ハーフビースト：ハーフヒューマン １６
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１６
ゴリラのおっさんが殴り掛かってくる！！
思わず右に避けると、その拳がきれいな石材の床にぶつかりひびを入れる！？
えげつないな、まともには受けられないか・・・
ゴリラのおっさんはすかさずにその拳を俺に向かって振り回す！？
「よっ！」
それを跳躍して避けるも、右足先が掠る！
チッ！
金属がこすったような音が出て、足に一瞬、ショックのような痛みが走る！！
・・・えげつない・・・
何とか着地、そこから両手で背に掌底を叩き込む！
が、動じない！！
「その程度か・・・？」
今度は右拳の回転を利用しての左の裏拳・・・速い！
思わず左手で受け止める、これなら！
手早く右拳を叩き込んでいく！
「ぐっ！」
背に受けたこれを耐えるか！？
でも！
「人爪交狼爪！！」
俺の爪が振り下ろされ、うなり、ゴリラのおっさんの背を傷つける！！
「ぐうっ！」
さすがにこれは応えたのか、急いで離れ、こちらに振り返る！
冷静さと焦りがない交ぜになった顔！
「貴様、爪の手入れはしていないのか！？」
「爪は本来、切るものではなく研ぐものだ・・・降参するなら今のうちだよ？」
「笑止！！」
今度は右拳を地面にたたきつけ
「剛回転脚！！」
それを軸に横回転して蹴りを入れてくる！！
おし、コンビネーションだ！
「狼叫連爪拳！！ワォオオオオ！！」「つっ！」
叫び声に蹴りの覇気が弱くなり、そこにゴリラの蹴りを滑らせながらも一足に距離を詰めつつその胴に両爪を連続で叩き込み、
それによって傷つき、脆くなった胴の皮膚に、右拳を叩き込む！
「ぐぉおおおお！！」
さすがにこの痛みは耐えられないだろう！
ゴリラは吹き飛ばされ着地する、俺は見据えながら拳を構え、
「さ、まだやるか？」
ゴリラは悔しそうに歯を食いしばり
「いや、力量の差を痛感した、今回は私の負けだ」
なるほど・・・
「今回は・・・ね？」
「また機会があれば次は負けぬ・・・」
負けず嫌いな・・・
その目はまだ戦意に強く光っている、
油断、出来ないな・・・
「で、ボスはどこにいるんだ？」
「簡単だ、このビルの最上階だよ」
「最上階の・・・どこ？」
「行けばわかる」
行けばわかる・・・ね、
「どうしてそうなる？」
「行けばわかる、と言っている」
表情も変わらない、
・・・これ以上は無意味か・・・
「わかった最上階だな？」
「そうだ」
「ありがとう」
俺は警戒しながら振り返り歩き出す、
さて、エレベーターが見つかるかな？
こんな高いビルを階段で登るなんて御免だぞ・・・
ピルルル・・・ピルルル・・・
ん？上着の内ポケットからの音？電話の着信音か？ポケットにある俺のスマホから・・・？
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ハーフビースト：ハーフヒューマン／１６
