バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/6

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 6
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 「これが砂漠かぁ・・・」              BGM:ワールドマップ1
 暑い日差しに空気とそこら全てを覆いつくす砂が焼け、視界が歪み、ここにいるだけでやけどしそうだ・・・
 「ほら、早く行くぞ!あの塔に向かって行くんだ」
 見ると、遠くに上の方で少し角度が柔らかくなる塔のような四角錘が見えた
 「あれは・・・」
 「砂漠の道しるべだよ!」
 「道標?」
 マユーカが俺の方を見て突如話し出す
 「あれに向かって伝うように移動していけば、どこかの都市か端っこにたどり着くって仕掛けだよ、ほら、左手」
 言われて見ると、遠くに塔があるのが見える、あそこは関所のあったナ村のあたりか・・・
 「古代の時代に何かを模して造られたらしいんだけど、詳しいことはわかっていないんだって」
 「ふうん・・・」
 そして、俺たちは歩き出す
 「あの塔に沿って行けば、大掛かりな砂漠装備をしなくても
  ある程度は大丈夫なはずだ、
  さ、早くフォビドンまで行くぞ」             ザッザッザッ・・・
 俺達に言い聞かせるようにジンガさんがそう言って向こうを向き歩く・・・
 っていうか・・・
 「そういえば、マユーカ」
 「何?」
 マユーカが歩きながら顔だけこちらを向く
 「魔術学園っていったいどういうところなの?」
 「色々数素の研究をしているところだよ、例えば数素武具や数素奥義、数素魔術の研究とか、時には古代文明の研究もしてたり、簡易数素術って知らない?」
 「え?」                             SE:疑問
 簡易数素術・・・?
 「それは俺も聞いたことないな・・・」
 ジンガさんが歩きながら疑問に上を見つつ応えた
 「帝国やフォビドンはひそかに兵士に教育してるらしいけど、まだ王国までは噂は広がってないのかな?」
 マユーカが疑問に目を下に向かせる
 「それは・・・」
 「あ、でも、」
 しかし目まぐるしく何かに気づき目を空に向けた
 「まだ簡単な魔術や奥義しか使えない上に、脆くなるから実戦には使えないって話だっけ・・・数素秘奥義も使えないって・・・」
 「そうなの?」
 俺の疑問にこちらを向くマユーカ、
 「物体に存在する数素を無理やり引き出して使う術なんだ、魔術学園はこれも研究してるんだ」
 「そんなものがあったのか?」
 今度は声を発したジンガさんの方を向く
 「古代からあったみたいだよ、ただ、どういうわけか禁忌の術に指定されているうえに、使える人間も限られてるんだって」
 「へぇ・・・」
 「そんな術、禁忌のままにしておいた方がいいと思うがな、無理矢理物を壊してエネルギーを得るなんざ・・・」
 「そう・・・なのかな?使い方次第だと思うよ・・・」
 「確かにそうだが、何かを作るために使うならともかく、戦いのエネルギーにしてほしいとは思わんね」
 「その通りだ、何かを壊したうえ、それを戦いに使ったら、後には何も残らない・・・」
 「う・・・まぁ、確かにそうかもしれないけど・・・ううん・・・こればっかりは教授たちの意思次第だからなぁ・・・」
 などとジンガさんとマユーカが議論をしながらも
 俺たちは砂を踏む音を出しながら歩き続け・・・       ザッザッザッ・・・
 そんなこんなで間の村を経由し、泊まりつつ進み、 SE:ワールドマップから移動
 ゴードル村へとたどり着く             BGM:砂漠の村、ゴードル
 砂を固めたような四角い形状の家が立ち並ぶ・・・
 と、村の中央に予想外の物が見えた・・・濃い色の人だかり・・・
 「あれ?人が村の中央にある広場に集まってる・・・?」
 「どうなってるんだ?」
 「まさか、もう手配が・・・?」
 「そんなことないと思いますよ?」
 ジンガさん、メイダさん、マユーカの意見を聞きつつ・・・
 「とにかく行ってみよう!」
 俺はそう意見を出し走り出す           ザザッザザザザッザッザッザッ
 足音を聞く限り皆ついてきているようだ・・・
 そして、俺達は村の中央部に走り、    BGM:飛び切り陽気な音楽スクラッチ
 そこでは、陽気な音楽の中、一人の女の子が大きな台の上に左右に中が赤い黒い円盤を乗せ、それぞれの手を当て、こすって大きな音を出していた
 「ヘイヘイ、チェケラッチョ、ウォンチュ、イエー!!」
 イエー!!
 村人たちも歓声を上げている!
 村人は皆一様に肌が濃く、男性は巻いた布の帽子を付け、ところどころに濃い髭の男性がおり、女性は頭部から上半身全体を覆うような布を色とりどりと付けている、
 「・・・何あれ・・・?」
 「わ・・・私もわかりません」
 「さぁ・・・俺もわからん」
 「僕も知らない・・・」
 女の子は首元まで届く赤い髪に目元上までの前髪、獣を思わせるような短い犬歯を持ち、やんちゃそうな青い目を持ち、
 日に焼けた肌の上に茶色い獣革が破れたような簡易的なマントに簡易的なスカート、
 その下に茶色いチューブトップインナーと密着するスパッツ短ズボンを付けているものの、
 頭にはゴーグルをつけ、猫当たりの獣耳を模した帽子をかぶっている、胸には何か詰め物をしているのだろう、大きい
 と、その子がいきなり俺達の方に右人差し指を突きつけてくる!
 「へぃ!そこの兄ちゃんたち!ノってないなぁ!!」
 え、俺たち?                          SE:戸惑い
 「どうする?」
 「ええっと、乗ってるよ、いえ~い!」
 ジンガさんの問いに俺は戸惑いながらも右拳を振り上げ
 「い・・・いえ~い!」
 顔を赤らめながら同様に右拳を振り上げるメルダさん
 メルダさん!無理しなくていいから!
 「いえ~い!ノってるならよかったぜ!いえ~い!」
 「いえ~い!」
 適当に相槌を打ちつつその場から離れ、
 砂漠の村を大回りしていくのだった         BGM:砂漠の村、ゴードル
 「お!ようやく来た!」
 「うわぁああ!!?」                       SE:驚き
 大回りしてきた先に、なぜかさっきの女の子が左家の壁に背を預けどこかつまらなそうな表情をして横目で見てきていた・・・!?
 「ど、どうしてここに!?っていうか、なんで俺たちがここに来るのわかったの!?」
 「いや、だって迷惑そうな顔してたし、この村じゃ見ない顔だったから、旅人かなって、で急いでそうな感じがした上にいた場所からすれば王国方面から来たっぽい、とするなら、フォビドンに行くためにこっちの方に来るんじゃないかって」
 「あ・・・なるほど・・・」
 「でもさ~、今フォビドンには行けないよ?」
 「え!?なんで!?」
 「でっかいサンドワームが通せんぼして困ってるらしいの、でも、この砂漠、街道のルート以外は流砂やら何やらがあって危険でしょ?で、この街で足止め喰らって、ついでに音楽活動してたってわけ」
 「ほぅ、つまりお前さんは、俺達がサンドワームを倒そうとすると踏んでいたと?」
 ジンガさんの感心したような声、それに少女の視線も俺の左後ろにいるジンガさんに向く・・・
 「そりゃそうでしょ、みんな背中に背負ってるの全部数素武具でしょ?数素武具って見た目が特徴的なの多いから、割とわかりやすいんだよねぇ・・・」
 ああ、確かに・・・
 「確かに、サンドワームは倒すけど、俺たちは」
 と、素早く少女の視線が俺に向き、快活そうな顔となる
 「よし、決まり!じゃあさっさと行きましょう!!
  私はリリサ、よろしくねっ!」         SE:仲間加入ファンファーレ
 仕方無く、村から外に出て、しばらく行くが、   SE:ワールドマップから移動
 その間にリリサは俺の右側で車輪の上に        BGM:ワールドマップ1
 板をのっけたようなものの上に片足を乗せ、       カラカラカラカラ・・・
 もう片足の足で転がして進んでいた・・・        カラカラカラカラ・・・
 俺は思わずそちらの方に目が行く
 「・・・ねぇ、リリサ?」
 「なに?」
 こちらも見ずに返すリリサ・・・
 「いや、そんな乗り物で砂漠を進めるのかと思ってさ・・・」
 「進めないに決まってんじゃん」
 「え?じゃあ、なんで乗ってるの?」
 「ふっふーん、だってこれは・・・っと・・・」
 と、唐突にリリサが足を止める・・・
 その眼は力がこもり真剣さがうかがい知れる・・・
 「村から出て3番目と4番目の塔の間、確かこの辺りだ・・・」
 「ちょっと待て!?この辺りって
  すでにサンドワームのテリトリーってことか!?」        SE:剣抜き
 ジンガさんが慌てて剣を抜き、皆も武器を取って臨戦態勢に入る、しかし、周りに何者かの影は無い・・・
 「まぁまぁ、落ち着けって・・・」
 「だが、でかくて危険な奴なんだろう?」
 「そうそう、で、ああいう奴は音で周囲を見張ってるんだ、地中だから目は頼れないし、砂漠だから温度も熱いばかりだしね・・・」
 「だから?」
 「こうする」
 俺の返事に、さっきまで移動に使っていた板が、展開!車輪が上に二つ乗るディスクと化し、
 全体が箱のようになる、
 そう、あの音楽を披露していた時に使っていたものだ!
 「みんな、耳塞いで!」
 とっさに耳をふさぐ皆                    ギュイーン!!!
 辺りに響き渡る無差別な騒音!!               ギュワォオオ!!
 砂中より俺達の前に出てきたのはデカいミミズ、ただし、その身体は砂色に覆われ岩のように固く乾燥しており、口は大きな歯が生えている!
 「ギュワォオオ!!」
 それが一気に吠える!
 「さ、とっとと行くわよ!」                BGM:凡庸ボス1
 「ちょっと!?詠唱お願い!」「了解!」「OK!」
 リリサがボードに変形させつつ乗り、跳躍し、サンドワームのそばで再度ディスクに変形、
 「イェイ!」                         ギュイーン!!
 俺が追うように走る中で至近距離からの音楽で一気にひるませる!
 が、その怯みよりサンドワームは速攻で回復し、食いついてくる!
 俺の剣がサンドワームを傷つけつつ後ろにずらすが、歯がリリサをかする!
 「っつ!」
 「輝く光よ、水と土の加護を得て、癒しの力と化せ、ヒール」     ヒラリン!
 そこにメイダさんの高速詠唱回復術がかかる、
 リリサはメイダさんに目線を送り
 「ありがと!私もそっち下がるね!」      水よ・・・空より集まり降り注ぎ
 「新技!思いついた!砂連突!」               (サレントツ!)
 吹きすさぶ砂のように軽い突きを               我らの敵を潰せ!
 幾度も繰り出しサンドワームの気を引く             ザザザザザ!!
 「俺の一撃は重いぜ・・・新技、鍾乳石落とし!」  (ショウニュウセキオトシ)
 サンドワームの体を蹴って宙に飛び、               ガッ!ヒュッ
 そこから剣を下に出して一気に突く!               ドドガッ!!
 「どうも私の技は軽くていけない・・・仕方無い、詠唱に切り替えるか・・・」
 「こっちもお披露目!ウォータープレス!!」     ダァン!ダァン!ダァン!
 三筋の大量の水が、順番にサンドワームの顔と体と     シャギャアアアア!!
 その顔前に降り注ぐ!       輝きの星よ・・・今こそ我が意思に従い・・・
 水が効いてる!大量の水圧はさすがにきついか!             瞬け!
 「スターシャイン!」    キラキラキラ・・・ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!
 追い打ちをかけるように星が降り注ぎ
 「敵も味方もすべて熱く!リスナーファイア!!」
 辺りに火の粉が舞い散り、サンドワームを焦がすと同時に俺たちの体が熱くなり、
 なぜか力が増したような気がする・・・
 「はぁああ!!」                  ザシュ!ザシュ!ザシュ!
 「ぬぉおおお!!」            ザザシュ!、ザザシュ!、ザザシュ!
 俺が縦横縦、ジンガさんが袈裟逆袈裟袈裟と放った剣が、
 サンドワームを今まで以上に斬り裂く!!
 「お~っし、気合を込めていくよ~!!数素開放!!」
 当たりの動きが止まり、そこは暗い空間の中、サンドワームを背景にして、カラフルなスポットライトが彩り、リリサに光が当たる!
 「それじゃ、みんないっくよ~!!」 チャッチャカチャッチャ、チャチャチャッ!
 いきなり観客と思しき暗い人々が現れたと思ったら、リリサの音楽と声に合わせ
 「ッヘイ!ッヘイ!ッヘイ!ッヘイ!」
 ッヘイ!ッヘイ!ッヘイ!ッヘイ!
 「ッヘイ!ッヘイ!ッヘイ!ッヘイ!」
 ッヘイ!ッヘイ!ッヘイ!ッヘイ!  チャッチャカチャッチャ、チャチャチャッ!
 音楽に合わせてサンドワームに衝撃が加わり、サンドワームがそのたびにのたうち、
 「秘奥義!サウンド、リリサ、フェスタ!!イェ~イ!!」
 イェ~イ!
 サンドワームが後ろに倒れ、元の空間に戻る・・・       SE:戦闘勝利!
 凄い・・・数素開放ってこんなこともできるのか・・・         リザルト
 「じゃ、先に進みましょう!フォビドンまでよろしく!!」    1020EXP
 そう言って、リリサは親指を上げ、              仮100ゴールド
 こちらに向けてきたのだった・・・            6の鍵を入手しました
 
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