バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

忍者マウンテンサイクリングレース/8

忍者マウンテンサイクリングレース 8
 
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 8
 
 こちらに抜き足差し足でゆっくりと近づいてくる・・・
 まずいな、逃げるか?
 いや、ここの兵士ではないようだ、ここは交渉次第で・・・
 通路の角の陰に隠れ、近づいてくるのを待つ・・・
 そして、十分に近づいたと思ったら跳躍!首元にナイフを差し込んで刃を突きつけながら声色を変え話す、
 「俺はここの兵士ではない、この基地に利するつもりもない、そちらは・・・?」
 「私も、ここの兵士じゃないわ、この基地に利するつもりもない」
 小声で返してきた、よし、それなら・・・
 「ならば、互いに相手を見なかった、とするのはどうだ?」
 「・・・わかったわ、どの道、この状況ではあなたの要請を受け入れるしかない・・・」
 よし、決まりだ
 ナイフを外し、角から中央に向かって走る、
 と、女も付いてくる、
 どうやら、目的は一緒のようだ、
 大体基地の中央に来たところで、壁に耳を当てる、
 中から電子機器が常時唸る音が聞こえる、
 ここか・・・
 近くに扉は・・・
 左右を見回すと右側に・・・あった
 近づくと、女の方が先に近づき、そばにある電卓のような数字入力機のボタンを押し、
 扉のロックが外れる音がする、
 女が中に入って行き今度はこちらが後に付いて行く、
 中には左手に数台の縦型サーバー、目の前のデスクに一台のパソコン、
 パソコンに近づき、電源ボタンを押して画面のスリープを解除しつつ、
 手元のUSBメモリ、ロックを外すプログラムと中のデータの必要分を自動で判別、ダウンロードするように仕組まれたUSBメモリをポートに差し込み、
 ロックを外しつつデータを取る、
 そのすぐ後に女も同じような形でデータを取る
 忍び足で来た扉より出て同じ道を戻り、
 後ろから女も付いてくる、
 ・・・別にいいが、俺を利用するような真似はやめて欲しい・・・
 ビーッ!ビーッ!ビーッ!
 なんだ?入ってきたところから基地を出たところでいきなり警報が?!
 いきなり兵士の動きがあわただしくなるがどうやら、誰かを探しているわけではない・・・
 どうやら、どこかのバカがこの基地に襲撃をかけてきたか、あるいはこの基地から襲撃をかけようとしているのか・・・
 いずれにしても、早急にこの基地から離れねばなるまい、
 それに、後ろの女が見つかってもまずい、
 せっかく手に入れたデータが使えなくなるやもしれん・・・
 「一気に抜けるぞ、後ろに乗れ」
 「後ろって何の後ろに?車両でも奪う気?」
 「そんな危険な真似はしない」
 俺は背中から数枚の鉄板を取り出し、
 入っている切れ目に応じて鉄板を分解、即座に組み立てる
 それを見た女の目が大きく見開かれる
 「そ・・・それは・・・自転車!?」
 そう、これはメタルクラフトペーパーにヒントを得て作り上げた金属板自転車!
 「とっとと背中に乗れ」
 俺が自転車にまたがると俺の背中に女が捕まる
 「しっかり掴まっていろ」
 監視カメラの隙間を狙い全速力で自転車を漕ぎ、前輪を上げて前に叩きつけ跳躍!
 前に一回転して金網を跳び越え着地しつつ全力で基地から離れる、
 「ここまででいいわ」
 林に入ってしばらくしての女の発言に俺は自転車を止め女を降ろす
 女は冷静な目で俺を見て、
 「それじゃ、私は仲間との待ち合わせ場所に向かうわ」
 「それではな」
 俺はそのままこちらも待ち合わせ場所まで自転車を飛ばしていった・・・
 
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