バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

忍者マウンテンサイクリングレース/12

忍者マウンテンサイクリングレース 12
 
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 12
 
 暗闇の川を平泳ぎで対岸に向かい泳ぐ俺、
 方向はこちらで合っているはず・・・
 この真っ暗闇の川で最も怖い事、それは方向が分からなくなること!!
 その次は足元を取られること!!
 ぬ、後続が追ってきてるな、
 俺は金づちというわけではないが、泳ぎが特段得意、というわけでもない、
 ならばこれを・・・
 水遁、怪奇からくり魚!!
 見た目は真っ黒で歯が大きめの魚の骨のからくり、白い歯車型のネジ巻きが付いている、
 水中を進むだけだが、口が開閉して相手に噛みつきかかるという仕組みだ、
 攻撃力は皆無だが、相手をかく乱するだけのものだ、
 両足は泳ぎながらネジ巻きを巻いて付けた糸を持ち後ろに流す
 「・・・!?!!?」
 誰かの声にならない声を感じつつも
 夜の川を泳ぎ続け対岸に着く、
 糸を巻いてからくり魚を回収し、走り出す!
 先にある道路と並行した上り坂を上りその先で左に向かって合流したコンクリートの道路をひた走る、
 周りには誰もいない、
 このままトップを・・・
 いや、右横に誰か来た
 「やはりお前か・・・輪蔵」
 ・・・この濃い青の忍者装束に鋭い眼光、間違いない、転五・・・
 「負けん・・・」
 からくり魚を糸の端を持って振り回すが、
 転五は右手で弾き、
 代わりにエアガンで先の方にBB弾をまき散らすが、
 俺はそれを踏み砕きながら走る
 「やはり」
 「小細工は効かない・・・」
 俺は全力で駆ける、同時に転五も全力を出す、
 ゴールは目前、誰かが仕掛けたスピーカー型の機械から来る前方からの衝撃波を左右に避けながら一つ踏み込み、
 俺と転五は、いや、
 俺は転五より一足だけ早くゴールを駆け抜ける!
 「くそっぉおおお!!」
 「よしっ!」
 立ち止まりながら膝から崩れ落ち思わず出る転五の叫びと同じく立ち止まり両こぶしを握り両肘を一気に下げたガッツポーズで出る俺の歓喜の声、
 最後の決め手になったのは衝撃波への対応力、
 俺が一歩速かった!!
 この調子で次の自転車競技も勝ってやる!!
 
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