バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

魔石物語/9

魔石物語 9
 
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9 魔の尾骨1
 
 「あ・・・あの・・・」
 ある日、店に来たのは黒いローブを目深にかぶった気弱そうな少年・・・
 少年は出入り口からカウンターの店主にしり込み気味に近づき
 「魔の尾骨を・・・」
 「あら?あれは一応危険物だから簡単には売れないわよ?」
 店主は疑問符が付きそうな声を上げる
 「きょ・・・許可証を・・・」
 少年が右手で反対側のローブの袖より出してのは一枚の紙・・・
 店主がそれを顔をよせしっかりと見る
 「ふむ・・・中等魔術学科・・・実技必要物委託・・・本物っぽいわね、」と、少年の方顔の方を向き「料金は?」
 「はい!」
 少年がまたも右手で左腕のローブの裾から皮袋に入ったお金を取り出し店主に渡す、店主は中身を取り出し確認、
 「確かに、」
 そういうと中身をカウンターに置き残りを少年に返し後ろを振り返り棚の右上の方の上が尖った骨のような石を取り少年の方を向いて手渡す
 「じゃ、これ」
 「あ、」少年の顔に笑顔が浮かぶ「ありがとうございます!!」
 少年は頭を下げると姿勢を戻し石を受け取り振り返って駆け出し扉開け去っていく・・・
 「魔の尾骨ってなんです?」
 カウンター横にいた私は思わず声を上げていた、
 言っておくが、私も仕事してるのだ、おおよそ、店主の休憩時間に・・・
 店主はドアの方を見たまま口を振らく
 「変身魔法、尾の有る動物に変身する時の補助なんかに使うのよ、人間には尾が無いからね、尾を動かすための媒介にするの、ま、」呆れたような声に変わりながら目が宙に泳ぐ店主、癖なのだろうか?「必要無い場合もあるけど、こだわる人は、ね・・・」
 「へー、そんなことも学ぶんですねー」
 「学校によってはね、」呆れたような声のままなぜか体が正面を向いた状態で顔が私の方を向く、「っていうか、あなたは学ばなかったの?」
 「私の学校では変身魔法は学びませんでしたね」
 またも目線が宙を泳ぐ店主
 「そういうもんかね・・・ああ、そうだ、」不意に私の方に目線が戻る「魔の尾骨っていえばこんな話を知ってる?」
 
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