バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

暗黒騎士フラウリア(17)/3

暗黒騎士フラウリア(17) 3
 
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第3話 ゴブリン捜索
 
 ・・・訓練が終わった・・・
 あの後、私は呆然と、突っ立っていたのだ・・・
 「おい!今から次の任務の打ち合わせだ」
 訓練が終わって周りが撤収していく中で、団長からかけられた声、
 「ゴブリンの巣の捜索だ、さっさと来い」
 こうして、私は打ち合わせに参加し・・・
 ・・・そして・・・
 数日後、私は都市近隣の森の中に通る道を歩いていた・・・
 「いつまでしょげてんだ」
 「しょ・・・しょげてません!」
 と、前方を歩く団長から横目にかけられた声に応える
 「まぁ、しょうがないよ、ジュテーム」
 ジュ、ジュテ・・・?
 右から話しかけてきたのはボリュームのある金髪のナルシストな感じの男性暗黒騎士
 余裕感あふれる決めた笑顔でバラの花など向けて来て
 「あ、はい、えっと・・・」
 「ああ、私のことはクーベルと呼んでくれたまえ」
 「すいません、クーベルさん、ここ数日、色々バタバタしていて・・・」
 「まぁ、しょうがない、騎士とはいえ入隊時の書類書きと引っ越しでの買い出しは忙しいもんさ」
 「そうですね、しっかり自己紹介しましょう」
 そう言って後ろから話しかけてきたのは私より身長も低く童顔、美少年と言っていいだろう、そんな少年、15歳ぐらいの・・・
 「ロシェです、よろしくお願いします」
 そう言って礼儀正しくお辞儀
 「よろしくお願いします」
 私も反射的にお辞儀し返す
 と、互いに顔を上げると、今度はその目を見開き輝かせ、私に顔を近づけてきた!
 「にしても、すごいですよ、期待の新人美少女暗黒騎士って新聞に出てました!」
 「え・・・?」
 戸惑いに左口端が引くつく、
 いつの間にそんなものに
 「なんでぇ、そんなもん」
 団長の後ろのパワー型騎士ジャンドさんの目に少し力入り呆れこちらを見る反抗的な言葉・・・
 「報道部の仕業だな・・・」
 先頭の団長がこぼした言葉を耳ざとく効きつける私
 「団長、それどういう意味ですか!?」団長が私に横目を向け
 「うちの領主の部下の中に報道部ってのがあってだな、領民に対して事件や事故、モンスターや気象の情報なんかを提供して領民を豊かにっていうのがお題目なんだが・・・」
 「実際には領主に有利な情報しか出さないプロパガンダ機関ってやつですよね団長」
 団長はロシェさんの合いの手にすかさずそっちに目線を向けて
 「そういうことだ、ロシェ、入った初日で大活躍した女暗黒騎士なんて格好の的ってわけ」
 返す
 「もしかして、団長、それをわかってて私を連れ出しました・・・?」
 今度は諦めたように目に力無く私を見る
 「いうな、俺だって暗黒騎士団の評判は少しでも高めたい・・・」
 う・・・ううむ・・・少し納得いかないなぁ・・・
 「それで、その・・・しょうがないとはどういう意味なんでしょうか?ジュテームさん、それにガナッシュさんの姿が見えないような・・・」
 ちなみにガナッシュさん以外の6人は全員いる、それ以外には誰もいないけど・・
 「あいつは領主様の護衛だよ」
 私の疑問は団長さんが答えてくれた、 
 思わずそちらの方に顔を向けると、やはり顔を横に向け横目で私達の方を見ていた、解説しすぎなせいか少しめんどくさそうだったが・・・
 「え?そうなんですか?」
 「護衛は六つの騎士団内で持ち回りになってるんだが、あいつはうちで俺の次の実力者だからな領主からよく指名が入るんだよ」
 へぇ・・・そんなに強かったんだ・・・
 だから勝てなくてもしょうがない・・・か・・・
 しかし・・・
 私は団長さんに問いかける、
 「でも、みなさん兵士を全員十人抜き以上していたような・・・」
 「まぁ、新人ならしょうがないさ・・・っていうか、今回の任務の事、忘れてないだろうな!」
 あ!
 「わ・・・忘れてないですよ、ゴブリンの巣の発見ですよね!」
 「そうだ、っと、噂をすれば・・・」
 団長が道の先の方を見る
 「みんな!森に隠れろ!!」
 こちらも見ずにそう命令した!!
 
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