カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所18
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
が、ジョーカーと僕を隔てたガラスの壁は、ビクともしなかった
「残念でしたねぇ、ムハハハ・・・おっと」
ジョーカーが笑いながらも右手で右手側二番目のライフカードを引く、
ううむ、物理的には効いてないが、という感じだろうか、
いずれにしても、やはり、もっとパワーが無いと、という感じだろう、ビクトリーカーディン程、かどうかは知らないが・・・
続けて、ジョーカーはモンスターゾーンのカードを一枚、右手でとって手札に戻す、
あれは直帰追走一度だけ攻撃して見ましょうの効果である、
直帰追走一度を手札に戻したのだ、
とそれよりも、
「カーディン!」
「わかっているさ、このまま攻撃を続けよう!!」
カーディンが一番左手側のライフカードを引き、
さらに、チャージゾーンの表側表示のカードを右手で裏に返し、
ジョーカーの方も右の手でチャージゾーンの表になっているカードを裏に返す
「リチャージ!」
「リチャージ!」
次いで互いに右手で山札の一番上のカードを引く
「ドロー!」
「ドロー!」
そして、ひとしきり左手の手札を見て、
右手で左手の手札からカードを引き、互いに1番に裏側で置いた後、
もう一度手札からカードを引いてチャージゾーンに裏側で置いて
「セット!」
「セットです!」
ジョーカーは・・・1番に置いたカードに右手を伸ばして来たな、このターンは何もしない感じだが・・・
と、カーディンも1番に裏側で置いたカードに右手を伸ばして持ち、ジョーカーも1番に置いたカードを持って、
互いに同時に表にするっ!
「オープン!」
「オープン!」
「バトルマシンズ イーストオーファイブ!!」
「ジョーカー獣士 コドコド・アートルムディザルグ」
さて、それじゃあ、来るかな、
といきなり上から大きなネコ科の動物が降ってきた!
まだらの灰茶の毛皮に薄赤茶の瞳、体には黒スーツをまとい、左目に横がギザギザの角の丸い四角いモノクルを付け、髭が少し長く伸びている
ええっと、こっちは・・・と、右手に何やら硬い感触が、
状況から考えるにこれは・・・
両足をしっかりと踏みしめ、思い切り右手の物を振り上げる!
そこにあったのは短めのアサルトマシンガン!撃てるのかどうか知んないけど、とにかくトリガーを引く!
ダダダダッ!
弾丸は見事に放たれ、降ってきた猫科の、ジョーカー獣士 コドコド・アートルムディザルグ、コドコドに命中!吹っ飛ばす!
だが・・・
「うどわっ!」思い切り銃の反動で吹っ飛ばされ、
背中を打ちつけた!
「っつ!」
いつつつ・・・ううむ、これでも反動下がってる方だと思うんだけどな、今度はちゃんと左手を添えよう・・・
が、銃撃の効果はあったようだ、コドコドがジョーカーの前のガラス板のこちら側辺りで警戒し、歩いて間合いを計っている、
こちらとしては銃がある以上、間合いはあったほうがいいから、後ろに下がってっと・・・
と、ジョーカーが右手でチャージゾーンから二枚のカードを前に出す
「では、私のコストはこれで」
「ならば私はこれだ!」
ちらりと後ろを見ると、カーディンも、一枚のカードを前に出してきていた、
そして、両者、前に出したカードを表にする!
「私は、バトルマシンズ イーストオーファイブのコストに、バトルマシンズ カーディン カーモードを指定!」
「ではではこちらは、ジョーカー獣士 コドコド・アートルムディザルグのコストに、ジョーカー獣士 パペット・アートルムディザルグを指定」
って!またもコスト召喚阻止か!
ジョーカーが右手を口元に当て、笑う!
「ムハハハハ!残念でしたねぇ、それでは、次に行ってみましょう、行ってください、コドコド・アートルムディザルグ!!」
ジョーカーが右手と右手人差し指をこちらに向けてきたっ!!
コドコドがこちらに走り始める!
ここは冷静に、右手の銃を両手でしっかりと抑え、
両足をしっかりと踏みしめ、狙いを定め、撃つ!
ダダダダッ!
弾丸が放たれる!が、コドコドは左前足の方に移動しつつ避けた!
ううむ、そう来るよねぇ、でも、それじゃ困るんだ、
大きく右手に移動させつつ、左右にズラして撃つ!
コドコドが左半身側に移動するも避けきれずに数発当たり、足を遅めた
そこだっ!
一気に狙いを合わせ銃弾を集中、一息に撃ちこむ!
コドコドが後ろに吹っ飛ぶ!
が、すぐに四肢を踏みしめ、こちらをねめつけるように見ると、銃弾の嵐を受けながらも突っ込んできた!
ちぃい!これだけじゃ無理か!!
「双歩!私は、バトルマシンズ イーストオーファイブの効果を発動!!ジョーカー獣士 コドコド・アートルムディザルグのパワーを300下げる!!」
銃の反動が大きくなり、銃撃の威力が上がっているのがはっきりとわかる、
コドコドも後ろに押し返せていく、よし、このまま
「このままではありませんよねぇ、コドコドさん?」
ジョーカーの言葉を聞いたコドコドが一気に右前足側に走る!
っつ、それぐらいなら!
コドコドを追って左手側に大きく動かしつつ照準をばらけるために大きく動かし
刹那、コドコドが左前足側に動く!
なっ!?
数発の銃弾を受けるが、今度はひるむことなく一気に左半身側に移動!
追って右手側に動かしていくが、コドコドが反転する!
っつ、キリが無い!!
「ええいそれなら!」
カーディンの声が響く!
「私は、バトルマシンズブーストの効果発動!バトルマシンズ イーストオーファイブのパワーを600上げる!!」
「それはいけません、私は、ジョーカー獣士 コドコド・アートルムディザルグの効果を発動、バトルマシンズブーストの効果を相殺させていただきます」
ジョーカーが右手を前に出し、相殺を宣言してきた!
って、あれ・・・?
コドコドが変わらずこちらに走ってくる!
銃の反動と連射力は間違いなく上がってるんだけど、コドコドの動きがさらに速くなり、意味を成していない!?
コドコドが目の前まで来る!「双歩!!ぐっ、これならどうだ!!私は、バトルマシンズ キット・オブ・ニンジャの効果を発動!!ジョーカー獣士 コドコド・アートルムディザルグをトラッシュに送る!!」
ええいもう!
とっさに銃撃ちをやめて左手で銃を持ちつつコドコドに振り回す!
が、コドコドは右前足側に跳んで避け、こちらに走る!!
銃を放りつつ右鉄拳で殴りかかるも、そのまま先端の壁際まで移動して避けつつこちらに向かう!
が、僕は左手で懐から手裏剣を出し、持ったまま斬る!
コドコドの顔にかすり、慌ててコドコドが引く!ここだっ!!
右手で銃を拾いながら左手で手裏剣を投げつつ両手でアサルトマシンガンで銃撃!!
コドコドは壁際から反対側に移動する、が、僕の思う壺!!
始めから僕の銃口はそちら側に向いている!
少し不自然な体型ながらがっちりと両足を踏みしめ、撃つ!!
銃撃は見事にコドコドに命中し、吹っ飛ばす!!
さらに、投げた手裏剣の元に走り手裏剣を右手で拾いながらコドコドに向かって投擲!
コドコドの下わき腹に刺さり、コドコドは爆発!消滅する!!
「行け!双歩!!」
カーディンの声が響く、ええっと、やんなきゃいけないんだよね、
両手のアサルトマシンガンで、ジョーカー前のガラス板を撃ちまくる!!
ダダダダ・・・!!
だが、銃撃を受けても傷一つ・・・いや、少しだけついてるかな、よくは見えないが・・・
どうやら、攻撃を重ねて行けばビクトリーカーディン程のパワーが無くてもどうにかなるらしい、ならないかもしれないけど、
しかし、僕が気にするのはそんなことではなく・・・
「ムハハハ・・・よく頑張りましたね、それではご褒美をあげましょう、ではでは、ど~ぞ~」
ジョーカーが右手のカードをこちらに見せて来た!
ジョーカートリック・黒獣・黒機・翻し?げっ!?さっき撃った弾丸が僕の方に反射してきてる!?
「うどわわわ・・・」
慌てて左手の方に跳んで避けていく、も、跳弾で微妙に角度のずれた弾丸のいくつかが僕の方に向かってきた!
と、僕の右手のビックハンドに当たり、僕の服の下から手裏剣と丸い黄色い球が落ち、その二つにも当たり、黄色い球が大きく爆発する!!
僕は丸い黄色い球の爆風に巻き込まれて吹き飛ばされ、銃弾達からは免れたものの、
吹っ飛んで仰向けに倒れ、顔を上げた視線の先で、右の手に付いたビックハンドと床に落ちた手裏剣が爆発!消滅する!!
うう、
「おやおや、おしかったですねぇ、ムハハハ」
ジョーカーの笑い声が聞こえる、ぬぐぐ、あんにゃろう・・・
おかしいと思ったんだ、1番戦闘で負けると分かっていたなら、キットの効果を相殺してダメージを少しでも減らすのが常道のはず、
それをわざとバトルマシンズブーストを相殺してキットの効果の発動を誘導するように仕向けてきた、
初めからジョーカートリック・黒獣・黒機・翻しを発動して自分のダメージを1に抑えるために行動していたんだ・・・
「まぁ、自分で撃った弾丸で死ぬというのもなんとも滑稽でそうなってほしいと思いましたがね」
このお!
と頭に上から何かが当たって衝撃が走った!
ポコ!
「うおっ!?」
当たったのは布製の何か、
一体何が当たったんだ!?
慌てて右手側に落ちたそれを拾い上げてみれば・・・
それは、小さな黒い大型ネコ科の黒紫の瞳をしたぬいぐるみ、これは・・・
と思う間もなく、そのぬいぐるみは消えてしまった・・・
何なんだ、一体・・・?
「さて私はダメージでカードを引きましょうかね」
「仕方がない、私も引こう、」
ジョーカーが左手側から二番目のライフカードを右手に取りながら、
同様にカーディンも右手側から二番目のライフカードを引く、
・・・なんでジョーカーだけじゃなくカーディンもカード引いてんの・・・?
あ!さっきのぬいぐるみ、まさかパペット!?あれってダメージ判定だったのか!?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――