忍者マウンテンサイクリングレース 6
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
6
全員が蜘蛛の子を散らすように散って行く、
上を行く者もいれば目立たない下のルートより格好をいつの間にか変え一般人を装って行く者もいる、
集まっていては目立つし、ここは町中で人通りも多い、
ゴール地点も自然と集まる形になるなら早くに行くに限る、
だが、中央一直線はさすがにリスクが高い、
大きな道路の上を跳躍して先にある別のビルの上に着地しつつ、少し左にずれたルートに飛ぶ、
先のビルに着地しつつ考えをめぐらす、
街中なので大きな遁術も使えない、なおかつ俺よりも速い自転車忍者も多い、
このまま手をこまねいてみているわけにはいかない・・・
自転車をこいで次のビルまで跳躍する、
しかしどうする?全速力で走りたいがそれだとビルの屋上の手すりや段差が面倒・・・
はっ!ある、手すりや段差が無く、かつ目立たない場所が!!
俺は着地しつつビルの隙間に向かい再跳躍、ビルとビルの間に入り込みながら姿勢を低くし、体の角度を頭を右に向けるように変え自転車の車輪をビルに設置させペダルを踏み込みビルの壁面を横走る!!
これならば最大加速しつつ次のビルの壁面まで飛べる!!
名づけてビル遁・輪駆壁横走り!!
高度に気を付けつつビルの間を飛び先の壁面を再度走り、
ゴール地点と俺視点で垂直になったところでゴールのビルそばの頭上方向のビル間へと飛ぶ!!
ビルの裏路地の壁を横に走って行き目標地点のビルの屋上に向かい直角に方向を変え走る!!
ビルの壁を頭の方に飛ぶ角度を調整しつつ飛び出し、横に一回転しつつゴールたるビルの屋上に着地、
が、そこには先客がいた、
ビルの屋上にあるはずのないヘリの前にいたその存在は・・・転五!?
「ば・・・馬鹿な、ヘリを使ったのか?いや、そのヘリは・・・」
よく見ると中にヘリが見える、そして、プロペラなどに見える機構から・・・
内部にある自転車をこいでプロペラを回すタイプか!?
転五の視線がこちらへ目力を込め鋭く向けられる!?
「わかったようだな・・・」
「なに!?」
「あらかじめパーツ一式をスタート地点近くのビルの屋上に青シートをかぶせて隠しておき、スタートと同時にビルに行き組み立て、一気に飛んできたのだ!!」
「ぐ・・・ヘリ型なら街の上を飛んでいてもバレない!!」
「任務で出来た空き時間で頑張って作ってよかった!!というわけでお前は二位だ!残念だったな!!」
俺は悔しさに思わず右拳を前に出てしまうほど強く握り込む
「ぬぬぬ・・・次こそは必ず!!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――