バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~/22

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~ 22
 
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 「にしても、凄い場所だね・・・」
 そこにあったのは、緑灰色の水晶で凍ったような火山の火口の内部、
 広く、緑灰の水晶のようなきれいな石のような物が辺りを包む不思議な空間・・・
 その奥に、依頼のアイテムであろう、白百合のような一つの花が地面に咲き、上からの光をスポットライトの様に受けている・・・
 「きますえ」
 ズゴーォン!!
 下より足元が吹き飛ばされ、私達はこちらがわ別々に吹き飛ばされる!
 「グリャアアアア!!」
 そこに現れたのは、緑の巨大な蛇龍!?
 エメラルドのような逆立つ鱗に大理石のような白い瞳、短めの手はあるものの、その体の大半は地中に埋もれているのだろう、
 下に名前が・・・
 緑柱石龍
 エメラルドリュウ・ドロング!!
 「来るぞ!戦闘開始!!」
 サラさんの一言と大剣突き出しと一緒にドロングが顔を想い切り上げ、口より緑の宝石を粉々に砕いたようなものを吐いてくる!!
 「開幕全体攻撃のエメラルドブレス(広範囲に大ダメージを与えるブレス攻撃、開幕攻撃のは位置関係からも必ず当たるので注意、受けると確率で宝石化という氷結と石化の間のような状態になる永続で動けないほか、物理はダメージが1.2倍増え、魔法は受けたうえで辺りの敵味方に関わらずに放出するという厄介な性質を持つ)だ!!」
 うぎゃああ!!HPが減って行き・・・フレナさんとオセリアさんが緑の宝石像に!?
 「開幕エメラルドブレスは確定2名宝石化だよっ!!」
 マジかよアニタ!!
 「ええっと、ストーンケア(石化回復魔法、スキルを上げれば範囲を上げれたり宝石化を治癒出来たり二人以上同時に回復した時に消費MPが半分還元されるといった恩恵を受けられる)!!」
 ・・・か、回復しない!?
 「よく見ろ、二人の頭に錠前があるだろ!」
 あ、言われてみれば、黒い錠前のようなシンプルな絵が120という数字と共に浮かんでる・・・
 「それは状態異常ロックだ!カウントが0にならないと回復できないぞ!」
 ・・・まじかよ・・・
 でも、HP減ってるし、とりあえず、オセリアさんに・・・
 「ララヒール!」
 ・・・あれ?私のHPも回復してる・・・?これって・・・
 「サラさん!」
 「分かっている、全員、オセリアの周りに集まれ!!」
 オセリアさんの周りにフレナさん以外が集まる、ごめん!フレナさん、後で回復するから!
 「ララヒール!!ララヒール!!ララヒール!!」
 そう唱えると、全員の体力が完全に回復した、
 そう思った瞬間、ドロングがエメラルドの塊を吐いてくる
 「まずい、あれは魔法攻撃扱いだ!だが、開幕さえどうにかすれば何とかなる!全員散開!!」
 「それでは、私はフレナとトークンアリスのヘイト消しながらどうにかしますえ」
 私達全員が急いでオセリアさんの周りから離れ、ブレスの一撃は大事に至らず、
 「フレアペネトレーション(火属性の中級魔法、相手を貫通する炎を高速で放つ、弾速が早く相手に避けられにくいほか、相手が並んでいるとまとめてダメージを与えられる)!!」
 「翠犬の矢(ホーミング能力を持つ風纏う矢を発射する、発射時点で相手の弱点を捉えていた場合、そこに向かって移動していく)!!」
 「風遁の術(風で相手を目くらましし、その風と砂ぼこりで味方一体がいないと錯覚させヘイトを消す初級忍術)!!」
 「砕爪甲断(相手の手に向かって力強く振り抜き相手の爪や甲殻、装甲を砕く大剣技、相手は攻撃力防御力ともに小下がる)!!」
 「徹甲榴散弾・ブレイク!!(爆弾をばら撒く大きな弾を発射し、相手一体と小範囲に炎属性のダメージを与える、最初の一発が当たった敵のみ、防御力が下がる)!!」
 風属性を中心に攻撃が展開され、嵐と爆炎の花々が咲き乱れる!!
 と、らん子さんにドロングの右手が叩きつけられた!
 「らん子さん!ララヒール!!」
 そういう具合で、そんななかで私も、回復役として活躍している、
 このまま行けば、オセリアさんとフレナさんのロックもすぐに解除できそうだ・・・
 そう思いきや、またもエメラルドブレスが吐かれ、
 まずい、こっちにくる!でも、オセリアさんのカウントもゼロに・・・後は任せたよ、オセリアさん!!オセリアさんを捉え
 「ストーンケ「きしゃああああ!!」
 いきなりドロングが苦しむように吠え、顔を上げるようにのたうつ
 「やった!?」
 が、ドロングが右手を掲げたと思ったら、そこに空気中の結晶が吸い寄せられる様にして集まり、緑の宝玉が現れ、
 その緑の宝玉が出現した時と同じように背中に緑の翼が出現、大きく羽ばたき空を飛ぶ!!
 「キシャアアアアア!!」
 「まだ終わってないぞ!!」
 マジかよもう・・・
 「ストーンケア!!」
 オセリアさんにかけた魔法により、宝石化が解け、オセリアさんがこちらを向く
 「ごめんなさい」
 「もう一発ストーンケア!」
 今度はフレナさんの宝石化を解く!フレナさんもこっちを向き
 「すまない」
 するとサラさんが私達の方を向く
 「能書きはいい、どうせ防げん、今はそれより第二形態だ!!」
 続けて右手にいたヨーグルちゃんとアニタちゃんの方に
 「ヨーグル、アニタ、お前達が頼りだ、弱点が変わってることを忘れるなよ!、私達も援護するが、あまり期待してくれるな?」
 「わかってるって」
 「わかってますよ」
 すると突然ヨーグルちゃんがこっちの方を
 「そういえばねぇちゃん」
 「ん?」
 「翼を狙ってくれよ」
 「わかってるわ、余裕があればね」
 「さんきゅ」
 ヨーグルが矢を弓につがえ廻り飛ぶドロングの方を向き狙う、
 「雷閃の矢(雷を纏う矢を超高速で放つ、速度により重力の影響をあまり受けないほか、他の弓術よりクリティカルヒットダメージが大きいという特徴がある)!!」
 「フレアペネトレーション!!」
 「馬鹿にする(相手の悪口を言って注意を向けさせる、単純な相手に効く、相手を見てきちんと使うことが肝要だ)!!」
 「さて・・・私達も・・・行くぞ!」
 サラさんの合図とともに、残りは苦無やら爆弾やらが飛んで行く、投擲攻撃アイテムの類である、
 しかし、ダメージは少なく、やはりここは両翼を狙っている二人に期待するしかない・・・
 上からのエメラルドブレス!?
 「プレッジストーンケア(石化状態になった瞬間に回復させる予約回復術、スキルを上げると宝石化も回復できるが、こちらは一回に一人しかかけられない)」
 私の体が緑色に固まって行く、と思ったらすぐに回復した
 「ありがとう、オセリアさん!」
 「こいつ相手にはこれ使わないといけないのよね、ただ、全員にかけてるからMPがきついのよ」
 「大丈夫です、フォローします、任せてください!」
 「お願いね、重点的にあなたにかけるから・・・」
 ガシャアアアア!!
 と、翼の片方、右翼の中央に砕けるように穴が開く!
 「おっしゃあ!」
 砕いたのはヨーグルの矢だ
 「アニタ!何やってんだよ!いつもだとそっちもそろそろ砕けるだろ!」
 「うっさい!今やってんのよ!」
 「火属性ばっかり使ってるからだろ、っち、しゃーねーな!」
 二人の火と雷の矢が同時に着弾し、もう一方の翼のどてっぱらに穴を開け、ドロングが落下、
 「たたけぇ~!」
 サラさんの大剣が、フレナさんの剣が、らん子さんの刀が、マッキーさんの拳が、ヨーグルちゃんの矢が、アニタちゃんの魔術が、ドロングに攻撃を加えて行き
 「きしゃああああ!!」
 ドロングが急遽跳躍し、元の場所に戻り、さらに雄たけびを上げる、
 そして、その口内に緑色の光を溜め、こちらに向けてくる、と頭の上にカウントが・・・180!?
 「あれがゼロになる前に倒さないとゲームオーバーだ、なに、全員の力を合わせれば行ける」
 「それじゃあ・・・アタックパワード(次の物理攻撃の威力を底上げする攻撃力魔法、効果の高い反面一回しか効果が無いため使いどころが限られる)」
 「こっちはアタックパワードプラス(一回のみ物理攻撃の威力を上げる補助魔法、攻撃毎に使うのもいいが、消費MPには注意)ね!」
 前衛3人が突撃し、その剣を振るう
 「大豪断(思い切り振り降ろして叩きつけ、相手の守備力をある程度下げた状態でダメージを計算する大剣技、割合で下げるので守備力が低い相手より高い相手に有効)!!」
 「フレアーソード(近距離より炎属性の剣を叩き込む、属性が付いただけなので弱点相手じゃないと意味が無いことに注意)!!」
 「火遁の術(炎で相手を目くらましし、その炎と陽炎で味方一体がいないと錯覚させヘイトを消す初級忍術)!!」
 後衛の3人も攻撃を始める
 「爆裂砲弾(大きな砲弾を相手に叩き込む技、ぶつかると爆発するが、周囲のダメージは小さい、ただし、ぶつかった物は防御力が一定時間下がる)!!」
 「爆炎超新星・ノヴァ(重力の影響を受けやすい炎の矢を発射する、地面に当たると不発だが、相手の弱点に当たると、周囲の部位にも部位があるもののみ弱点ダメージを与えるという特徴がある、むろん、素のダメージも高い)!!」
 「フレアペネトレーション!!」
 炎が咲き乱れて行く・・・
 「この分だとあれは必要ないかな・・・?ね、らん子?」
 ん?アニタちゃん・・・?
 「おい!どうなってんだ!?」
 サラさんが攻撃しながら叫ぶ
 ん?どうしたんだ・・・?
 「ダメージが下がってる!?」
 「こんな仕様、無かったどすが・・・」
 「このままだと倒し切れない・・・」
 えええっ!?
 サラさんの言葉に続いての二人の台詞とサラさんの結論に思わず慟哭する
 「誰か、ネットで調べられないかしら?」
 オセリアさん!
 「でも、その間、操作できないわけでしょ、そうなったら・・・あ!」
 私は思わず叫ぶ
 「ベガさん!クックルード、エメラルドリュウ・ドロング、ダメージで検索!!」
 「検索結果によると、急激にダメージが少なくなるバグがあるようです、どうやら、近頃のアップデートで出てきた模様、それ以前の検索結果がありません」
 「そのバグ、対処法は!?」
 「それは・・・」
 なるほどなるほど・・・
 「みんな、聞いて!どうやら、ドロングの防御力の計算式にバグがあるようなの!」
 「な、何だって?!」「何だと!?」「何どすと・・・」「そんな・・・」「ええっ!?」「聞いてないよ!?」「どういうこと・・・?」
 「防御力を低下させたり、防御力に関するスキルを控えて!!」
 全員がスキルの行使をやめ、通常攻撃に移行・・・
 「おお・・・確かにダメージが戻って行く・・・」
 「だが、これだと間に合わないぞ!?」
 「ふっふっふっ・・・」
 サラさんとフレナさんの台詞に不敵に笑うアニタちゃん・・・
 ん?アニタちゃん・・・?
 「さぁさぁ、お立合い、一気にここから決めてみせるよ、らん子、あんたの提案なんだからしっかり決めなさい!!」
 「一気に決めるって・・・」
 「ええ、それじゃ、先日、とあるスキルブックを見つけてなぁ・・・」
 「そ、先日、とある、スキルブックをらん子が見つけて手に入れて、一回限りなんだけどぉ~」
 「一回限りなんどすが・・・」
 「一回限りのスキルブック・・・?ちょっとまて、それって最上級スキルブックの事かっ!?」
 サラさんどういうこと!?
 「そうどす・・・みなはん、これを・・・」
 「そうそう、みんなこれ使って!」
 私の驚きをよそに話は進んでいく・・・
 「これは・・・ええと、スキルブック?」
 「待て待て、最上級用のスキルブックは消費MPが大きくて、本来の物よりも何倍も係数、係ってて結局大抵本職のみでそれを習得できるレベルじゃないと使えないって・・・」
 「そうそう、魔術師用のは特に消費MPが大きくてね・・・」
 え・・・!?
 「じゃ、今日火属性ばっかり使ってたのは、アニタちゃん用のを使うために、装備やスキルを調整してたんですね?!」
 「まぁ、そういうこと、証拠に今日はエレメンタリストだしね、火属性用の消費MP軽減、たっぷりつけてきちゃった」
 「えらい苦労掛けました・・・」
 「だが、私達は・・・」
 それ用にスキルなんて調整してない・・・
 「それ用にちゃんと渡しましたえ・・・ね、トークンアリスはん・・・」
 え!?私!?
 「そうだよ、それ用にちゃんと渡したよ、どうせすぐに修正されるんだろうけどねぇ・・・、ほら全員MP回復して」
 「は・・・はい・・・」
 「めにゅ~!」
 全員が紫の薬(MP回復用の薬、固定数値なれど中レベル程度なら複数回行使すれば全快できるぐらいにはなる、最大MPが少ない職は持てる数全て使えば三回ほどできるが、多い職は一度切り、装備品やスキル構成によっては届かないことも多い)を使用していく・・・
 「さ、号令、頼んだよ?」
 「仕方無い、本来なら私がするところだが、お前に譲ってやろう」
 え・・・?サラさん・・・
 「は、はい!」
 メニューの装備品欄から・・・えっと、あ、これだ!渡されたスキルブックを装備し、メニューを閉じ私は叫ぶ!!
 「スキルミスチーフ(スキル一回限りのMPを大幅に軽減する、大範囲に効くため、味方全員で使ってみよう!!)!皆さん一緒に行きましょう!!」
 私たち全員が改めてエメラルドリュウドロングを正面に見据え狙いを定め、放つ!!
 「大豪神滅斬(神をも斬る大振りの一太刀、滅気こもったそれは、例え神々だろうと容赦なくその身を削る)!!」
 「ゴッドスラッシュ(神の加護を受けた一撃、敵対する神や悪魔、魔人を容赦なく斬り捨てる・・・!)!!」
 「神遁・神威(神と戦える名誉と怖れで相手を目くらます術、忍術を極め作られた偽物の神だが、その雷とヴァジュラによる攻撃能力は絶大)!!」
 「デウスエクスマキナ(不気味な機械仕掛けの神を己がパーツとエネルギーで具現化させ、共に拳で攻撃する術)!!」
 「神穿ちの矢(ただ一点にまで極限に集中し放たれたその矢は、すべてを通す針が如くに神々の体すら貫く・・・)!!」
 「エグズエクスプロージョン(炎属性の超上級奥義、街一つ軽く包み込むそれは攻撃範囲も破壊力も元のものとは比べ物にならない反面、MPの消費もすさまじい)!!」
 「エンシェルリング(天使のエネルギーのこもった輪を幾多も召喚して飛ばす術、ただし、それはすべての悪しきものをやすやすと斬り裂き、最後には刺さったものから光属性の大爆発を起こす)!!」
 「そして、MP回復して、オーバーザセイントー(巨大な光の矢が敵を貫く、その大きさはすべてのこの世の光を集めたものだと感じるほどだという・・・)!!」
 力が、光が、闇が、機械が、矢が、炎が、輪が、そして、私の術が、ドロングを捉え、消滅させた・・・
 あ、これ・・・ドロップアイテム!!
 これを渡す相手は
 視線を回し・・・
 ・・・いた・・・
 「らん子さん!!こっちに!!」
 花の前で回線をプライベート回線にし、互いに向かい合う・・・
 「あなたは・・・弧己す君ですね?」
 「どうしてそれを・・・」
 「サラさんがプレイしているときにあなたを見ました、ゆえにサラさんではない、アニタさん、ヨーグルさん、オセリアさんは語ってくれた素性が違います、そして何より、あなたとフレナさんで二枚盾を組んでいたこと、そして、攻撃アイテムという忍者よりの物を作っていた・・・だから、あなたが弧己す君だと判断しました・・・」
 「で、何のようだ、亜里沙
 えええっ・・・!?
 「っつ、なんでそれを!?」
 「皆、徐々に気付いてたみたいだぜ、名前まで特定したのは俺だけだろうけど・・・」
 「ううう・・・」
 「で、要件聞こうか?」
 「私は・・・あなたが・・・好きです!!」
 そして、私は、ドロップアイテムの花の一つを、差し出した・・・
 。
 
終わり ネトゲ恋愛記 ~女子高生がネカマギルドに入ったら~
 
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