バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

疾走、荒野の向こう/4 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう4
 
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 「建物が・・・たくさんあるっ!?」
 そう、道路の運転席側向こうに四角い一つの建物が出て来たかと思えば、その奥、道路の左右に、様々な形をした家々が立ち並び始めたのだ、いつの間にか道路もアスファルトのような舗装道路になってるし・・・
 トタン屋根で石造りの家もあれば、白い漆喰の灰色平屋根の二階建ての家なんかもあるが、
 その大半を構成しているのは何かの物を売る商店である、
 まるで八百屋か魚屋の様に大きく開けた家の一階部分の軒に、色々な物を並べて売っていて、
 そこにはナットやボルトを始めとした金属部品、ドライバーから半田ごてまでの各種工具、ガラスの出入り口店内本棚に並べられた本、剣や銃器などの武器(危ないな!)、更には掘り出したばかりであろう金属の鉱石や加工したばかりの各種鋳塊インゴット等が並べられていたりもする、
 さしずめ大通りに面した商店街といったところか、
 おそらく、スタンドで見た地図はあれらの中の一軒を指し示しており、欠けた部分にその店の説明があったのだろうが、
 あいにくと、その説明はとうに無く、あの地図がどの店を指示しているのかはすでにわからなくなっている
 だが、問題はそんなところには無い、本当の問題点は、そこの店員と買い物客たちのほうだ、
 人間が一人もいないのだ、
 いや、正確には、ロボット達しかいないと言った方が正しいだろう、
 店にいるのは鋼の顔にカメラの両眼を持ち、体は機械仕掛けで、その上にシャツにズボンやスカートに腰巻やエプロンを着たロボット達、
 色は、胴や手足や顔の外装が鋼そのままだったり白だったり黒だったり赤だったり青だったり緑だったり、
 関節がチュ-ブで覆われていたりむき出しだったり一部破損しているように見えたり、
 街の人達も足が四本だったりスーツ着てたり西部劇風だったり太ったみたいだったり痩せ風だったり軍人みたいだったり、
 大きさ体型カラーなどもバラバラ、多種多様のロボットがそこそこにひしめき合っているのだ、
 共通項はこの荒野と太陽の環境からか色々色あせていることか、
 と思ったら、色鮮やかな原色な奴もいるな、赤い外装に青い関節を持ち外皮の頭が後ろに尖り伸びたアメフト風ロボットだ
 それ以外も色々・・・
 カードの小動物たちは機械に見えなかったのだが・・・
 「ん?あれは・・・」
 カーディンがいきなり左手側の一店舗に寄って行き、店の前で停車する、
 その店は、木材っぽい石材で構成された古い八百屋のような店構えをした土産物屋だ、
 確かに、上の、青枠白看板には筆と墨で鉱椀食料品店とでかでかと書いた様になっている、
 しかし、店内でそこかしこに並ぶのは、野菜やシンプルな料理の形をした肌色の石製の民芸品、
 左手側にはナスっぽい形をしたゴツゴツのものやキャベツのようなコブコブの物、
 右手側にはバナナをカクカクさせたような物や石と桃の中間物等が並び、
 中央の大きな棚には左に頭に大きな丸突起の付いた魚の開きのような違うような物や右側には鶏肉のもも肉の焼き物を模して掘られた石の塊等があり、
 鉱椀食料品店というのもこういった土産物を扱うといった意味合いでの店名だろう、
 そういえば・・・
 チラリと右手後ろの方を見ると白い四角い建物の中、木のような石で壁床天井が囲まれた部屋で、見知らぬ丸鋼顔の髭付きスーツ着のロボットが白いテーブルクロスの付いたテーブルのそばでおそらく椅子に座り口元にここの工芸品とは少し違う頭付き魚の切り身料理を左手のフォークに刺し口に運び入れていた、何してるんだ、一体?
 「すみません、誰か!」
 「はいよ!」
 左手の方から一体のロボットが駆けてくる、
 人型、鋼の外装、間接は輪切り鉄パイプに覆われ、顔は卵型でそのカメラツインアイは黒に輝いており、
 口は上下に顔の一部を切り取った板が開閉するタイプであり奥の方にスピーカーが覗いていて、
 黒いエプロンをつけ、下に白シャツとブラウンの丸太スカートをはいている
 「はいはい、何をお探しで・・・」
 「この中央の、あ!」
 なんだ、一体何に気付いた?
 改めて店の方を見ると、店の中央の大きな台中ほどに、包み紙の丸い小さめの何かが並べられていて、その右手横に、木のような石の立札があり、そこに何かが書いてある、
 あれは、100m?
 いや、それよりも、なんか、あの包み紙の中から、横一線の黒青の何かが、紙の向こう側から不気味に輝きを放っていることの方が気になる、一体何が入っているんだ・・・?
 「すみません、このお金の単位は、えっと・・・」
 どうやら、カーディンにとっては包み紙の中身より、立て石に書いてあることの方が気になるようだ
 「ああ、これは100メタだよ、それがどうかしたかい?もしかして、全世界共通単貨を知らないとか・・・」
 え、全世界共通単貨?メタ?通貨の単位としては聞いたことないけど・・・
 「いやぁ~お恥ずかしい話で、初めて聞きましたよそんな単位は」
 ちょっと!?
 「私の田舎では別の単位がまかり通ってまして、全世界共通単貨があったとは、いやはや、私達のお金ではどうにもならないようで、両替所はどこですかね?」
 「あのお方が無理矢理統一されたのに知らないってのかい?」
 店のおばちゃんロボットがカーディンをじーっとにらみ倒す
 「ええ、どうやら、その統一もうちの辺境にまでは伝わってなかった様子で、古い貨幣をずっと使ってましたよ、あ!もしかして、故郷から出ようとしない私を皆が担いでいたのかもしれませんねぇ」
 「は~あんたも大変なんだねぇ・・・で、そんなあんたがどうして故郷を出てこんなところに・・・あ!そうか、レースに出るんだね!」
 は、レース?
 と、いきなり店のおばちゃんロボットが店の右手奥の方に行き、右手側奥の方で何かをカベから引っぺがして持ってきて、カーディンに向かって見せた、
 そこには、白いボロボロの紙に、
 レース開催、優勝者には賞金1Mm授与、あのお方も観戦なさる!?ルールはバトルブーストルール!参加費無料!スタート前なら乱入自由!
 そうデカデカと書かれていた
 「ほぅ、これは興味深い!どこで開催されるのですか!?」
 「あら、これが目的じゃないのかい?」おばちゃんロボットが戸惑いながら自身の両手に持った紙を自身に向けたりカーディンに向けたりする
 「いえ、私は人探しをしているんです、でも、旅の資金は多くあったほうがいいのでね、ぜひ、参加させてほしいと」
 「ああ、それなら急いだほうがいいねぇ、開催時刻、もうすぐだから、ほら、」おばちゃんロボットが左手と左人差し指を道路の先のに向けて顔もついでにそちらに向け「この先に行ったらでっかい観戦席のあるレース場が見えてくるから、そこで開催されるよ、今ここがロボ多いのはさ、このレースのおかげでね、おばちゃんも景気よくってさぁ」
 「ありがとうございますおばちゃん、早速レースに参加しに行ってきます、優勝した暁には、賞金でここの商品を一つ買いましょう」
 「あら、1メガメタもあったらここの商品買占めちゃえるわよう」
 「いえいえ、無駄遣いも安請け合いもする気は無いのでね、では、ごきげんよう、マダム、優勝したら会いましょう」
 カーディンがいきなり先に向かって走り出す!
 ・・・
 「カーディン、今の会話は・・・?1メガメタって、何?」
 
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