バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/5

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 5
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 城から離れるように歩く俺たち、先にあったのは王国とフォビドンを隔てるシックスセブン山脈だ
 「そういえば、さっきの戦いで怪我してたのよね・・・」
 「え、ああ」
 メイダさんの声に思い出す、
 確かに斬り裂かれた感じだけど、いたがってる暇なかったからなぁ・・・
 と、メイダさんが俺の肩傷に両手をかざし
 「輝く光よ、水と土の加護を得て、癒しの力と化せ、ヒール」     ヒラリン!
 「あ、怪我が!?」
 メイダさんの手の平から放たれた光で俺の傷が光ったと思ったら光が消えていて、かさぶたすらなく皮膚が完全に再生されてる!?
 「へぇ・・・お前、回復術を使えるのか?」
 「ええ」
 ジンガさんの方向き返すメイダさん
 「それって、珍しいの?」
 思わず二人に問う
 「一部の数素武具しか使えないって言われてるな、それがそれだったとは・・・」
 「へへ、まあね!」
 メイダさんが得意そうな笑顔を見せた
 そんなこんなでシックスセブン山脈、
 その根元のナ村にようやくたどり着く、      SE:ワールドマップから移動
 しかし、その先には王国兵のいる関所が・・・       BGM:ナ村のロンド
 木材で一つの洞窟を防ぐように作られた門、その左右に王国兵が陣取り槍の中ほどを持って上に向け警戒しているのが分かる
 あのトンネルからあ向こうに行けるんだけどな・・・
 「少し村人に話を聞いてみるか・・・すみません!」
 ジンガさんが近くのおばちゃんに話しかける              はいはい
 「この先に行きたいんですけどね、関所って今通れますか?」
 おばちゃんが眉をひそめた困り顔に・・・
 「それがねぇ、何でも城から凶悪犯が逃げ出したって話でね、全面封鎖してるらしいのよ」
 やっぱり・・・
 「ああ、そうだ、」
 おばちゃんがジンガさんを手招きする、そしてジンガさんが近づいたところ右手を自身の口に添え耳当て小声で
 「どうしても行きたいなら、噂だけど、南の洞窟が向こうに通じてるらしいわよ」
 「いいんですか?そんなこと教えて」
 「いいのいいの、どうせ単なるうわさ話だし、あ、外れてもおばちゃんを恨まないでね、後、兵士さん達には内緒ね?この村に常駐してる兵士さん達は案外見逃してくれるんだけど、今は王宮の兵士さん達も来てるらしいからさぁ・・・」
 「あ、ありがとうございまーす」
 そう返すと、おばちゃんが離れるように走っていく
 その間にもジンガさんは俺達の方に戻ってきて俺達を見て
 「南だ、急ぐぞ」
 そう言って村の外に走り出した
 「あ、ちょっと!」
 ジンガさんが走り出す間も、俺たちは追う・・・   SE:ワールドマップへ移動
 「あんな話、よかったんでしょうか?」        BGM:ワールドマップ1
 俺は思わず先行くジンガさんに問う
 「いいのいいの、」と、ジンガさんはこちらも向かずに気楽に返す「古代十二ヶ国に別れてた時は国境の間がきつかったから、色々な抜け道ができたって話、知ってるでしょ?」
 「う・・・まぁ、その手の話は
 俺の故郷でも尽きませんでしたけど・・・」             SE:呆れ
 「そうなの?」
 あるんだよなぁ・・・関所を通らずに帝国に行けたり中央平原に抜ける道があるって噂・・・一度帝国に抜ける道があるって噂のある方に行ってみたけど結局行けなかったし・・・
 「まさか、よそでも同じだとは・・・」
 メイダさんの声に思わず呆れ愚痴交じりで返す
 「古代十二ヶ国はそれぞれの国が敵対心が強すぎた結果、戦いで統合したり、友好国同士がそれに対抗するために合併して、
  結果、今の三ヶ国に落ち着いたって話だろ?」
 「そうなんですけどね・・・」
 「お、あれかな?」
 先にあったのは、山の下へもぐるように掘られた、
 大きな穴だった・・・              SE:ワールドマップから移動
 入ると、あたりが不思議な薄光に包まれた洞窟だった、 BGM:鍾乳石生える洞窟
 「ふむ、どこかから太陽光が差してきてるのか?
  案外、山脈の側から頻繁に穴が開いてるのかもしれん、とにかく行くぞ」
 「わかりました」
 「わかった」                    ピチャン、ピチャン・・・
 鍾乳石から滴り落ちる水の音を聞きながら、俺たちは先に進む・・・
 「う、うわぁ~!」               BGM:コミカルトラブル!!
 突然目の前にかけてきたのは顔に円状のガラスを二つ付けた少年、
 年齢は俺より一回り位下で、茶髪に上下に分けた白ぶちの緑のローブを付け、
 両手には奇妙にも先の丸めた木、赤い宝玉の付いた木の、鉄で作られた鉄の、
 杖が三つにまとめられた奇妙な杖を抱えていた
 「うどわっ!」                          ドガッ!!
 それが俺達の横に来たとたんこけた
 「だ・・・大丈夫かい?」
 「か・・・怪物が!!」
 「ひざすりむいてるじゃない、
 メイダさんが少年の右膝傷に両手をかざし、
 「輝く光よ、水と土の加護を得て、癒しの力と化せ、ヒール!」    ヒラリン!
 回復術をかける、
 そこに、上の方に洞窟の天井を覆う大蝙蝠が飛んでくる!?
 俺達は思わずそれを見上げ
 「なるほど、あれがこの洞窟の主ってわけね・・・」
 俺は思わずつぶやきつつ、さっきの少年の方を見る
 「君!それも数素武具なんだろう!?扱えるかい!?」        SE:驚き
 「え・・・ええ、まぁ・・・」
 その顔を不安でか振るわせながらも首を縦に振った
 「なら、俺達も一緒にやってやるから、行くぞ!あいつを撃退する!!」
 「はっ、はい!!」                    BGM:凡庸ボス1
 俺達は姿勢を整えながらもそれぞれの武器を構え
 「空裂斬!!」                           スカッ!
 しかし、剣を思い切り振り上げるも、剣は届かない!      輝きの星よ・・・
 「くそ!ジンガさん!」                        今こそ
 ジンガさんは思い切り跳躍して下より剣を振り上げるも届かない!   我が意思に
 「悪いな!対空技あんまりないんだ」                従い・・・
 「ならやっぱりこれか、空裂牙走閃!」           ビュォオオオオ!!
 竜巻が大蝙蝠を斬り裂いていく、        ザシュザシュザシュザシュザシュ
 しかし、風の攻撃には慣れているかの如くまったくひるまない       瞬け!
 「スターシャイン!」    キラキラキラ・・・ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!
 そこに重ねての流れ星!              うぅ・・・仕方無いな・・・
 しかし、こちらも見切られたのかきっちり避けられる!        炎よ・・・
 「くそ!降りてくれりゃ俺の剣も叩き込めるのに」      我が眼前の敵を狙え
 このまま地道にやっていくしかないか・・・             一筋の炎に
 地牙空走閃も届かないだろうし・・               我が意思を込め
 でも、時間をかけすぎれば、追っ手に追いつかれるんじゃ・・・     燃やせ!
 「ホーミングフレイム!」             ヒュゥウウ・・・・ボウッ!
 少年の杖より放たれた炎が大蝙蝠を捉え、爆散!    ピュルルル・・・ドサッ!
 その衝撃に耐えきれずバランスを崩し背より地に落ちる!
 「落ちた!」
 「よくやったぞ!ようやく俺の出番だ!」
 「今のうちに叩き込め!」                  輝きの星よ・・・
 俺達が一気に近寄る!               今こそ我が意思に従い・・・
 「地裂斬!」                           ドガシュ!
 「牙走閃・追刃!」                       ザシュザシュ
 「今だ!メイダさん!」                        瞬け!
 「スターシャイン!」    キラキラキラ・・・ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!
 剣が閃き星が落ちる俺達の連携により、
 大蝙蝠は塵と化したのだった・・・              SE:戦闘勝利!
 「へへ・・・僕の手にかかればこれぐらい・・・」           リザルト
 「だが、なぜ俺達が来るまでにその術を使わなかったんだ?」    640EXP
 「だ・・・だって、僕一人じゃ倒せるか不安だったし・・・」 仮1000ゴールド  
 俺達が見る前で                     7の鍵を入手しました
 両手を胴の前で突き合せ、不安そうに俯く少年・・・
 「まぁ、一人じゃ倒せない相手なら、逃げることだって立派な選択肢さ」
 「そ、そうですよね!」
 少年が暗い顔を明るくして俺の方に顔を向ける
 「そうそう、俺も小さい頃は熊からどうにか逃げて大人たちに任せてたし」
 「そういうもんかね・・・ま、そういうことにしておくか・・・」
 「そうだ!僕、この洞窟に生態調査に来てたんだけど、
  このままだと帰れるかわからないから、護衛してよ!」
 「護衛ってどこまで?」
 「サンダー数素魔術学園だよ!」
 「サンダーって・・・そこまで行く予定無いぞ?」
 そうなの?ジンガさん?
 「と、途中まででいいから!フォビドンまで行けたら
  他に生態調査を任されてる学生と合流できるかもしれないし!」
 「俺達は追われてる身だよ、君にも危険が及ぶかも・・・」
 「どうせ王国側からでしょ?フォビドンの側に入ったら平気平気」
 「なら、俺は別にいいけど・・・」
 「後悔しても知らんぞ」
 「よろしくね!」
 メイダさんが楽しそうな顔を向ける
 「それで君の名前は?」
 と、呼ばれたメイダさんの方を主に見て、僕たち全員に顔を回し見するように
 「マユーカ!マユーカ・バタフライ!よろしく!!」SE:仲間加入ファンファーレ
 「よろしく、とそれはいいとして・・・」
 俺は大蝙蝠の方に近づき・・・姿勢を下げ口の中を見る・・・
 大蝙蝠から早めにとれそうな吸血牙を回収しつつ、
 口内より手にしたのは7の形をした金色の何か、そして、それを引いて口の中より出し・・・
 「やっぱりあった・・・」
 「鍵っつってたよなぁ・・・おい、マユーカ、お前は何か知らないか?」
 「し・・・知らないよ、考古学は専門外、数素魔術学園の先生なら何か知ってるかも・・・後書物を当たるって手も・・・」
 「なら、魔術学園に足を運ぶのも損にはならないか・・・」
 後ろにジンガさんとマユーカの会話を聞きながら俺は立ち上がり
 「とにかく行こう!ここをかぎつけられたら厄介だ!」
 そうして、俺たちは走り出し、洞窟から出た・・・  SE:ワールドマップへ移動
 
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