マグナムサッカー 10
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10
「戦車なんてありかよ!!」
俺はロッカールームで思わず目の前の開いていないロッカーを拳小指側で叩いていた・・・
「おいおい、怒ったって事態は解決しないぜ」
「そうだな、その怒りのエネルギーは次の試合にとっておいた方がいい」
左二つ隣りのグレネーと一つ隣のランチャが諭して来る
確かにそうだが、納得はいかない
「うちの国は何やってんだ・・・競技の世界競技協会は・・・」
「うちの国はそんな小細工はやらないだろ、ま、言えば抗議くらいはしてくれるだろうがな」
「だからと言って、試合に出ないわけにはいかない、試合に負けるより、試合から逃げる方が恥だ、少なくとも、兵士としてわな・・・」
グレネーとランチャの冷静な意見、おそらく、こんな状況に慣れっこなのに違いない、だが・・・
「・・・小細工とか、卑怯なマネして欲しいわけじゃない・・・」
「なら、答えは一つだろ?」
「ああ」
確かにな・・・
グレネーとランチャの言う通りだ・・・
・・・勝って・・・勝ち続けて・・・卑怯なことをする奴らの鼻を明かしてくれる・・・!!
で、また国をまたぐ
・・・暑い・・・
蒸したような暑さ、スタジアムの北方が熱帯雨林に面しており、
街全体もまた熱帯雨林に囲まれており、木が無いのは建物と道路のみという状況の島国・・・
向こうは同じような気候の国から来てる赤と青の迷彩の半そでにヘルメットの兵隊たち・・・
そして、今度はちゃんとした青々とした人工芝だ、
スタジアムの造形もコンクリの白が目立つ屋根付きの、いわば極々普通の物、
よしよし、これなら変な兵器も出てこないだろう・・・
ピイイイィィー!!
笛が鳴り、コート中央のボールに散開した兵士達から銃撃が飛ぶ!
が、向こうの狙いよりこちらの方が上!
ボールは確実に向こうに飛ぶ!
ここだ!
俺はマグナムを取り出し、銃弾をぶち込む!
中央に銃弾を抱えたボールはスピードを上げ一気にゴールに!
そこに左から飛び込んでくる筋骨隆々のゴールキーパー
ってあれは・・・サイボーグゴリラ!?
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