バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

暗黒騎士フラウリア(17)/7

暗黒騎士フラウリア(17) 7
 
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第7話 見回り!?潜入調査!!
 
 「ガナッシュ、フラウリア、お前達には今回、市中の見回りに行ってもらう」
 「はっ!」
 「はっ!」
 団長の部屋にて、私は右隣りのガナッシュさんと共に机の向こうの椅子に座る団長に敬礼を行う、
 「パトロールコースパターン5、今月に入って更新したやつを身分を隠して、だ、犯罪など見つけたらすぐに捕まえるように」
 「了解しました!」
 「了解しました!」
 部屋を出て、ガナッシュさんに連れられ木の廊下、石の壁の更衣室と書かれた木のプレートが張り付けられたに向かい中に入る、
 と、ガナッシュさんの優しげな顔が横からこちらを見て
 「変装用のメイクはできる?」
 え?メイク・・・ですか?それも変装用・・・
 「え・・・いいえ・・・」
 「まぁ、そうか、じゃ、教えるからとりあえずそこに立って」
 言いながらガナッシュさんが部屋の中央の床を見る、
 「あ・・・はい!」
 メイク・・・メイクかぁ・・・
 人生上、一度もしたことが無い・・・
 歩きながらそういう風に思考が回る
 平民時は幼かったからしたことが無いし、
 貴族になった後はメイクが必要なその時が来る前に魔術大学に行ってしまった、
 指定された場所に着きガナッシュさんの方を見て立つ
 魔術大学では生来の魔力量を補うために勉強ばっかりだったし・・・
 「さて、出来た、とりあえずやり方教えるから、次からは鏡見て、自分でやるんだよ」
 渡された木枠の手鏡には、全く違う自分、華やかではない自分がいた・・・
 そして、私達は町中に訓練場の裏口から入りしばらく歩く・・・
 訓練場表門前の大きくはないが中央に噴水のある広場・・・そこには薄い色の上着やズボンやスカートなどの服を着た老若男女の人々が過ぎ去り、また、軽い焼き小麦粉菓子を売っている地味目の広場唯一の屋台によっていたり、木材で構成された背もたれ無しのベンチに座って会話していたりする・・・
 そんな中を私とガナッシュさんは人々に紛れるように歩いていく
 「こうして男女で歩いているとデートみたいですね?」
 「気を抜かないように、これは任務だ、武器は・・・」
 「わかっています」
 私達は今、一般用の貫頭衣、スカートやズボンが長く、袖も長袖、それに懐に指を守れるように下刃の長い懐に入れるタイプの斧を持っている、
 鎧は貫頭衣の下に隠れるインナーに張り付く形の薄鎧だ・・・
 「ここから、治安の悪いところに行きますので十分注意を、パトロールルートは頭に入ってますね?」
 注意するようなガナッシュさんの言葉にしっかりと思い出しながら
 「はい、入っています」
 返す、
 確か、裏通りの深いところまで行ってみた後すぐに戻るルートだったはずだ、
 昨日、ちゃんと何度も見直したので問題は無い、はず!
 「そうして、裏側の道に入っていく・・・」
 徐々に道が狭まり家々は砂色や劣化が目立つようになっていき人の服も風化しているのが増え目や肌に吐きの無い人、床に座ってたむろする人々や寝転ぶ人も増えていく・・・
 と、殺気が・・・
 「気を付けてください」
 「わかってます」
 後ろからフードを被った太った男か棍棒を振り下ろしてきた!
 「はっ!」
 咄嗟に振り返りつつ小型の斧を頭の上に横に出し防ぐ
 さらに、深くフードを被って顔の見えない相手に向かって思わず声が出る、
 「何者!?」
 「さすがに簡単にはいかねぇか!!」
 フードを開いている手で上げ取ると、そこにはオークの顔!?
 だが、その目は地走り私に顔を近づけてくる!息から血と肉の匂いがする・・・
 「匂う・・・匂うんだよ!俺のきょーだい達の血の匂いがなぁ・・・」
 あら・・・?
 護ったまま両腕とかを思わず嗅いでしまう・・・
 「ちゃんと洗ったはずなんですけど・・・」
 「魔力の匂いを感知してるのかもしれないぞ?」
 ああ、なるほど、後ろのガナッシュさんの言う通りかもしれない・・・
 私は改めてオークに向き直る
 「あなたは、私が城壁外で倒したオークの仲間・・・?」
 「そういうことだ!あいつらの仇・・・取らせてもらうぜ!!」
 言いながら目を見開か滾らせ血走らせる!
 「それはそれは、就任一日目の新人騎士にやられた彼が情けなさすぎるのでは?」
 ガナッシュさん!挑発しないで!!
 「うるせーーーーー!!」
 ほら怒っちゃった・・・
 大声上げつつ棍棒に力が籠りながら周りを見渡すオーク!?
 「お前ら!こいつらをやっちまえっ!!うまくやれたら給金倍額だっ!!」
 そこかしこから斧や鉈持つ筋肉量のある山賊風の男がたくさん出てくる・・・
 「なるほど、どおりで魔族がこんなところまで入り込めたわけだ・・・」
 仲間がいれば荷物を装って街に入れるとかもできますもんね、ガナッシュさん・・・
 「それじゃ、そっちはオークをよろしく、私は周りをどうにかする」
 「俺達を?この人数を一人でか?」
 「ははは・・・」
 ガナッシュさんが苦笑しながら瞬時に手持ち斧で一人の胸元を斬り裂き打ち倒す
 「な・・・なんだこいつはーーーっ!?」
 山賊のような男たちの注目が一斉にガナッシュさんの方に向く、
 さて、こっちは・・・
 と、オークの方を見る、
 「お前の相手は俺だっ!!」
 振り上げつつの棍棒の一撃を横に避ける!
 ズドン!!
 木の棍棒の一撃なのに石床が割れる!
 破壊力にも限度があるでしょうに、オークも棍棒もどれだけ頑丈なんでしょう・・・
 でも、このままだといけませんね・・・
 「薄闇よ、かのものを曇らせろ・・・リグダークサイト!」
 「それがどうした!」
 思い切り振り下ろされるそれを半歩右に動いただけで避ける!
 ズドン!
 「うまく避けたなぁ!!」
 思い切り横より来る棍棒を思い切り跳躍して避ける!
 「なに!?」
 驚き目を見開きながらたじろぐオーク
 「このこのこの!」
 そこからの縦にいくつも振り下ろされる棍棒を全て半歩歩くだけで避ける!
 「ぜーっぜーっ、どうなってるんだ・・・?」
 オークが息切れして動きを止め
 「くそっ・・・目が・・・」
 右腕で両腕を乱暴にこする
 目の調子が悪そうだ、それもそのはず、
 先程のリグダークサイトは相手の目に認識されづらい程度の薄闇を貼り付け、相手の視力を落とす魔法なのだ、
 よし、一気に・・・
 そこで斬りかかり、首筋を斬り裂く!!
 「ぐおっ!!」
 一気に傷口から赤い血が噴き出す!
 これで・・・
 「それがどうした!!」
 振り回される棍棒を後ろに跳び避ける、
 うう・・・いつものバトルアックスなら今の一撃で終わってたんだけどなぁ・・・
 何か使えるものは・・・あった!
 私はガナッシュさんに向け
 「その斧を!」
 「わかった」
 ガナッシュさんが足元にあった倒した男の使っていた斧を放り投げ、
 地に刺さったそれを私は手に取る、
 ・・・さっきの傷で行けそうだ・・・
 「どこを見ている!!」
 オークが思い切り振り下ろされる右手の棍棒を軽々左に避け、一気にオークの首筋に向かって飛び、さっきの傷を切れ込みとして斧を首に突き刺す!
 「グワァアアア!!」
 オークが叫びながら急いで斧に手を伸ばそうとするのを通りすがりに手持ちの斧で脇腹を斬り裂く!!
 「がっ!?このお!!」
 こちらにがむしゃらに振り回される棍棒を後ろに跳躍避けしつつ、
 その反動で首に刺さった斧に飛び蹴り!
 斧をさらに深く突き刺し、
 ズドン
 大きな音立てオークの巨体は倒れたのだった・・・
 「こっちも終わったぞ」
 ガナッシュさんの声にそちらに目を向けると・・・
 ・・・辺りは死屍累々・・・
 「じゃ、オークの処理もしておこうか」
 そう言ってガナッシュさんはオークの胸に耳を当てた後、手持ちの斧を深々と突き刺す、
 ・・・えげつないな・・・
 でも魔族ってしぶといし・・・
 「動くなー!全員神妙にしろー!!」
 ようやく兵士達が来たか・・・
 忙しくなる中で、私は妙なことが気になった、
 私がオークの首に突き刺した斧のそばに転がっている石・・・
 一部がオークの血に染まっているが、どこかで見たことがある気がするのだ、何の変哲もない石のはずなのに・・・気のせいだろうか・・・?
 
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