バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

オリジネイト番外 オリジネイト・ヘッドリオ/3

オリジネイト番外 オリジネイト・ヘッドリオ 3
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

 
第3話 孤島
 
 「まったく、石像に付いてるのぐらいの低密度の魔石なら珍しくもくそもないと思うんだけど・・・」
 変身も解け、怪物の魔石をパペットを付けていない手に取り、よく見る、
 「私が商売に使っている物より純度がいいんだが・・・?」
 魔石なんていう物は自然界にありふれて存在する、
 低純度の物なら、それこそそこいらへんの石ころのように存在している、というより、全ての物には多かれ少なかれ魔力が宿る、
 ま、普通の物から魔力を引き出すのはよほどの大魔導士や風水師などのある種の深遠な知恵か悟りが無ければ無理だけど・・・
 私のパペットはある程度魔力が強い物から魔力を引き出し魔石に生成、
 または、逆に魔石から魔力を引き出して戦闘能力にするものだ、
 もっとも、大規模な戦闘を行う際はかなり魔力の高い魔石から魔力を引き出す必要があるが・・・
 とと、思案しているより情報を探った方が早いな・・・
 ちょうど人も戻ってきてるし・・・私は魔石とついでに床に敷いた布を回収し鞄にしまい
 そうだな、あの気さくそうな・・・
 「なぁ、おばちゃん、さっきの怪物何?知ってる?」
 優しそうで少し年の行った恰幅の良く黄色い貫頭衣と濃緑色のスカートで軽く衣類を着た天然パーマの女性に訊き込みを開始する、
 雑然と並ぶ様々な灰色の濃淡の石煉瓦で作られた様々な大きさの四角の家本体と橙の三角屋根に窓と扉で構成された家々の街の中で訊き込んだ少し年の行った恰幅の良い女性は眉を顰め
 「さぁねぇ、最近時折現れては魔石や魔石の入ってる物品を奪っていくのよね、この辺りの警備隊も調査中だって言って何もわかってないし、何なんだろうねぇ・・・」
 ふむ・・・魔石の物品を奪っていくのか・・・
 これは事件だな!ほったらかしにしてたら商売にも差しさわりが出るし、
 おし!私が調べてやろう!!
 とりあえず・・・
 私は笑顔で、
 「ありがとおばちゃん、別の場所行ってみるわ」
 おばちゃんはひそめ眉を今度は心配そうなものに低角度に変え私を見る
 「ああ、やっぱりね、気を付けてね」
 私は軽く頭を一度振り
 「うん、また来るわ、その時には彫像買ってね、じゃあね!」
 右手を軽く上げおばちゃんに振りつつ振り返り離れる、
 さて、どこに行こうか・・・
 右手を降ろしながら私は上を見上げた、
 そこには、上空に三方向からの巨大な鎖につながれた、円盤状の巨岩、
 張り付いた表裏のある白煉瓦造りの街が、まるで物語の中の崩れ去った大地のようにこちらを向いていたのだった、
 まるで空という海に浮かぶ孤島のように・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――