バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マシーナリーオブアイドル/5

マシーナリーオブアイドル 5
 
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 5
 
 いや~楽しみだな~
 大きな音楽番組なんて初めてだしな~
 楽屋の畳の井草の香りに包まれ私は悦に至っている
 この個人控室も初めてだ~
 いっつもみんなとおしゃべりしてるからな~
 コンコン
 ん?誰だろ?
 出入口の扉がノックされる音に私は返事をする
 「開いてるぜー」
 「失礼します」
 大人っぽい女性の・・・この声は・・・
 扉が開く・・・
 げぇっ!?恋條、知華!?
 濃茶の少しウェーブ入った髪、大人っぽさと可愛さを持つ顔立ち、
 足と肩を見せたワンピース型でフリルの付いたピンクの衣装・・・
 私が・・・アイドルを目指すきっかけとなった二人のアイドルの内の一人!!
 「あ!すいません!!後であいさつに行こうと」
 「挨拶はいいわ・・・」
 え・・・?
 そう言いながら驚きから戸惑いに感情が変化していた私の側までゆっくり近づいて来る・・??
 ドン!
 左手を床に叩きつける勢いで押し倒される!?
 え・・・え・・・?
 その目は力無くこちらをうつろに見る・・・?
 「なぜここにいる?」
 え・・??
 「なぜここに来た?」
 ???
 「私の居場所を奪いに来たか・・・?」
 な・・・何を・・・?
 がっ!?
 私の首を右手でつかみ取る!?
 「ちょ、知華さん、何を・・・?」
 と、首を閉めながら恋條知華が私の目を空虚にのぞき込む
 「もしかして、何も憶えていない・・・?」
 ガッ!
 気が付くと、白い機械人形が右手を振るい、恋條知華を弾き飛ばしていた
 え?白い機械人形は部屋の隅に置いておいて、チョーカーのスイッチも切っていたはず・・・
 「無理矢理指を入れてスイッチを入れたか・・・」
 そんなことした覚えが・・・
 と思ったら、左手がチョーカーを指しており、右手は白い機械人形と同じように平手で伸ばした形になっていた・・・
 ・・・どうなって・・・
 「まぁいいわ、あなたは必ずアイドル業界から追放して見せる・・・」
 そう言って、恋條知華はうつろな表情のまま振り返り、出入り口の扉のノブを右手で押して扉を引き開け去っていく・・・
 ・・・その直後だった、スマホが鳴ったのは・・・
 
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