バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マシーナリーオブアイドル/3

マシーナリーオブアイドル 3
 
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 3
 
 「これが君に乗ってもらう機体だと」
 「黒い・・・」
 大小さまざまな三角系の矢印、一部を三角に切り抜いた三角系の矢印を重ねて人型にしたようなデザイン、
 前に突き刺しそうな装甲で、指も一部を三角に切り抜いた三角系の矢印を縦につなげたような物、
 申し訳程度に三角系の矢印に上が丸い半球体を埋め込んだような頭部にブレード型アンテナが付き、大本の人型フレームは一部赤い光を放つ、
 そして何より真っ黒!!
 「これがアイドルの乗る機体かよ!!スーツも黒いしよ!!」
 私の来ているパイロットスーツは黒と灰色に近い黒のウェットスーツのような物、
 大部分が黒色で両肩から二の腕外側の辺りが灰色に近い黒であり間にオレンジの線が入っている、
 柔らかな素材で衝撃を吸収しつつ体の動きを阻害しない感じ、
 ウー!ウー!
 「なんだ!?サイレン!?」
 ほこりくさいトタン板の広い工場内に
 「さっそく仕事のようだな・・・」
 スーツのおっさんが発す
 警告、人型重機が暴走!工事現場が崩壊!!警重装備科に出動要請!!
 「さっそく、その力を見せてくれたまえ、なに、やり方はわかるはずだ」
 「いいだろ!!」
 機体の胸部が上下に開き、そこそこ広い空間が見える、
 その前にある交差レバー搭載リフトの上に乗ると、
 リフトが上に上昇、機体の出入り口まで来ると入り、
 「そこの横に飛び出た柱みたいなものに背中を合わせるんだ、後はこちらでやる」
 どこからか聞こえる(オペレーターか?)声に従い、奥にある
 横に飛び出た鉄柱に背中を合わせると、
 鉄柱に背中がくっつき鉄柱が上に動き体が浮く!?
 「うおっ!どうなってんだこれ!?」
 「電磁石でくっつけている、問題は無い」
 ほんとに無いんだろうな!?
 どこから聞こえる声に一抹の不安を感じる
 さらに、黒い機体内に外の映像が映る
 「全周囲型モニターだ、すでに出撃できる状態にある」
 足元のリフトはすでに元に戻り横に退避し、正面の工場の大扉が開いていく・・・
 「さぁ、出撃だ!!」
 「いくぞおらぁ!!」
 黒い機体で走り出し、オペレーターの指示に従いしばらく、
 崩れた工事現場に到着する!
 一番ノリィ!!
 剥がれかけたシートのかかった十字鉄骨が組み合わさっている作り駆けの建物、
 さらに、足元に鉄骨が散乱してる・・・
 「なんだてめぇわぁ!!」
 目の前のオレンジの機体から声が聞こえる、
 オレンジの四角いボディに右腕がクレーンの掬う奴の様になっていて両足の先にはキャタピラが付いている・・・
 「酒を飲んでいるような声だな・・・」
 飲酒運転か!?
 「うるせぇ!黙れ!!」
 右腕を叩きつけてくる!?
 左腕で防ぐ!
 コクピットに私ごと衝撃が走る!!
 「武装は!?」
 「無い!!」
 な!?さっきのスーツのおっさんの声!?
 「そのサイズで銃器を作るとなると戦車並みの費用が発生する、よって、武装は存在しない!!その代わりに素手で最大の能力を発揮するようにカスタムされている!!後、犯罪者は殺すな!無事に逮捕するんだ!!」
 ええい!しょうがない!!
 コクピットは・・・多分胴体!!
 なら、はぁああああ!!
 右拳を握り、胴体に叩きこむ!!
 「ぐぉおお!!」
 「ちょっと!?」
 オペレーターの悲鳴が聞こえる、
 「安心しろ、手加減してる!!」
 「本当ですかぁ!?」
 そのまま四肢の付け根を狙い、パンチ!パンチ!パンチ!
 連撃が鉄の悲鳴を幾重にも響かせ
 「そこだぁあああ!!」
 さらに四肢の付け根をそれぞれ狙った縦チョップ二連からの横チョップで完全に四肢を切り離したのだった・・・
 
 「やっぱりさ、黒一色ってのはなぁ・・・」
 パトカーが到着し、ヘルメットかぶった現場作業員が引きずり出され逮捕される中で、
 遅ればせながら来た他の白黒に両肩に赤サイレンを付けた機体を見ながら
 私はごちる
 ちなみに私はパトカーが来た時点で下に降りている、
 内臓式の長縄梯子で・・・
 おかげで私の機体は私が見上げる中、青空を背景に胴体から梯子を垂れ流している・・・
 「よし、決めた!!」
 「何が決まったんですか?」
 「うおっ!?」
 首のコントロール装置から声が!?
 「何を驚いているんですか?というか、勝手に機体から出ないでください・・・」
 私は驚きながらも声を出す
 「こいつにも通信装置付いてたんかい!?」
 「そうです」
 まぁ、他にも機体の色んなコントロール操作できるからそう言うこともあるのかもしれないが・・・
 「とにかく、今決めた!私の機体右頭部辺りにハートを矢で射貫いたようなペイント付けてくれ!!」
 「はぁ!?なんでそんな・・・」
 「その方がアイドルらしくてかわいいだろう!!」
 「余計にゴツくなる気が」
 「何か言ったか!?」
 「いえ何も・・・」
 「いい話だ、その要望、私が上に伝えておこう」
 スーツのおっさん?!
 コントロール装置からスーツのおっさんの声がいきなり聞こえる!?
 「いいんですか!?」オペレーターの戸惑う声
 「構わん、どうせ何かデザインの差別点が必要だったところだ、イリーガルである黒色にしてみたはいいが、それだけでは不十分だろう」
 「おっし!約束だからな、おっさん!!」
 「期待するなよ?上層部がOK出したらの話だ」
 「わかってらい!!」
 そのまま私は、高笑いを上げたのだった・・・
 
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