バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

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疾走、荒野の向こう/5 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう5
 
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 「1メガとは百万という意味だ、つまり、1メガメタとは百万メタという意味だ」
 「あ、なるほど、それだけあれば、あの商店の値段と僕の世界の値段を基準にしてだけど、必要な物が揃えられるか・・・」
 「私としてはあのお方という誰かの方が気になったが、それは・・・」
 「確かに、通貨を統一したりレースの目玉に観戦するというだけで書かれたり、同一人物なのかな・・・」
 いや、違う、カーディンが続けようとしていることは別の事だ、何なのかはなんとなくわかるけど・・・
 「それよりも・・・身を隠せって言いたいんでしょう、カーディンは」
 「その通りだ」
 やっぱり・・・
 「あの町は異常だ、人が全くいなかった、あのスタンドの落書きも怪しい、あのお方というのも、もしかしたら、人ではないのかもしれない、安全のため、極力存在は知られない方がいい、今は窓が全面外からは黒く中が見えないようになっているが、窓を開ける時になればさすがにそれも難しい、出来れば、窓を開ける時は姿勢を低くしてほしい」
 「わかったよ、カーディン」
 「すまないな、双歩、まさか、こちら側がこんなことになっているとは、いくらなんでも私にインプットされたデータと違いすぎる・・・」
 そうなのか、僕はそのデータを直に見たわけじゃないからわかんないけど、緑豊かな大地が荒野になってたりするもんな、さっきは違う地域だと言ったけど・・・
 「とにかく、警戒するに越したことはない、お、どうやら見えてきたようだ」
 カーディンにつられ、前の方を見ると、荒野の中、確かに左手側に大きな歪曲した建物が見えてきた、
 鉄パイプで縦横と右上から左下斜めのます状に全体的に左右に歪曲するよう無尽に組まれ作られた壁の向こうにさらに鉄の壁が見え、
 その壁には上奥の方にこちらにちょいと出っ張った光よけの屋根があり、手前にはコンクリートに白線が敷かれた駐車場が広がっていて、左手の方にデカいトラックが並んでいる、
 かなり大きいうえに真四角な荷台、それに青と白で描かれた波にそこに浮かぶ大帆船や赤い血しぶきがこびりついた古城や黄色い砂漠と夜の黒、緑のフォグのかかった研究所内で緑の宝石が同じ色の液体に浮かびながら大仰しくトゲトゲに描かれた物等、様々な色と柄が描かれている所から、恐らくは、レーシングカーを運ぶトレーラー的なものではないだろうか、
 そして、建物には、下の方に二つの出入り口が見える、
 一つは左手の方の道路を外れた場所あるガラスの出入り口、こちらは観客席用の出入り口だろうか、向こう側に広いロビーとさらに左半身側に微妙に受付的なものが見える、
 さらにもう一つ、正面側の方に目をやる、
 それは、道路が直に通じており、四角いトンネルを通じて壁の向こうに繋がり、青空すら見えていて
 運転席側に白い布のかかった台があり、その台の奥に一体の女性型ロボットが立っていた、
 人型で白い陶器の様な肌、目は桃色の宝石が埋め込まれたようになっており、体には胸部にテカりつく桃色のチューブトップを、腰回りに同じ色と質感のミニタイトスカートを履いており、背後にはチェス盤柄の白黒のレース旗、チェッカーフラッグが見えている、
 さしずめ、レースクイーンといった風貌と雰囲気だ、役割は完全に受付嬢だが・・・
 その受付に向かい、カーディンが向かって行き、受付の前に止まり
 「すいません、レースに参加したいんですが?」
 「はい、当日参加ですね?承っております、デッキケースシステムは搭載ですか?」
 デッキケースシステム?「デッキケースシステム・・・?」
 僕の疑問とカーディンの声が同時に発せられ
 「はい、今回の大会は、デッキケースシステムを搭載した車のみとなってるんですよ」
 そんなことロボおばの持って来た紙に書いてなかったが、裏側に書いてあったのだろうか、はたまた記述し忘れか?
 「でも、私が見たレース告知の紙にはそんな物・・・」
 「はい、ですが、バトルブーストルールとは記載されていたはずですが・・・」
 ああ、なるほど、そういう事か、つまり、バトルブーストルールっていうのはデッキケースシステムを使うルールの事なんだな・・・
 「どうすんの、カーディン」「ううむ、多分大丈夫だと思うんだが・・・」
 受付のロボの話を聞き、小声で相談し始める僕達、
 デッキケースシステムねぇ、もしかして、エルドガンがカーディンに組み込んだシステムの事だろうか・・・
 「ちょっと、受付の人に聞いてみてさ、とりあえず、デッキケース持ってますからって」
 「わかった、すいません」
 「はい、どうしましたか?」
 「デッキケースは持ってますし、それに関連したシステムも搭載されてるんですが・・・」
 「はい、ああ、それなら大丈夫だと思いますよ、デッキケースの中にデッキは入ってるんですよね?」
 「ええ、確か」
 「はい、それでは、エントリーネームを教えてください」
 エントリーネーム?そういえば、僕は何も考えてないな、本名出すわけにはいけないし、ここはカーディンに任せて
 「じゃあ、ブルー鷹・ネイビーで」
 ブルー鷹・ネイビー・・・?どこかで聞いたような聞いたことないような・・・
 「はい、ブルー鷹・ネイビーですね、受けたまわりました、尚、当日受付ですので最後尾から、レースの練習走行は出来ません、あらかじめご了承ください」
 「わかりました」
 「はい、それでは奥へどうぞ~」受付ロボが右手で上に乗せた盆を投げるようにさらりと奥へ行くよう促す
 「それでは、行ってきます」
 「はい、どうぞ~」
 カーディンがゆっくりと奥に向かって走り出して行き、入口の中に入る、入口の中は、左右と天井が白いコンクリートで固められた単なる通路といった風貌だ
 「双歩」
 「わかってる、デッキの調整、して置くね」
 「頼んだ」
 デッキケースを使うルール、受付のロボにデッキの所持を求められる、
 ここまで来てカードバトルが関わらない方がおかしい、デッキの調整は必須だろう、
 足元の鋼色赤縁でHAGANEと中央に赤緑で書かれたショルダーバックを両手で膝上に引き寄せ、右手でデッキケースをジャケット左内ポケットから取り出して、左手親指をデッキケース左手側前に入れてデッキケースの前掛け型のふたを開け、
 左手でデッキを出して膝の上に置いた後、その左の手でショルダーバックのチャックを開け、
 ショルダーバックの中のカードと合わせてデッキを調整し始める、
 と、走行しているうちに入口を抜け、レース場の中に入る
 
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