マシーナリーオブアイドル 1
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私はタバコを吸いながら小汚いレッスン上の廊下の床にだらしなく座り込み壁に背を預けていた、
「アイドルがしていい顔じゃないな、後、タバコはやめろと言っただろう」
「うるせぇ黙れグラサン」
私は上から見下ろす黒スーツかつ茶髪の成人男性に言い放つ、
成人男性は私を見降ろしたまま
「それがバレると怒られるのは私なのだが・・・」
「ただの立体映像だ」
「立体映像でもだ、誰かから勘違いされたらどうする?お前はまだ14なのだぞ?」
そう、これは立体映像、力無き左手で床に持ったまま置いた手元のスマホを操作すると煙は何事もなかったように消える、
そして、赤いジャージを纏い、長く、鉛のように重く、茶に近い黒の髪を持ち上げながら立ち上がる
同時に、そばの白い機械人形も立ち上がる、
そして、グラサンの男の方を向き、
「で、お前は仕事でも取って来たのか?」
さっき愚痴っていたマネージャーに問いかける、
白い機械人形も同じポーズをして青い宝石の目でにらみつけ、威圧が二倍である、二倍だぞ、二倍!!
しかし、マネージャーは何のリアクションも無く!
「さっき電話が来た、ぜひ会ってほしいそうだ」
「誰だよ?」
「警重装備科の人間だ」
え・・・?
「け・・・警重装備科?」
マネージャーの見降ろしは続く
「小学生で教わるのだが・・・?」
「わ、わかってらい!」
え~っと・・・
「そうだ!ロボット科だ!!」
「随分と大雑把な認識だな」
「う、うるせぇ!!」
「とにかく、会ってもらおうか、ほら、事務所だ、着替えてとっとと行くぞ!」
いうてグラサンは振り返り歩き出す・・・
ところ変わってやっぱり小汚い事務所、
コンクリ打ち付けの壁に安っぽい革のソファーが(このソファー、時々社長が横になって寝てるってマネージャーが言ってた・・・)対となっておかれ、
その間にはガラス板と鉄柱足の机、奥には大きめの窓ガラスが並び付いた壁を背景にやっぱり金属製のやっすい机、
信じられるか?ここ社長室なんだぜ!?
で、奥の窓を背にして私の正面のソファに座る
明らかに鍛えぬいたガタイの灰色スーツのこわもての男が私を目に力込め睨みながら口を開く
「君には、巨大ロボットに乗ってもらいたい」
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