バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー/3

マルチプルブレイドターンインフィニティ オブ トラジリィー 3
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 「そういえば、お前さん、流派はなんだ?」      BGM:ワールドマップ1
 「流派?」                   システム:BGM少し下げます
 平原に出たとたん、歩きながら顔も見ずに唐突に話し出すジンガさん
 「剣の流派だよ、その様子だと、流派の名前などなさそうだが?誰かに教わったか?」
 「俺は・・・村の猟師団で習いました」
 「なるほど、狩りのための剣か、なら、人とは・・・」
 「訓練で戦ったっことはありますが、殺し合いはしたことありません」
 「ふむふむ、                    SE:微かに首を縦に振る
  そうか、なら、特定の技などは習わなかったのだな?」
 「はい、気を飛ばす牙走閃なら習いましたけど、それぐらいです」
 「で、猟師団に数素武具を使う人間もいなかったと・・・」
 「はい、いたような記憶はありません」
 「なら、数素武具や数素奥義を知らなかったりしても不思議じゃないか・・・」
 「はぁ・・・」
 「まぁいいさ、見ていきゃお前さんなら覚えるだろう、太刀筋もいいし、大方、村のベテラン剣士の剣を盗んだ、そんなところだろう・・・」
 「村じゃ、基本以外は狩りで覚えろって言われました、そっちの方が金になるからって・・・」
 「ま、剣術を教える義務も無いならそんなところだろう、まぁいいさ、とりあえず今まで通りやっていけばいい、何かあったら修正してやる、ほら、とっとと行くぞ」
 「えぇ~・・・」                     タス、タス、タス、
 俺が呆れた声を上げる間にもさっさと歩いていくヤガタさん
 「・・・本当にこれでいいのかな・・・?」    システム:BGM元に戻します
 そうこうしているうちに向こうに街とお城が見えてきた!   スタ、スタ、スタ、
 四角い統一規格で斬られた石材をたくさん積み重ね作られた壁 タス、タス、タス、
 それに木のドアと木の三角屋根を付けたこの辺りで定番の家々 スタ、スタ、スタ、
 そして、緩やかにS字を描きつつ奥に行く同じ石材が敷き詰め タス、タス、タス、
 られた中央道の向こう、                  スタ、スタ、スタ、
 そこには同じ石材で作られた城壁があった・・・       タス、タス、タス、
 斜め四隅の三角錐屋根を付けた円状の塔で囲み、       スタ、スタ、スタ、
 その先にはやはり、小型の三角錐の屋根を付けた       タス、タス、タス、
 四角い本城が見える・・・            SE:ワールドマップから移動
 そんなこんな見てるうちについてしまった・・・       BGM:素朴な王都
 「ほう、ここがこの国の王都か・・・」         あら奥さん聞きました?
 「とりあえず、王様のところまで行ってみようかな・・・」   あの騎士様の噂!
 「ほう・・・一国の王が簡単に話を聞いてくれると?」          ええ、
 あごなどさすりつついぶかしむジンガさん、       あのハンサムな騎士様!
 確かに、話を聞いてくれるかどうかわかんないけど・・・ 最近ね騎士団長になった
 「い・・・行ってみるだけだよ、ダメだったら、別の手を考えるさ・・・」  って 
 「まぁいい、とにかくやってみるっていうのは大事だ、   さすがねぇうちの夫も
  やってみなきゃ問題点は見えてこないし、         見習ってほしいわぁ
  案外一発でうまくいくかもしれん」         まったく、おほほ・・・
 「そ・・・そうだよ、とにかく行ってみよう!!」        おほほ・・・
 そうして、中央の道を城に向かって歩いていき、           SE:閃き
 「って、ちょっと待って!」
 先に行きかけたジンガさんが目の力を緩めた不思議そうな表情で振り返る
 「何だ?」
 「道具屋に寄って換金してくる!」           戦闘で得た仮ゴールドは
 「換金て、おい!」          道具屋等でゴールドにすることができます
 「すぐ済むから!」      ゴールドにしないと買い物には使用できませんので
 そうして、道具屋で手早く換金し・・・            注意してください
 城門の前まで進む、
 そこには、全身を鉄の鎧で覆い、外側の手に槍携えた兵士たちがいた・・・
 「大変なんです!村が帝国兵に襲われて!!」
 「なに?貴様、どこの村から来た!?」
 威圧感たっぷりに見降ろして来る
 「グリア村です!」
 「グリア村、しかし、その様な報告は受けていないぞ?」
 兵士たちが顔を見合わせる、
 ジンガさんはそれ見たことかと手を両肩外側に出しくすめている
 「とにかく!」
 俺は時計を両手に持って出し、
 「俺!この時計を国王の下にって、村の長老から託されたんです!
  これは村を作ったときに託されたものだからって・・・」
 「しかし、そんな話は聞いたことも・・・」
 と兵士の目がいきなりジンガさんに向く
 「貴公もグリア村から?」
 「いいや、たまたま同じ道で同行していただけだ」
 「そうか、しかし、グリア村が襲われていたとしたら一大事・・・」
 兵士たちが俺に視線を戻す
 「ともかく、こちらの方で確認を取るから、
  それまでこの街で待機していてはもらえまいか・・・」      SE:戸惑い
 「え・・・でも・・・どこで」
 「どうした、そんなところでもめ事か?」
 いきなり後ろより涼やかな声があたりに響く、 BGM:我が名を聞け、アイレス!
 「ア・・・アイレス様!」                      ザザッ!
 兵士たちがいきなり額に手を斜めに当て敬礼する!
 後ろに振り替えるとそこにいたのは誠実そうな騎士、
 金の髪と青い瞳を備え、兵士達よりも体型にフィットした鉄の鎧は、
 前面に青い紋章が描かれており、背中の黒い楕円の盾と白い両刃の剣と合わさり、
 明らかに高い位の騎士に見えた、
 その騎士が顔に力を込めた厳しい表情で兵士たちを一瞥し
 「どうしたのかと訊いている?」
 あ、この人なら話を聞いてくれるかも!
 「実はグリア村が襲われたってこの人たちと話してて・・・」
 「ほう・・・」
 感心したように僕を見つめる騎士
 「それで、君はグリア村の関係者かい?」
 「はい!そうです!!」
 騎士は一瞬のみ思考を巡らせたように言葉が止まるも
 「・・・わかった、一緒に城内に・・・」
 「へぇ・・・」
 ジンガさんがいきなり何か警戒するような感心声を出す
 そして、そのまま城門が開き、僕は一緒に入っていく・・・  BGM:倹約な城内
 その先にあったのは、金縁の赤いじゅうたんと窓が同じ柄のカーテンが付き、
 上には話に聞いただけでしか知らないシャンデリアがぶら下がっただだっ広い空間だった、
 辺りには白エプロンに黒スカートのメイドさんや駆けまわったり
 兵士たちが警戒し立っているのが見える・・・
 「こっちだ」
 いきなり中央の階段に向かって歩いていく騎士・・・
 「なぁ、あんたずいぶんと話が早いな・・・」
 横から来たのは共に歩いてきた声、思わずそちらを見て、声の主を問いただす
 「ってジンガ!なんで一緒についてきてんだよ!」
 「何、この機会にちょいと城の中を見ておこうと思ってな、で、なんでこいつを城の中に入れたんだ?」
 騎士はこちらを振り返ろうともせず
 「・・・単純な話、帝国軍がグリア村に向かったという報告を聞いていてね、それで君たちに話を伺うと、そう考えただけだよ」
 「本当にそれだけか?」
 階段を上がる間にもこの言い様・・・まったく!俺は思わずジンガさんに言い募る
 「ジンガさん!この人はそれだけだって言ってるじゃん!」
 「・・・はいはい・・・」
 「君達には国王の前で色々聞かせてもらおう、ちょうど、君達も国王に用があるらしかったからね、ほら、ここだ」
 そうして、大きな鉄の門の前まで来る
 「開けるよ」                          BGM:無音
 騎士さんが両手で門を開ける・・・            SE:重厚な門が開く
 その先には部屋と同じ赤いじゅうたん、           BGM:倹約な城内
 左右には兵士が何人も一列に並んでおり、
 その先の壁際は二段ほどの階段になっていて、
 先にある金一色の重厚の玉座が左右に一対並び、
 その左側に座る人、あれが王様かな・・・長老の家の絵でしか見たことないけど・・・
 長い茶の髭に金色の王冠、金縁の赤い豪華のローブを同じく赤い鎧の上にまとっている、
 そして、その堀の深い顔は威厳に溢れていた、絵のままに、
 長老がつい一年前に手に入れた絵であの画家の王様絵は先代は手に入れられなかったから
 今度こそはと気合を込めて手に入れ先々代ととも左右並べて飾っている絵とそのままだ、
 描かれたのが一年前らしいからそのままであってもなにもおかしくはないか・・・
 その横には文官らしき人もいる
 その前まで行き、俺たちは両ひざをつけ頭を下げる
 「国王陛下!グリア村が帝国兵に襲撃されました!」
 騎士さんの一言に周りがざわつく
 「つきましては早急な対処が必要!以前より帝国兵の領土侵犯は頻繁に行われており、国境兵団とのいさかいも多発」
 そんなことになってたのか・・・?
 「ことグリア村が急襲を受けたとあっては一大事、これは宣戦布告と見てよろしいのでは?」
 「アイレス騎士団長!」
 と、王様の横にいた文官、緑のローブのちょび髭禿げ頭のおじさんがいきなり言葉をかけてくる!
 「そこから先は国王陛下がお決めになさること!いくらたった3年でその剣術と才にて騎士団長まで上り詰めた貴公でも言葉が過ぎるぞ!!」
 「しかし、このまま帝国の横暴を許しておくわけにはいきません、君!グリア村の状況を報告してくれ!」
 「その者は・・・?」
 とここでようやく国王様が口を開く
 俺は顔を上げ、見知ったことを告げる
 「俺はグリア村から脱出してきました!グリア村は火が放たれ、中央広場にて帝国兵が占拠している状態です、なんでも、この時計を欲しているようで・・・」
 と、俺は背中の時計を両手に持ち差し出す
 「これは長老が村の村立の際に国王陛下より賜った大切なものだとか・・・それで長老は俺に託して国王陛下に渡すようにと」
 「そうなのか、大臣?」
 国王が文官の方を見る                      SE:戸惑い
 大臣と言われた人も少し引いて戸惑っているようだ・・・
 「い、いえ、私は存じ上げません、しかし、歴史文書官か、もしくは城の歴史書を探せば何か見つかるやも・・・」
 「ふむ・・・それならば、」
 言いながら俺の方を見る
 「その時計と共に君をこの城で保護しよう、貴公にはしばらくその時計を管理して」
 「ま、待ってください、国王陛下!!」
 騎士さん?
 騎士さんは立ち上がりつつ一歩前に出て感情的な大声を上げる
 「その時計は強い数素武具だと思われます!今ここで取り上げておいた方が・・・」
 「しかし、数素武具は使い手を選ぶとも聴く、それならば単独で管理するより、使い手も共に管理しておいた方がいいじゃろう、君、」
 王様が俺を見てくる
 「それは使えるのかね?」
 「え、ええ、これを使い、帝国兵の一部と戦い、道中の障害も排除しましたから・・・」
 と王様は騎士さんに目線を戻す
 「だそうだ、それならば彼と共に管理し、常に持っておいてもらった方がよいじゃろう」
 「いいえ、ダメです!彼らが暴走したらどうするのですか!その後ろの男の背負っているものも数素武具、やはり時計は取り上げた方がいい!」
 「何を言うかアイレス騎士団長!いくら数素武具使いとはいえこのような若輩二人を我らが軍が鎮圧できないというつもりか!恥を知れ!!」
 「貴公たちよ、グリア村のことは我らが何とかしよう」
 王様の頼もしい言葉
 「そうです!今すぐに騎士団を派遣しましょう、たとえ帝国軍と戦争状態となってもどうにかして守って見せましょう、そのためにも、彼らの数素武具を!」
 「せ、戦争だって!?」
 思わず声が出た、長老より話を聞いただけだが、
 以前の帝国との領土争いでは村のほとんどが死んで長老はかろうじて生き残ったとか・・・
 村には父さんや母さん、友達、長老もいるんだ、それだけは・・・
 「せ、戦争だけは!」
 「おいおい、いつの間にか俺の数素武具も数に入っちまってるぜ?
  それだけはごめんなんだがなぁ・・・」              ドダン!!
 いきなり背後から大音を上げ、扉が開く!
 「帝国よりの宣戦布告です!
  グリア村を占拠した、これより領土を進行すると!!」        ザワッ!
 辺りが                           領土進行だって?
 ざわつく!                   帝国は何を考えているんだ!?
 騎士がこちらに振り返る!
 「これで決まりですね、さぁ、数素武具を渡しなさい」
 「嫌だね」
 ジンガさん!?
 思わずジンガさんを見るも、ジンガさんはいつもの調子
 「・・・僕も・・・」
 不意に口をついて出た
 「何かおかしい、都合よく行き過ぎてる・・・ですよね、ジンガさん!」
 「お前は本当に物まねがうまいな・・・」
 ジンガさんが顔を上げ、国王たちを見る
 「そういうわけで、保護なら受ける、だが、数素武具を渡すわけにはいかないな」
 「う、うぅむ・・・」
 「それではいけない・・・」
 王様が悩む声を上げながらもいきなり騎士さんが剣を抜き、こちらに斬りかかってきた!
 「うわわっ!」
 「ぐぅ!」
 慌てて転がり避ける俺たち!
 「アイレス騎士団長、何をしている!?」
 「安心してください、この賊たちを成敗して見せましょう・・・」
 大臣さんの声にも聴く耳持たない
 「賊?何を言って・・・」
 「この者たちは数素武具を城内で用いようとする工作員だ!私は調査のためにここまで連れてきたが、意地でも数素武具を渡さないこの態度で確信した!」
 周りが互いに見合っている、半信半疑といった感じだ
 「アイレス騎士団長!?」
 「兵士達よ!国王と大臣を安全な所へ!!」
 大臣が声を上げる中で兵士たちが国王と大臣を連れていく・・・
 騎士の俺達を見る目が細く鋭くなる・・・
 「君たちは私が成敗してあげよう・・・」
 「どういうつもりか知らんが・・・やるぞ」            SE:剣抜き
 「うん!」                         SE:剣抜き長め
 アイレスが盾を構え             BGM:我が名を聞け、アイレス!
 「行け!兵士達よ!」
 兵士たち四人ほどが俺たちの前に立ちはだかる!
 「数素武具相手にそんな雑魚をその程度集めたぐらいでどうにかできる訳ではないと分かってると思うが?」
 ジンガさんが剣を大きく振り上げる!
 「地裂罰列斬!!」
 絨毯を突き破り噴き出す床の破片が兵士たちの動きを止め、
 豪快な二連斬が兵士たちを吹き飛ばし、そこを縫ってジンガさんが走り込む!
 が、いきなりアイレスが剣を床に立てる!
 「氷河噴出閃!」                 (ヒョウガフンシュツセン)
 咄嗟にジンガさんが飛ぶ!
 次の瞬間、ジンガさんのいた場所に氷が突き出し引っ込んだ!?  ズバァ!ヒュン
 「やはり、その剣と盾、数素武具!」
 そうか、白い剣が1、黒い楕円の盾が0を現し、併せて10を表しているのか!?
 が、その噴出閃はまっすぐな軌道で緩やかに左右にずれながら次々と噴出しては引っ込み、俺の方に向かって来る!
 くそ、地味に軌道が読みずらいな・・・ここ!  ズバヒュンズバヒュンズバヒュン
 俺はとっさに盾で守りつつジンガさんに続く!          ガキン!タッ!
 対してジンガさんは上空から斬りかかり、アイレスが盾で防いでいた! ガァン!!
 さらに着地しつつ下から切り上げ上から振り下ろすも      ガァンガァン!!
 アイレスは盾で確実に防ぐ!
 「氷聖烈光盾!」                (ヒョウセイレッコウジュン)
 「な・・・!?」
 盾から発せられた光はジンガさんを確実に凍らせていく!?     SE:凍る音
 「この盾も数素武具の一部だと忘れていたか?
  これで終わりだ!凍敵砕!」                (コオテキサイ)
 力強く剣を振り上げ振り下ろす
 「終わりなのはお前だよ、俺は一人じゃない」
 「な!?」
 俺が間に入り、剣を確実に盾でいなす!               ガィン!!
 「間に合った」
 「よくやった」
 ええっと、数素奥義ってこういう感じか?
 今まで二人がやっていたように剣に語り掛ける
 「空裂牙走閃!」                   (クウレツガソウセン)
 思い切り地から上に剣を振り上げる、それはアイレスに間一髪で届かない間合い、だが!
 「なに?」                        ビュォオオオオ!!
 大地より発生した竜巻が、アイレスを巻き込み、ほんの少し前進したところで消える
 ううん、牙走閃より間合いは短いか
 「この・・・」
 「アイレス様!!」
 アイレスが立ち上がったところで兵士たちが来る
 「お前達!取り囲め!!」
 「っち、切りがないな・・・」
 兵士たちが周りを取り囲んでいく・・・
 「・・・仕方が無い、クルーダ、よく見てろよ!数素開放!!」
 ジンガさん、何を?
 そう思ったときには体が動かなくなっていた、
 周りの兵士たちの体も一切動いていない、アイレスも!?いったい何が起こってるんだ!?
 ただ、その中において、ヤガタさんだけが一気にアイレスに間合いを詰めていき、
 その剣を振り上げる!
 そして、袈裟懸け、逆袈裟懸けと   ザザシュザザシュザザシュザザシュザザシュ
 次々に剣を叩き込んでいき!     ザザシュザザシュザザシュザザシュザザシュ
 剣を突き立てると、岩の槍がアイレスを包み込むように隆起し     ズドドド!
 「数素秘奥義!大地蹂躙閃!!」           (ダイチジュウリンセン)
 岩の槍に埋まったアイレスを岩ごと通りすがるようにたたっ斬った! ジャキン!!
 そうして、一気に後ろに跳んでこっちに戻ってくる
 しかし、倒れたはずのアイレスは息も絶え絶えに立ち上がる!
 「ぐ・・・ならばこちらも・・・!」
 と、足元が急に浮いたような違和感が              ズドドド・・・
 床が崩れて・・・お、落ちる!!
 「うわぁあああ!!」
 
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