オリジネイト番外 オリジネイト・ヘッドリオ 10
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第10話 暗転
「っつったぁ・・・」
目が覚めると、石煉瓦の暗く汚い天井が視線いっぱいに広がり、周りを見ると天井と同じような壁が周りを囲み、一面のみ、鉄の棒が等間隔に並び、その先に同じような昏く汚い石煉瓦の廊下が広がる・・・そこは牢屋の中だった、窓すらない牢屋の中、牢の向こうには通路と壁が広がっている、
通路のどちらかから行けばここから出られるのだろうが・・・
そこで、通路左の方から声が聞こえてくる・・・
「私は報告のあった男を捕らえてこいと命じたはずだが?」
疑問を呈す初老の男の声・・・?
「男は見つからなかった、いたはずの場所にはあの少女がいた、順当に考えるなら、その男の正体があの少女だと考えるのが妥当だろう」
これは・・・私が意識を失う前に聞いた声だ!
「ふん!下らん!!男が少女に変わったとでも!!」
それを先ほどの初老の声が怒声で持って遮断する・・・
おうおう、上の人間が報告に来たやつの言葉を信じられないといった感じか?
こういうことがあるから戦闘時には姿を変えておけば色々と楽なのだ
「そういった魔術があれば可能だろう、もしくは逆かもしれない、いずれにしても、奴の持ち物を調べれば何かわかるだろう」
「ふん!下らん、後で研究員たちに引き渡して、そこで調べてもらえ!」
「御意」
う~ん、まずいな、あのパペット、色々仕込んであるんだよね・・・
仕方無い、
「我が眷属の人形よ、その操作を・・・」
これは私の使える数少ない魔法の一つ、
持っているあのパペットの視界と操作をリンクする魔法だ、
だが、いつも使ってるパペットとは視界が取れない・・・
しまった、持ってかれたか・・・
この術、距離が離れすぎると効かなくなるんだよなぁ・・・
仕方無い・・・
鞄にしまってあるもう一つとリンクする、
いつも使ってるのは簡易な薄黄色い狐のパペットだが、これは灰色の犬のパペットだ・・・
鞄の中・・・私物の財布や今着ている物と同じ予備の服は見えるが、魔石で作った石像や魔石は一切見えない・・・
あ、そうか、いつものパペット、魔石が付いてるから一緒に持ってかれたのか、
よし、それならこのパペットを操って・・・
鞄から出し、慎重に左右を見る、
さすがにパペットがひとりでに動いてるとなると怪しまれるだろうし・・・
ん?左手側の先、壁にくり抜かれ石煉瓦で整備したように上に行く階段があり、その階段の先の方を黒い奴が見てる・・・?
多分、あれが私を気絶させたやつか・・・?
見つかるわけにはいかないな・・・
音を立てないよう反対側にゆっくりとパペットを動かし、左手に牢が並ぶ石煉瓦の廊下を行き、牢を一つ一つのぞき込み・・・
私が見えた!三つ目の牢屋で!
よしよし!
牢屋にパペットを跳び入れ左手に付け
「そこで何をしている?」
あ!さっきの黒い奴が牢屋のすぐそこで私を見降ろしてる!
私はとっさにパペットで黒い奴を噛み千切る!
「なに!?」驚き声をあげ怯み下がる黒い奴!
作ったのは闇色の魔石!
額の蓋開け額に入れ蓋を閉めつつ蓋ごと押す!
「変身」
「ダーク!ダーク!ダーク!ダークスカル~」
男性的な筋肉質な肉体に体に鋭角な黒い鎧を纏い、薄青く長い横髪と後ろ髪のような物、頭とパペットは白い頭蓋骨の姿へと変わる!!
私はパペットの白い頭蓋で牢をかみ砕き一部破壊!
その勢いで体当たりし、鎧で牢屋を叩き壊し脱出する!!
「なんだと!?」
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