バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~/12

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~ 12
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 「アクセサリーに決めました」
 と、ギルドに発表したはいいものの、
 同じアクセサリー作りをやっていたアニタさんに私を指導するよう、サラさんから指導が入ったのだが、
 「自由にやってよし」
 と、言われただけで、
 「あの・・・アクセサリ製造のコツを聞きたいんですけど?」
 「アクセサリ製造のコツ?」
 「アイテム製造まで行ったのか・・・?」
 「そう、えっと・・・久利亜ちゃんが!」
 いつもの階段前で、あたしを勝手にダシにするな、そういう細く嫌な目つきで見てくるな・・・後で埋め合わせするから~!!
 「アクセサリね・・・俺は防具だったから・・・」
 「俺は攻撃アイテムだな」
 お、耕氏君は防具担当で、弧己す君は攻撃アイテム担当、と、
 「やっぱり、防具が強く無いときついしなぁ・・・」
 「俺は、最初は攻撃方法を色々広げるためだったな・・・お前は、なぜアクセサリに?」
 弧己す君に言われた久利亜ちゃんが横目で一瞬のみとこちらを見る、
 「亜里沙に言われてこうしたほうがいいよってね・・・」
 そう言うと、弧己す君の視線が自然と私の方に・・・
 「なら、お前はどうしてアクセサリを勧めたんだ?」
 理由、理由は・・・
 「見た目がかわいい方がいいから」
 「くっ・・・」
 ?
 「あははは・・・」
 「はははは・・・」
 な、なんだ!?弧己す君と耕氏君の二人が急に大笑いしだした!?
 「な、何よ、二人して!!」
 「いやいや、そういう理由で選んでもいいんだって思ってな・・・」
 「そういや、こいつも似たような理由で職選んでたよなぁ!!」
 へ?弧己す君が?
 「それここじゃ話すなって!、じゃあ、お前もアクセサリなわけだ?」
 不意にまっすぐ見る真剣な目に戻る弧己す君
 「え・・・あ・・・いや・・・」
 おもわずしどろもどろになる私
 「それじゃ、アクセサリとはいかないけど、装備品の基本的な作り方を教えてやろう」
 に弧己す君が続け、さらに、耕氏君が笑いが収まりつつ弧己す君を見る
 「そうだな、まずは素材集めか、フィールドに落ちてるやつ、これはプレイヤー別個に拾えるからそれを集めて、もしくは、バザーとかギルドで買いあさるのもいいかもな・・・」
 弧己す君も耕氏君の方を見る
 「作る時は素材をレア以外ランダムに1つ失う失敗と、指定したアイテムができる成功と、スキルが付く大成功があるな、レシピは探すこともできるが、素材指定のみで作成できるレシピもあるからとりあえずそれらから集めて・・・」
 そんなこんなで、アイテム作成のレクチャーが続いていく・・・
 ・・・でも、これだけだと近づけないな・・・そうだ!
 「こ、今度の日曜日さ・・・?」
 「ん?」
 「ん?」
 話が盛り上がっていた二人が同時に私に目線を向ける
 「もっとちゃんと教えてほしいなって・・・あ、喫茶店でお茶でも飲みながら・・・」
 「じゃあ、あそこのネットカフェがいいんじゃないか?」
 へ?何?弧己す君・・・?
 すかさずに耕氏君が弧己す君に向かい
 「あ、いいな!レベル30までのキャラクターなら自由に選べるし、その中にアクセサリー製造のためのキャラクターいるかも!」
 「え?」
 「あそこなら漫画とか揃ってるしな、それじゃ、そこで実演してやる!」
 ・・・・・・
 ズバァン!!
 森の中の大きな丸い広場、その地中より大きい音立てデカいムカデが飛び出してきた!
 えっと・・・
 地に住まう百足竜虫
 ビ・ビ・ビ・ビッグムカデ!!
 着地したムカデが私達に向かって吠える!!
 「薙ぎ払いの全体攻撃に注意どす!攻撃回数は多くないから、私のヘイト管理でどうにかできますえ!」
 前に立つらんこさんが叫ぶ
 「攻撃魔法で凍らせるわ!」
 横に立つアニタちゃんの力強い言葉!
 「狩る!」
 いつもより気合の入ったエーグル!
 ムカデが大きく尾の部分を振り上げた!
 「来ますどえ!!」
 大迫力の尾の振り回し攻撃によりダメージを受ける私達・・・
 「トークンアリス、回復!」
 まずはらんこさん「ヒール!」続けて私「ヒール」次にダメージの大きいアニタちゃん!「ヒール!」そしてヨーグルちゃん「ヒール!」
 「ありがとうどすえ」「サンキュ!」「ありがと!」
 「それじゃ、フリーズランス!!(大きめの氷の槍を生成して相手に投げる氷属性魔法、貫通能力があり、複数の相手を攻撃できる)」
 ムカデの頭を氷の槍と貫通が襲う!
 「撃ち抜く!蒼光射!!(矢に氷の属性を宿らせ、超高速で撃ち出す魔弓術、青い光が飛んで行くような見た目からこの名が付いた、その速さから重力の影響を受けづらいという特徴がある)」
 蒼き光がムカデの頭部付近の足の一本を貫いた!
 「水遁の術(敵一体の目に高速で水を吹きかけ、その目のダメージと水の屈折により、味方一人をいないように錯覚させヘイトを消す術)」
 らんこさんが跳躍し、舞う様にムカデの頭に水を吹き付けた!
 その間にも、らんこさんにムカデが上より尾を叩きつけ、舞う暇の無くらんこさんがダメージを受ける
 「らんこさん!ヒール!」
 「ありがとどすえ」
 そうやって、戦闘は展開していく、ムカデというか、基本モンスターは狙った相手を正面に捕らえようとするので、
 先回りしてらんこさんがヘイトを消していき、自分の方を狙わせる、
 その間に、アニタちゃんが魔法、ヨーグルちゃんが弓矢で攻撃、私が回復、と、
 ん?
 「もう一発!蒼光射!」
 青い光の矢が、ムカデの頭付近にあるもう一方の足を貫いた!
 あれ?ヨーグルちゃん、いつも弱点の中心付近を撃ち抜いてるのにな?
 別の足ってことは、さっきの足が弱点じゃないって事?
 矢をまた撃つが胴体上部という別の場所に・・・
 おかしいな、いつも弱点の部位を連続で当ててるはずなんだけど・・・
 ・・・そんなこんなでムカデ退治は終了し、私達は解散した、しかし、見たのである、解散際にアニタちゃんがヨーグルちゃんの肩を叩いて一緒にどこかに行くのを、そして、気になってついついこっそりついて行ってしまう私・・・
 ゲーム内時間の夕の日があたりをてらす斜めに整備された河原、そこに並んで座る二人・・・
 「いつもより、命中率が落ちてたけど、何かあったの?」
 「・・・別に・・・」
 「ほらぁ~またすねる~あんたが無理に黙る時は絶対何かあるんだからぁ~」
 「うるさいな!何もないよ!!そっちこそ、なんで団長よりアクセサリの指導言われたのに何もしてないんだよ!?」
 「いや~あの子なんて言うか、絡みづらいっていうか、ぶっちゃけると別次元の存在のように感じるんだよね・・・」
 「別次元の存在って、あのおねえちゃんがか?」
 「そう、なんていうか、話しても絶対に何も伝わんないっていうか、同じ日本語話してるはずなのに違う感じがするっていうか・・・」
 「言ってる意味がわかんねぇ・・・」
 「じゃあ、もうここで解散でいい?」
 なぜか返答しないエーグルちゃん・・・
 「訊きたいことがあるなら聞くよ?」
 「あのさ、その、親父が、仕事が忙しいって、父兄参観に来てくんなくってさ・・・」
 「ああ・・・」
 「どうしたらいいのかって・・・」
 「まず、ほかの人から言ってもらってとか、本人からだけじゃなくて、他の人からの意見とかだと案外聞くときがあるし、そのほかの人だって意外と考えてくれるかもしれない」
 「でも、それでもダメな時は・・・」
 「極力気にしない」
 「え・・・?」
 「気にしてたって、どうにもなんないじゃない、向こうが変わろうとしない限り」
 またも何も言わないエーグルちゃん
 「でも、シグナルは出しておく、来てほしいって、きちんと伝えておく」
 「・・・それで、来るかな?」
 「さっきも言ったけど、気にしない、ストレスになるだけ、でも、振り向いてほしいなら、行動だけはしっかりとする、知恵を回してしっかりと、親父は俺がここからいなくなっていいのかとか、ゆさぶりをかける台詞の一つぐらいは言っていいかもしれない、後は、さっきも言ったように、赤の他人、例えば先生とかからゆさぶりをかけてもらうとかね、家族じゃない他人から言われないと気付かないことって案外多いから、私情にはあまり入り込めないからね、それでもダメなら気にしない、私が言えるのはこれぐらい」
 黙り込むエーグルちゃん
 「後、私の言ったことで解決しなくても私のこと責めないでね、私だって、親子関係の解消なんてやったことないんだから、この年にして独身だし」
 「独身?」
 「そうよ、私ね、40代のおっさんなの」
 「40代って、俺の親父よりも年上・・・」
 「そうなの?でも、多分私よりも、あなたの親父さんの方が立派よ」
 「それは・・・」
 「あなたを育てて、きちんと働いているんだしね、でも、その親父さんよりきっと、あなたの方が大事、それは、親父さんも一緒だと思う、だから、思いつめて暴走とかしちゃだめよ、憂さ晴らしなら、人に迷惑かけない限りはいくらでもしていいけどさ、あ、憂さ晴らしの方法教えてほしい?」
 「いや、そこまでは・・・」
 「あらそう、残念」
 「でも・・・」
 おーおー、考え込んでる考え込んでる・・・
 「あのさ・・・」
 「ん?」
 「とりあえず・・・親父にちゃんと次の運動会は来てほしいって、伝える!」
 「うん!」
 「すぐに気にしないっていうのは無理かもしれないけど、でも・・・もし何かあった時にはさ・・・」
 「うん」
 「憂さ晴らしに・・・付き合ってくれ!」
 「おう!その時はいくらだって付き合ってやる!!」
 うんうんよかったなぁ・・・
 「よかったどすなぁ」
 「うぉ!いたんですからんこさん」
 小声でついつい話し始める・・・
 「今したえ、ついでに、この会話はゲーム内プライベート設定になってますさかい、他の人には聞こえまへん」
 「そうなんですか?」
 「えっとメニューメニュー・・・」
 あ、確かにいの一番にプライベート会話中って出てるわ・・・
 「オートで受け取れるようになってるさかい、嫌ならそのつど選択式に・・・」
 「いえ、とりあえずこれでいいです」
 「それじゃ、またね!」
 「それじゃ、また!」
 あ、二人がログアウトして消えた!
 「それじゃ、私もそろそろ消えますえ」
 「お疲れ様でした、私もログアウトします!」
 こうして、その日は終わり、いろいろ準備しつつ日曜日へと進むのである・・・!
 例えば、当日に着ていく服を決めるとか、持っていくものを決めるとか、三人と細かい打ち合わせをしたりだとか、とても楽しく進んでいくのだぁ~!!
 
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