バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

忍者マウンテンサイクリングレース/9

忍者マウンテンサイクリングレース 9
 
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 9
 
 俺は今、暗い会場で社長、いや、お館様の護衛の一人として、
 とある場所に来ていた・・・
 まわりはコンクリートで張り固められた光一つ届かぬ秘密の密会場所という感じの場所、
 中央には円状の木の机に木の椅子といった感じ・・・
 と、お館様が俺に目配せし、
 「お前は少しの間休憩時間じゃ、部屋の外で周りの者と話してこい、心の底から友好的である必要はないが相手を油断させるためにも友好的な態度を示すことは必要じゃ、わかったな」
 「はっ、わかりました」
 言われ、部屋を出る、
 さて、休憩時間の間に何を話せというのか・・・
 この集まりは表に出ない裏の組織の集まりだ、
 合法、非合法は問わないが、国からは暗黙の了解をもらっている組織がほとんど
 所謂、各国の裏の仕事を請け負う組織ばかりだ
 「お前、こんなところで何をしている!?」
 金の髪を後ろにまとめた黒の全身スーツの女がこちらに近づいてくる、
 その顔は美人と言っていい部類だろう、そして、その声は聞き覚えがある、
 この間、任務で潜入した基地にいた・・・
 「どちら様かな?君とは初対面ということになっているはずだが・・・」
 「ぐっ!そうだな、初対面だ」
 ひるみ声を詰まらせる女、
 まさか、忘れていたのか・・・?
 「私はアリマ、あなたは?」
 「輪蔵・・・」
 ここで隠しても仕方無い、というより、ここでは出来る限り正直に話す決まりである、
 「輪蔵・・・?日本の忍者組織の者かしら?」
 「そうだ」
 「忍者なんて初めて見たわ、そう、初対面だからね」
 「そうだな」
 あまりしつこくすると疑われると思うのだが・・・
 「ああ、私、ここに来たのは初めてなの、あなたは」
 「俺も初めてだな・・・」
 「へぇ、あんた、忍者なのか・・・」
 と、右手側より話しかけてきたのは髪が黒く肌の浅暗い、フード付きのマントを付けた男・・・
 「ガフだ、中東のとある組織でアサッシンをやっている」
 「初めまして、輪蔵だ」
 「ちょっと、私が先に話しかけていたのよ?」
 いきなりアリマが激昂する
 が、ガフはアリマを右目だけで見つつ右手を手の平を上に肩元まで上げすくめおどけてみせ
 「いやいや、ジャパニーズ忍者と話せる機会なんてそうそうないからな」
 なんなんだ、この喧嘩は・・・
 致し方ない
 俺は二人を視界に収め
 「あまり介入するつもりは無いが、ここでの喧嘩はどんなことに発展するかわからん、話は存分に聞いてやるから、今は矛を収めろ」
 「う、そうね」
 俺の言葉にアリマは怯みガフはおどけた態度のまま
 「そうだな、それじゃ、訊きたいことを訊くか?」
 ガフの言葉にアリマが冷静を取り戻しつつ俺とガフを見て
 「あら、私も訊きたいことがあるわ」
 「しからば、俺も訊きたいことを訊くとするか・・・」
 こうして、俺は質問攻めにあうのを答えたり、スルーしたりしていく・・・
 もしかして、こんな感じの奴らが集まるのだろうか?ツール・ド・ニンジャ・・・
 
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