カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所12
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「なっ!?」
今の聞き覚えのある笑い声は!?
部屋はほとんど何もない、ただ黒く、がらんとして前と左右に入ってきたのと同じ扉がある、
という感じなのだが、その物も何もない部屋中央に向かい合う、二つの影が存在していた、
一つは砂漠色の髪を逆立てた筋肉質のこちらに背を向け立つ大きな男、そう、ジャルーソだ!
今は様々な爆弾や銃などを装填した大きな薄抹茶色のベルトのようなものを左肩から右腰にたすき掛けに巻きつけ、右手に自動小銃を携えている
だが、問題はその奥でゆったりと浮いている奴である、
少し小さめの黒く丸い体、その両足には先の方が上尖っている靴を履き、白い手袋のような両手が体の左右に浮いており、中ピンク外黒の猫耳が頭の上にあり、後ろ腰に黒猫の尻尾を付けていて、その背中には左右二機の羽根つきのジェットエンジンを背負っており、
その顔には白い仮面をかぶっていて、その仮面は笑い顔のシンプルな口と左目が黒で描かれていて、右目の方には黒猫の顔がやはり白と黒二色描かれていた、
そう、ジョーカー・ブラックキャット!!
「まさか、昇降所を使っただけで無理やり降ろされるとはな・・・」
ジャルーソがジョーカーの方を目を細めにらんだ、気がする、
にしても昇降所?ここのことか?でも、辺りには上下階に行く道もエレベーターのような昇降機械も無いが・・・
「ムハハハハハ、ここの昇降道路は私が閉じてしまいましたよ」
ジョーカーの高笑いが部屋に反響し響き渡る、なるほど、ジョーカーが閉じちゃったのか・・・
「ここの昇降所は誰でも利用可能のはずでは?」
「いえいえ・・・」ジョーカーが右手を伸ばして顔の前で左右に振りつつふわりと上に浮かぶ
「不法侵入者が家の物を利用できないのは道理でしょう?」
まぁそりゃそうなんだけど、不法侵入しているこっち側としてはなんていうか・・・
「だが、」今度はジャルーソが銃を両手で構えてジョーカーに向けたっ!
「貴様はここの家主ではないはずだ?」
「ですがですねぇ・・・」ジョーカーがおどけるように後ろに体をくるりと一回転させる
「私はここの家主に管理の一部と居住権を与えられていましてですね、ま、不法侵入者を追いだすだけの権利は持っているはずですよ?」
「追いだす・・・か」
ズバン!!
銃声がとどろいたと思ったら、ジョーカーの左手の手袋の親指と人差し指の付け根の間に焼け焦げたような傷がっ!?馬鹿な、ジョーカーは装甲持ちのはずっ!?デッキケースを持っているようにも見えないがっ!?
「おや・・・?」
ジョーカーがチラリと手袋の方を見た後、すぐにジャルーソの方に視線を戻す
「悪いが、追いだされるわけにはいかんのだ、目的をまだ達していないのでな、というわけで」
ジャルーソが今度はゆっくりとジョーカーの本体ど真ん中に銃口を向け
「協力するか、撃たれて散るか、どちらか選ばせてやろう」
「ムハハハハ!!」
いきなりジョーカーが笑い出す、気でも狂ったか!?
だが、ジョーカーは笑い声を止めつつ少しずつジャルーソの方を見据えて行き
「どちらも・・・お断りです!!」
「そうか、残念だ」ジャルーソが銃の引き金を引く!
ダダダ・・・!!
小銃から弾丸が幾重にも発射されていく!
「ムハハハ・・・!!」
がジョーカーはそれをまるで右手側からに螺旋を描くかのような変態軌道で避けた!?
「なっ・・・!?」
ジャルーソが驚愕しつつも銃をそちらに向けるが、今度は自身の右半身の方に飛んで避ける!
「っちぃ!!」
ジャルーソが右手で銃を撃ちつつ左腰と胴の間のベルトから緑色の手榴弾を取った!
前回僕達が戦った時と同じタイプだが、心なしかピンが黒い気が・・・
そのピンを口で外し、右の方にいるジョーカーに放り投げる!!手榴弾がジョーカーの下の方に落ち
チュッドォオオオン!!
轟音と共に大爆発を起こす!!前回僕達に使ってきたものとは明らかに火力が違う!!
「ムッハ~!!」
ジョーカーが爆発に巻き込まれ、ジャルーソの方に吹っ飛んで行く!
「これで最後だ!!」
ジャルーソがそこで銃を両手で持ち、ジョーカーに乱射!!
ダダダ・・・!!
が、当たらない!?
あ!よく見ると、ジョーカーが背中のジェットエンジンで微妙に吹っ飛ぶスピードを速く遅く変えている!?ということはまさか・・・
「な~んちゃって」
ジョーカーは吹っ飛んで行きながらジャルーソの頭を両手で掴み
「しまっ・・・」
そのままジャルーソを飛び越して下に降りつつジャルーソの頭を目の前の鋼畳に叩き付けた!!
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