まで鍵を持っていた奴は、すべからく巨大化していたことを・・・
 シスターの目が驚きでか少し大きく見開かれ、
 「なぜそれを?その大きい狼が現れてから、狼たちが活発化したのですが・・・」
 俺は皆と目を合わせ、シスターの方を再度向き、口を開く
 「狼退治、俺達にも手伝わせてくれませんか?」
 シスターも声を出した俺の方に目線を向け
 「え、でも・・・」
 「なぁに、報酬として、その狼の死骸を頂ければ俺たちはそれでいいさ、大きい狼の毛皮や牙、さぞかし珍しくて高く売れるんだろうなぁ・・・」
 今度は意見を出したジンガさんの方を向き、疑問符交じりな感じの息を出しながら
 「はぁ、それくらいでよければ・・・」
 「なら決まりだ」
 「畑は二か所ありますわ、なら、じゃんけんで・・・」
 こうして、俺とメイダとシスター、ジンガとマユーカ、リリサで別れることとなったのだった・・・
 ・・・
 「ねぇ?さっきの話の続き、話してくんない?」
 メイダさんが左隣から話しかけてきた
 シスターは遠くでクロスボウ構えて見張ってる
 「ああ、リボルバーボウガンっていうのは前の皇帝の懐刀って呼ばれてる人が使ってて、その人は忽然と姿を消したって話」
 「どうしてそんな話知ってるの?」
 「うちの村は帝国領に近いからね・・・」
 「ああ・・・」
 「来るぞ!!」                    SE:エンカウント!!
 俺は剣を抜いて構えつつ声を出したシスターの方に   BGM:森の中の戦闘・夜
 駆け込む!!
 相手は狼三体、赤い目が怪しく光る、
 その中央一体が飛び掛かってきたので盾で防ぐ、よし、ここから反撃・・・
 そう思った次の瞬間、横から狼が飛び掛かってきた!くそっ・・・
 が、その狼は矢の一本を付け吹き飛んでいた、
 同様にもう一体も矢を受け吹き飛ぶ・・・
 もちろん、後ろにいるシスターがクロスボウで撃ち出していたのである、
 ひぇえええ・・・
 あまりの威力に思わず肝が冷える・・・流れ弾が来ませんように・・・
 だけど、これで終わりだ!                     ザシュ!!
 俺は残った狼の脳天に剣を叩きつけ、絶命させた・・・          ガチャ
 シスターが持つボウ本体が回転し矢のあるセットユニットを上へ持ってくる機械音が響く中で改めて絶命した狼を見る
 なんだ、普通の狼じゃ
 ウオォオオオオ・・・
 「来るぞ!!」                      BGM:凡庸ボス2
 出てきたのは、俺の体躯以上の高さを誇る狼!
 それが走り込んでくる!
 「この!」            輝きの星よ・・・今こそ我が意思に従い・・・
 三本の矢が飛んでいくが、どれも当たりはするものの刺さらない!?
 「なるほどね・・・」                         瞬け!
 「先に行くわ!
  スターシャイン!」    キラキラキラ・・・ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!
 きらめく星が降ってきて、大狼を足止める!
 そこに俺が斬り込む!
 「今度こそ!大牙豪炎剣!!」 ゴッゴッ、ボオォォォ・・・ガスガスガスガス!!
 蹴りからの剣と火柱が確実に焼き焦がす!
 おし、効いてる!
 「ワオオオオォオオオオ!!」
 しかし、そこからの大咆哮が、炎を俺ごと無理矢理吹き飛ばす!
 さらに着地する中、狼たちが正面から向かって来る!?
 「こんなもの!
  空裂牙走閃!」      ビュォオオオオ!!ザシュザシュザシュザシュザシュ
 狼たちごと竜巻で一気に斬り裂く!
 「きゃぁああああ!」
 へ?後ろ!?
 見ると、後ろから狼の群れが迫ってきており、シスターさんがボウガンを撃って応戦するものの、俺との距離が徐々に狭まってきていた!?
 「助けに・・・」                           ガッ!
 俺はいつの間にか振り下ろされていた大狼の前足を盾で何とか防いでいた・・・
 くそっ!こいつ、押さえつけてきてる!?
 俺の動きを制限するつもりか!?
 狼の大口が俺の方に迫る
 このままじゃ
 「いい加減にしろよ糞狼」
 へ?シスターさんの目と声と口調がりりしいものへと変わっていた
 そして、メイダに何かささやいた後、一気にこちらに向かって来る!?
 「坊主!そいつを抑えとけよ!!」
 え、ええと・・・ええい!
 俺は剣を仕舞いつつ、そのまま口下の毛を掴む!
 狼が目を見開かせて驚き動きが止まる
 これは・・・
 「上出来だ!」
 シスターさんがボウガンで狙う!
 「眸々潰閃矢!!」                (ホウボウカイセンヤ!!)
 シスターさんの二本の矢が、的確に狼の目に突き刺さる!     ガシュガシュ!
 「ワォオオオオ!!」 
 おっと、ひるませて動かすわけにはいかない!!ここからさらに俺も!
 「握留氷槌盾!」                 (アクトヒョウツイジュン)
 握ったまま、氷の力を込めた盾を叩き込む!           バシィイン!!
 「ワォオオオオオオオオ!!」
 大狼は頭を思い切り上げ吠える!
 「この瞬間を待ってたんだよ!お前はすぐ逃げる上に、うちのシスターじゃ、動きを止めるおとりにはならねぇからなぁ!!」
 すっかり人格が変わっている・・・ってそうだ、メルダは!?
 「スターボム!」                      ポイッ!ズドム!
 と思ったら、メルダは即席で生み出した数素武器と同程度の大きさの黄色く淡く光る星型の爆弾を狼たちにぶつけ、きっちり足止めしていたのだった、
 「あ・・・あれは・・・」
 「私が数素奥義のコツを教えた」
 シスターの声に思わずそちらを見て
 「ひ、一言で!?」
 シスターの切れ長の凛々々しい目が俺の方を向き
 「そもそも、素質があったのに引き出してないお前らが悪い」
 そ・・・そういうもんかなぁ・・・
 「おおぉ~い!」
 と、向こうからジンガさん達が駆けてくる!
 「どうやら、戦いの気配を察してこっちに駆けつけてくれたようだ」
 そう言いつつ、シスターさんが大狼の方に振り返る、しかし、大狼は後ろに踵を返そうと
 「逃がすわけねぇだろうが!数素開放!!」
 数素を開放した中で、シスターさんが思い切りクロスボウの弓を引き絞った後、
 ゆっくりと矢をリボルバーボウガンに装填していく、
 1                                 ガシャ!
 2                                 ガシャ!
 3                                 ガシャ!
 4                                 ガシャ!
 5                                 ガシャ!
 6                                 ガシャ!
 そして、おもむろにリボルバーボウガンを大狼に向け構え
 「これで終わりだ・・・一斉斉射!!」          (イッセイセイシャ)
 一度に放たれた六本の矢は、その圧力で持って大狼の頭蓋を見事に砕き、その内部に突き刺さったのだった・・・
 「ワォオオオオオ!!」
 狼が遠吠えを上げ、倒れ伏していくのだった・・・
 「ふ・・・今度はクリーンヒットだ・・・」
 その後、残った狼たちはあるものは逃げ、あるものは立ち向かって俺達にやられ、
 最後には狼たちは誰もいなくなったのだった・・・       SE:戦闘勝利!
 「さて・・・」                           リザルト
 俺は大狼の口の中を見る                    1250EXP
 「おお、おお、あったあった」               仮1200ゴールド
 見つけたのは金色の3、こんなとこにあったのか・・・  獣肉:狼を入手しました
 「そいつはなんだ?」                毛皮:狼大を入手しました
 聞こえたのは凛々しい方のシスターの声、振り返ると、そこには怖い笑顔のシスターが・・・
 「話してもらおうか?洗いざらい・・・」
 ・・・そして、教会に戻る・・・             3の鍵を入手しました
 「フーンなるほど、そういうことになってたわけか・・・」 BGM:山間の道、夜
 教会の講堂で、足など組みつつ椅子に座るシスターに事情を話すと、髪などいじりながらどこかつまらなそうな顔で返してきた
 「そして、それを集めていて、さらに王国と帝国軍が戦争ね・・・なるほど、なら、私も動かなきゃならないか、そろそろ起こりそうだと思ってたんだよな・・・」
 「起こりそう?何が!?」
 「そろそろ夜明けか・・・なら、見てみるといい」
 教会を出て、裏手に移動する
 「この辺り、特に標高が高いからな・・・」
 見てみると、遠くの遠くの方、丸い草原の中央平原の向こう確かにそこには俺の故郷の方が見える・・・
 が、その様子は俺が覚えているものとは違っていた・・・      BGM:不穏
 左に青い鎧の一軍、右に赤い鎧の一軍、
 それが夜明けとともに向かって行き、
 ぶつかり合い、              BGM:幾多の剣戟と命落とす音と声
 殺し合いを始めたのだった・・・
 「そん・・・な・・・」
 思わず体が力を無くし膝をついていた
 「昨日の時点でここから両軍が陣を張ってるのが見えてさ・・・」
 「・・・」
 「で、下手するなら私も動こうかと思ってたんだけど・・・」
 「フォビドンの策は失敗したか?いや、まだわからんか・・・しかし、戦いが起こっているのは事実・・・」
 ジンガさんの声が聞こえるも俺は動けない、だけど・・・!
 「行こう・・・」
 俺はなんとか立ち上がる・・・
 「俺達にできることを、何としてでも探して、するんだ!」
 「うん」
 「おう」
 「ああ」
 「うん!」
 後ろからのメイダさん、ジンガさん、マユーカ、リリサの声、
 「てなわけで、私も同行するからな、シスター、シスター、アルフィエラス、よろしくな」
 俺は後ろに振り返りながらシスター、いや、アルフィエラスさんに向かって右手を出す
 「こちらこそよろしく!」
 と、アルフィエラスさんが握り返してきた     SE:仲間加入ファンファーレ
 
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