バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~/3

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~ 3
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 が、あたりを包む光のトンネルを抜けるようなその光は一向に消えず、
 下の方に半透明の黒いウィンドウに文字が出てくる
 「ええっと・・・キャラクター作成・・・?不慣れな方はテンプレートから改造して作ることをお勧めします・・・?」
 ・・・ええっと・・・右に上下に1から、と、テンプレートを開くって出てら・・・
 テンプレートを開くを選択し、出てくる様々な体型年齢髪型の人物たち・・・
 「っこれ、私に似てる!」
 右上にあったそんな感じのキャラを選び、髪色や目の色をちょちょっと青から茶に変え、名前は・・・あ!トークンアリスとか!!
 そんな感じでOKを出すと、今度こそ光が消え、新しい場所に到着する、
 出てきたのは、青空広がる道だ、左右にまばらに木が生えている・・・
 「ようやく来たか・・・」
 目の前に両腕を組んだ見知らぬ女性がいる、青い蒼穹の髪の毛に、白いリボンに胸の谷間を出して強調する革の鎧に革のマント、白のズボンのファンタジーの登場人物なのは・・・
 ええっと・・・
 「私の名前はガメオベィラ、それから、別回線のテキスト変換音声チャット開くように申請出すから、受理してちょうだい、ゲーム内チャットは切るように」
 「チャット申請が届きました、テキスト音声変換型です、なお、内蔵ソフトにより喋った言葉をテキストに変換した後、別の人の声として出します、申請を受けますか?」
 「あ、は、お願いします、ベガさん」
 「似たシステムであるゲーム内テキスト変換型文章チャットの音声入力はお切りになりますか?」
 「はい、切ります」
 「それでは、音声繋ぎます」
 「あ、聞こえる?私だよ、私、久利亜!」
 「久利亜ちゃん!?」
 聞こえた意外な声に思わず驚く
 「そうそう、今の私はガメオベィラね、そっちの方で呼んでね、」
 ああ、目の前の少女が久利亜ちゃんのプレイヤーキャラクターなのか・・・殺気から挑発的な視線を向けて微動だにしないけど・・・
 「それじゃ、ゲーム内チャットに戻すよ」
 「う、うん・・・ベガさん!ゲーム内チャットに戻して」
 「了解しました、切り替えを戻します」
 「聞こえてるー?」
 ようやく目の前の女性の口が動いて反応しつつ両腕が解かれる
 「聞こえてるよ」
 「それでさ、ジャイログローブつけてる?」
 ジャイログロー・・・?あ、こいつについてきたあのグローブか・・・
 「なんか、いろいろ面白いらしいよ」
 言いつつ表情が楽しそうな笑顔に・・・
 「ええっと・・・」
 どうしよう、現実の方見えないしなこれ・・・
 「カメラ切り替え」
 久利亜ちゃ、ガメオベィラの声に思わず目が覚めたように気が付く
 「はっ!?ベガさん!」
 「なんでしょうか?」
 「ええっと、ゲームを維持したままカメラだけ現実の方に戻すっていうのは・・・」
 「かしこまりました、ゲームを維持しつつ、操作権限を現実の方に戻します」
 と、目の前に私の部屋が戻ってくる、
 よしそれじゃ、グローブをええっと、とりあえず右手に・・・
 手の甲と手の平で輪っかが青く光るイカスグローブをステーションより取り外し右手にはめる、
 「それじゃ、戻して!」
 「了解しました」
 そうやって、画面が戻ってくる、
 「付けた?」
 「付けた付けた」
 「それじゃ、操作方法教えるね、まずは移動から?」
 ・・・移動・・・こう?
 立ち上がって歩くが、何も変化は起きない
 「なにしてるのよ?」
 「いや、歩いてる」
 「もしかして、現実で?」
 「そう」
 「あのね・・・ゴーグル動かしても移動しないわよ、安全対策のために、移動にゴーグル動かすやり方は禁止されてるんだから、」
 あ、そうなんだ
 「それじゃ、操作方法教えるね、マウスを左クリック」
 「・・・ベガさん!マウスの使い方!!」
 「そっからかい」
 「ただ今、ジャイログローブを使っていない左手にマウス登録されています、画面の上に表示しますか?」
 「お願いします」
 と、先ほどのネズミ型の機械が表示される、
 「左利き対応により、左右逆になっておりますのでご注意ください」
 おそるおそる、マウスを右クリックすると・・・突然景色が前に向かって動き始めた!
 「うわっ!すごいすごい!」
 そのまま見渡すと、周りの景色が確かに見える!
 「で、右クリックで後ろに移動」
 反対を押すと、今度は景色が後ろに動き始める、
 「マウスを動かすと、左右に方向転換」
 右左と動かすとその通りに動き、そのまま、衝撃の様に画面が上下に動いてと動かなくなった!
 「あれ?」
 「後ろ、木にぶつかってる」
 え?あ・・・
 後ろの方に視線を向けると、確かにそこには木があった
 とりあえず体を離そうと木に手を当て・・・ん?
 「これ、木の触感がする・・・」
 「え?」
 確かに、木を押してる感じから少しはがれそうなざらざらした感じが・・・
 「そんな馬鹿な・・・あ、ジャイログローブか・・・」
 「ジャイログローブが!?」
 「振動によって木の触感をリアルに再現してるのね・・・」
 と、ガメオベィラがいつの間にか私の前まで来ていた・・・
 ・・・
 思わず右手がガメオベィラアバターの胸に伸びる・・・
 ・・・ふむ・・・
 「ち○びが無い」
 「当たり前じゃ!!」
 ガメオベィラから右拳がのび、私の左頬にクリーンヒット!
 「へぶっ!!」
 ・・・思わず声が出ちゃったけど、痛みとかはない、画面が振動はしたけど・・・
 「まったく、R18ゲームじゃないっつーの、というか、私の事そんな目で見てたわけ?」
 そんなわけないじゃない(棒読み)
 「ジャイログローブの触感操作が凄いと聞いてつい」
 「まったく・・・まぁいいわ、とりあえず、最初の街まで行きましょうか、そこでギルド検索でもしますかね・・・」
 「ギルド検索?」
 「ギルドの受付があるからそこでね、他の操作方法は歩きながらやりましょうか、ほら、道の先遠くに町があるの分かる?」
 見渡してみると、右手、道の先に空の青に侵されたような時計塔が見える・・・
 「あれ?時計塔・・・」
 「そ、とりあえずそこに向かってくのよ、街道を下手に外れるとモンスターに出くわしたりするからね、注意してね、それじゃ、メニューの出し方は・・・」
 ・・・そうやって、私達は、最初の街に踏み込んだ・・・
 そこは、大きな壁で守られ、屋根が三角で茶色い木材の簡易な家々が左右に並び立つ、くすんだ茶色いレンガを基調とした、大きな町だった・・・
 そこかしこに老若男女、簡単な白い服のみや革や鉄の武具を身に着け歩く人、
 一対の斜めに立てかけた棒に張っただけの白布の屋根の下や青空の下に布を広げて鋼の刃に黄色い持ち手の剣や二つ頭の蛇の紋章入りの革で出来た盾などの武具や布と橙のひもでまとめた葉っぱなどをはじめとした何かしか売っている人々を見かけ、
 「ついてきて」
 家々が立ち並ぶ中で、中央にある、時計塔が一体化した一際大きな建物の両開きの木の扉を開け家に入る、
 中は赤いじゅうたんが敷かれて、奥に広いカウンターがある場所・・・
 そこにいる、薄桃色肌で胸にブローチ付きスカーフ付けた女性用スーツを着こなす受付嬢にガメオベィラが近づく
 「すみません」
 受付嬢が笑顔に変わり、案内するかのように左手を手の平を上にして上げる
 「何でしょうか、ここではギルドの作成や・・・」
 「ギルドを検索してほしいんですが?」
 何か言いかけていた受付嬢を遮り、ガメオベィラが用件を伝える
 「ミステーシャっていうんですけど・・・」
 「ミステーシャですね、少々お待ちを・・・すいませんが、該当項目ありませんでした、ミスティーシャではないですか?」
 「あ、そっちだ」
 「おい!」
 ガメオベィラちゃんが思わず相槌を入れてきた
 「ミスティーシャはここセントラルタウンより西のウェストシティに構えております」
 「おし、行こう」
 え?マジで?こんな面白そうな大きな町なのに・・・?
 「ええっ!?もうちょっと色々見たいよ」
 「今何時だと思ってる?」
 「さっさと行きましょう」
 ・・・実際問題、もう夜遅いのだ、私も眠くなってきている・・・
 ミスティーシャがどういうものなのか、出来る限り早く見ておきたいしなぁ・・・
 様々な露店を残念にも見送りつつ西側から街を離れ、そのまま直進、
 そうやって、西にあるであろうウェストシティにたどり着く
 セントラルシティとあまり変わりないと思いきや、白いレンガが混ざって目立つ・・・
 「この辺りは設定上、大きな町を五つに分割したような物らしいからね、」
 話しながらガメオベィラちゃんに着いて少しずつ暗い路地に入っていき
 「あ、着いた」
 少し裏通りのたくさんの繋がった建物の内の民家の一つ、一見しても一見しなくても四角い木の扉と透明なガラスはまった田の字窓持つここが・・・
 「ミスティーシャ!」
 とつぜんガメオベィラちゃんが扉に向かって叫ぶ!
 「・・・何今の、合言葉?」
 「たくさんのギルドがここ一つに集積されてるから、一覧から探すか該当のギルド名を入力する必要があんのよ」
 あ、なるほど・・・
 「さ、こっから先はあんたが先に行きなさい」
 ガメオベィラちゃんが言って後ろに回る・・・
 私は扉に近づくと扉の横向きの木のノブに手をかけ、
 確かな木の感触と下に押す感覚を感じつつノブを回し下げ扉の重さを感じながら押し込んでいく・・・
 そして、私はガメオベィラちゃんと共にギルドに足を踏み入れる、
 中身はまるで少し年齢層高めの飲食店のようだ、右手奥にカウンターがあり、そこにいた黒髪の女性含め
 「いらっしゃい!!」
 黒い髪の妖艶な美女、金髪の騎士のような冷徹な美女、着物を着た妖しげな魅力漂う遊女、幼さの残る森人のような美少女、古代岩機械のパーツが体に着いた無感情な機械のような美少女、黒髪ツインテールの黒ゴスロリ美幼女、金波長髪に女神のような簡易な白い布服の聖美女、七人の美女が私達を出迎えた!!
 
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