バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マシーナリーオブアイドル/9

マシーナリーオブアイドル 9
 
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 9
 
 「どうも~慕路灼未智で~す!」
 本番に少し遅れ、私は何とか笑顔でスタジオに入る、
 ステージの上のような舞台背景で白い階段状の座り場で収録中であり、
 そのままそのスタジオに入りやるはずだった出演者のあいさつ回りも後回しで本番、さすがにカメラの前では露骨にではないが白い眼を向けてくる出演者もいる
 「おそかったね~」
 「急に所用が入りまして~」
 司会のスーツの大物アイドルの言葉に何とか笑顔で答える、
 着ている銀色のアイドル衣装の裏では、
 関節が痛い、背中も痛い、
 しかし、それを表に出すわけにはいかないのだっ!!
 うう、恋條知華は1段目中ほどの良い位置にいるなぁ・・・
 司会の人は次に出番のある人と一緒に一番右にいる・・・
 「それじゃあ、順番は、」
 と、司会の人が何かに気が付いたようにステージの外を見て
 「あ、こっち先にやる?」
 そう言って私に向き直り左手でこっちを手招く「じゃ、こっちこっち」
 「あ、はい!」
 ステージの外からのカンペの指示に司会の人の隣の席まで行き、白い機械人形と共に座り、視界とカメラ両方を見るように顔の角度を変え
 「なんか、ボロボロだけど、大丈夫?」
 「大丈夫です!アイドルですから!!」
 司会の質問に私は司会とカメラに思い切り笑顔を見せる
 「ロボットに乗って戦ったりするらしいけど、どうなの?」
 「どうなのって何ですか!今さっきも、おっと、何でもないで~す!!」
 いかんいかん、あまりしゃべるなって言われてたんだ・・・
 「例えば、ロボットを動かしてる感じってどうなの!?」
 「自分の思い通りに動くので、なんていうか爽快って感じです!でも、敵のパイロットは生かせって言われてます、曲がりなりにも警察組織ですからね、一般庶民は私が幾頃にはみんな避難してる状態です」
 「あ、そうなんだ」
 「そうです、そ・う・でぇ~っす!!」
 「おぉう・・・」
 テンションが上がって来て私は笑顔で思い切り叫び、司会者が怯む
 「元気良いね~」
 「はい!ありがとうございますっ!!」
 「それじゃ、出番だ、ほら行って」
 「はい!」
 私はスタッフに道行かれるまま掃ける、
 リハーサルすらしていない、体の節々は痛い、
 だからと言って負けてられない、私はアイドルなのだから・・・
 ステージに立ち、暗めの場所と透明な床の下と背景に並べ配置されたいくつもの青いライトを下地に白いライトの光が四方八方に飛ぶ中で、
 私は歌い始める
 ♪~
 身体は痛いが体は動く、白い機械人形も私の動きを真似して動く、
 歌詞も体に染みついている、
 痛いはいらない、真剣な気持ちもいらない、
 楽しく、体が叫ぶままにテンション上げて踊り歌い、笑顔を見せる、
 それが、私の見せる、アイドルだから♪♪
 何とか踊り切った時、観客は義理でも盛大な拍手を巻き起こしたのだった・・・
 
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