バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~/4

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~ 4
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バトル2
 
 「ん?あれは・・・ポータル・・・?どうやらここまでのようだ・・・」
 歩いていると、目の前に、石造りの二重円の台座が見えてきた、なるほど、ここでこのエリアは終わりらしい・・・
 私とサラさんが上に乗ると下から端々に光立ち上らせながら私たちを包む光の柱が浮かび上がってくる・・・
 「それじゃ、次のやつによろしくな・・・」
 サラさんの声が響いたと思ったら、気が付くと、景色が一変していた、向こうの青空の中に四角いレンガを積み上げて作られた門、その向こう、道の端々に赤い三角に角度のついた屋根と白い漆喰の家々が見えた、
 そこに行くための一直線の道と左右に草原も見える物の、恐らくそちらには行けないようになっているのだろう、透明な壁とかで・・・
 そして、その景色の中で斜めに構えるように私に冷たい視線を向ける一人・・・
 「来たな・・・」
 そこにいたのは、濃いブロンドの髪をした女騎士、
 きりりと正烈な顔立ちに、緩くウェーブのかかった髪、その目は髪と同じ金色で、金縁の少し軽い白い鎧に身を固め、
 逆十字架を元にいた薄い紫水晶のような材質の刃の剣を携え、同じ色かつ金の十字架が大きく入った聖盾を持つ、
 名はフレナ、職業はそのまま防御職の騎士系上級職、パラディンだ、
 兜も装備していると思われるのだが、ファッション装備設定で隠しているのだろう、
 「さぁ、行こう、何を緊張してるんだ?私と君の中じゃないか?」
 「え?ただのギルドの仲間ですよね?」
 「そう、一緒に戦ってきた仲間だ」
 「あ、そういう意味ですか・・・じゃ、行きましょうか」
 そうやって、一歩前に踏み出していく・・・
 とりあえず、道を外れようとしたものの、壁のような物があって進むことは出来なかった、よくあることだ、
 となると、行くべきはあの町の方か・・・
 「気を引き締めて行こう、町に敵が潜んでいる」
 フレナさんの言葉のとおりに警戒しつつ先へと進む、
 「この辺りかな・・・」
 すると、フレナさんが力なく片膝をつく、
 「弱ったふり(挑発系スキル、冷酷な性格の相手を引き付け、発動者をターゲットにさせる、挑発系スキルは他にも、単純な相手に効く、馬鹿にする、正々堂々な相手に効く、かかって来い、狡猾な相手に効く、回復役を騙る、等があり、相手を見極め使い分ける必要があるが、単独相手の痛みを増幅するように盾を叩きつけて小ダメージと共にその相手から注目させる痛覚盾打、複数の性格が一緒にいる時にのみ効く、連携をかき乱すように叫ぶ、などもある)」
 そこに、前方上より大量の銃弾がフレナさんに降り注ぎ、
 フレナさんはとっさに盾を出してこれを防ぐ、ただし、微量のダメージは受けているが・・・
 「ぐっ・・・屋根の上に大量のガンマンサイクロンがいるパターンか、厄介な・・・」
 「フレナさん回復は・・・」
 「いらん!それより撃ち落せ!!」
 「ええっと・・・とりあえず、セイントー(伸ばし棒までが正確な名前の光属性初期攻撃魔法、僧侶職と闇属性以外の魔法使いが使え、対応ステータスに回復魔法に関連する項目が存在する関係上、回復職でもダメージが高い、ただし、類似魔法は中級のセイントーディアまでしか存在せず、光属性攻撃魔法はその後、対応ステータスや習得者が光属性魔法使いに偏って行く)」
 私の前に発生した銀の光が、弾丸が来た方に一直線に飛んで行き、向かっていった先で何かを打ち抜いたのか、向かった先の屋根の上から薄赤茶色い布をまとった何かが降ってきて、地面にぶつかる前に消滅した
 お、一体倒した・・・?
 「一体一体倒すな!範囲攻撃魔法で行け!」
 って言われてもなー
 嫌な予感がしつつほんの少しだけチャット欄を見る、戦闘の経過も載っているのだ・・・
 「・・・でもですね、チャット履歴を見たらあんまりダメージ与えられてないみたいなんですけど、範囲攻撃でどうにかなります?」
 「う・・・セイントー以下の威力しかない?」
 「今の私じゃ無いですね、それ用の装備じゃないですし、大きいものは習得してないです」
 「ううっ、しょうがないな、あれ、消費MP大きいんだけど・・・」
 「私のMPとあなたのMPとどっちが大事ですか、あと、早くしないとダメージ大きくなるだけですよ」
 「ああもう、やるよ!マグネットシールド!!(発動している間自分に注目している相手とその攻撃全てを引き寄せる波動を発射する、磁石の様に距離が近いほど引き寄せる力が強くなるが、時折崖際から遠距離攻撃して来ている奴を叩き落として落下ダメージで倒す事も、また、注目した相手ならばばら撒き攻撃を引き寄せ抑制させる効果もある・・・)」
 にゅいんにゅいんにゅいんにゅいん・・・
 銀色の波打つ波動が奇妙な効果音と共に発射される、いつも思うが何だろこれ・・・?
 上よりいくつもの敵が降ってきた、あれは・・・?ガンマン!?
 一応、屋根の上に残ったものは踏ん張っているようにも見えるが、耐えきれずすぐに落ちてきた・・・
 ・・・落ちてきたのは、仰々しいカウボーイハットで顔を隠した髭もじゃに、体を薄赤茶のポンチョで隠し、右手に鉄の回転式弾倉拳銃、リボルバーを携えた、身長低めの若干コミカルな体系のガンマンたち・・・
 「これで全員だな!切るぞ!!」
 と、フレナさんが盾からのにゅいんにゅいん光線を止め
 「そして斬るぞ!!」
 ガンマン・・・ガンマンサイクロンに向かって行き、すれ違いざまに幾体かを切る、
 あ?すぐ近くの一体が私に銃口を・・・マウスの両スイッチを押しつつ・・・手に持った架空のこいつを左に!
 ひらりと弾丸を避け飛び跳ぶ、そのまま私はおもむろに右手の平を開きながら少し上に杖を投げ、杖の端に持ち直し、横に振りかぶり振るう!
 本来は攻撃範囲の外だが、杖の端に持ち直したことにより杖の範囲が広がり、もう後ろを向いていた二体と共に吹き飛ばす、
 二体の方は消滅してしまった、バックアタック補正でダメージが大きかったのだろうけど、物理攻撃力に秀でていない私が一撃で・・・?
 なんだ?そんなに落下ダメージが大きかったの?それなら・・・!
 残った一体に間髪入れずに杖を返し振るってぶつけ消滅させると、そこから、残った敵を剣と杖の乱舞が襲い掛かって行ったのだった・・・
 ・・・
 敵はもうどこにも見えない、私は町中でフレナさんに向かって一言いい放つ
 「ヒール!」
 緑の細かい光がフレナさんを包み消えると、フレナさんが私を真正面に見据えた
 「ありがとう、やはり、回復職のヒールは効くな、こっちは回復スキル系のMP軽減スキルも無くてな・・・」
 「こっちは攻撃魔法の軽減スキルないです・・・」
 「お互い様か、専門以外は中々軽減スキル来ないし・・・って話してる暇ないか、さ、先に進もう!!」
 
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