バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

メインサーバのありし場所/15 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所15
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「な、何だこれ!?」
 せり上がってきたのは薄緑板のガラス板!?
 よく見ると、それがジョーカーと僕を寸断しつつ周りを角の丸い四角状に覆っている!?
 でもっ!
 後ろに振り返りつつ叫ぶっ!!
 「カーディン!」
 「任せろ!プログレスチェンジ!!」
 カーディンの前部が開いて肩となりつつその間から先の切れた三角頭と鋼の顔が出てその額に付けたパトライトと羽のエンブレムがきらりと光り、
 後部の方が曲げていた足を延ばすように外装ごと伸びて勢い良く地に付け少しだけ宙に跳びつつ腰部が180度回転、
 そのまま両肩の部分から両腕がわきを締めるように出現して下に行きタイヤの部分を外側に出すように両腕を180度回転、
 さらに、胸の部分となったパトライトの下二つの部分が根元の部分から内側に回って収納され、パトライトが緩いV字となりつつパーポーパーポーと音を出しながら赤く光る!!
 そして、そこからカーディンは着地しつつ走り込み、ガラスの向こう側から思い切り右の拳を振り上げ、叩き込む!!
 ゴィン!!
 しかし、大きな音を立てて鉄の拳を叩き込まれたガラス板だが、ビクともしなかった、割れたりひびが入ったりするどころか傷すらついていない!
 「このぉ!!」
 続けざまに左拳を振り上げて叩き付け、同様にもう一度右拳も振り上げ叩き付けるが、ガラス板はびくともしない!
 「ムハハハ!無理ですよ、あなた程度のパワーでは、まぁ、ビクトリーカーディン程度のパワーがあれば話は別ですけどね」
 う・・・カードバトルか・・・
 「それなら話は別だ!双歩、今すぐカードバトルを続けよう!!」
 「そ・・・そう・・・」
 しかし、僕の目にはそれが無理だという状況が映っていた
 一つは左手にあるはずの手札、吹っ飛ばされた際に向こうに落としてしまったのである、
 現に、カーディンの向こう側に落ちている、
 そしてもう一つ、なんと、緑色のカードを乗せた板がガラスの向こう側にあるのだ!
 恐らく、カードバトルをさせないために緑の板が僕に近づき切る前にあのガラス板の壁を出したのだろう、
 くそ、
 これじゃあ、どうあってもカードバトルを進めることなんてできない、
 そうだ!カーディンにもう直にジョーカーを攻撃してもらえば・・・
 等と思ってジョーカーの方を向くも、途中で周りを囲むガラス板と接続する形で左右に一直線に同じガラス板が伸びているのが見えた、
 つまり、直接カーディンがジョーカーの方に向かう事は出来ないのである、ええい、こうなれば!!
 「カーディン!後ろのドアから出てジョーカーの方に」
 「無理ですよ、まわりをよくごらんなさいな・・・」
 へ・・・まわり・・・?
 ずぃぃい~と周りを見渡してみる、が、何も変わったところは・・・
 「な、なに!?いつの間にか周りが同じ透明素材で囲まれている!?」
 え?同じ透明素材って、まさか・・・
 「その通り!双歩くんを閉じ込めてる素材と同じものでこの部屋の内側を覆ってみましたっ!」
 ええっ!?ガラス板の囲いの中にいるからよくわからないかったけど、なるほど、これは・・・
 「さぁ、どうしますか・・・?」
 えええい、こうなったら・・・
 「カーディン!カードを!!」
 「だが・・・」カーディンが僕を見て戸惑いの装丁を見せるけど、
 「いいからやって!他に手、無いんでしょ!?」
 「ううう・・・仕方がない!!」
 カーディンが後ろに向かって走り、腰をかがめて右手で落ちてたカードを一気に拾い、左手に移し、手札とした!
 そこでジョーカーの方に振り返り、と、ジョーカーが自身の緑の板右手側のチャージゾーンにその右の手を向けて
 「それでは先にやらせていただきます、リチャージ!」
 「リ、リチャージ!」
 ジョーカーの宣言に、カーディンが慌てて返した!
 「それでは続けて、ドロー」
 ジョーカーが右手で山札の一番上のカードを引く、
 それを追うようにカーディンも右の手で自身の山札の一番上のカードを引き
 「ド、ドロー!」
 ここまでは順調だが、ここからだ、さて、カーディンはどんなカードを出す?
 カーディンがカード見て悩んでるなぁ・・・
 「う・・・ううむ・・・」
 それに比べて、ジョーカーの方はちゃちゃっと左手の手札から一枚引いてチャージゾーンに裏側で置いて、
 さらに、続けてもう一枚も同じように引いて1番に裏側で置き
 「セットですよ、ささ、ごゆっくりお考えください、」とここで顔を右手上側に上げ「ムハハハ・・・」
 余裕の笑い声、ううむ、カーディンはどうする気だろうか・・
 今だにカード見て迷ってるけど・・・
 「よし!」
 突如、カーディンが声を上げたかと思うと、右手で左の手の手の札からカードを一枚引いて1番に裏側で置いた後、
 続けて、さらに右の手で左手の手札から一枚カードを引いてチャージゾーンに裏側で置き
 「セットだ!」
 宣言した
 よし、これでようやく状況が進む!
 「と、残念ですがこれを見てください」
 なんだ?ジョーカーが左手の手札から右手で一枚カードを引いてこっちの方に見せて来た、
 心なしか左手を口元に当てて笑ってる気が・・・?
 げっ!?なんだあのカード、ジョーカートリック・黒獣・黒機・速攻準備開始?
 自分の方のジェイルを好きな場所に置きつつ相手のコスト召喚やカードの発動を阻害するカード?!
 案の定、互いのチャージゾーンのカードが表になるっ、
 「なにっ!?」
 カーディンがカードの効果を理解したか驚きの声を上げた、
 一方のジョーカーの方は・・・
 「私は、チャージゾーンのこのカードを1番に置かせてもらいましょう、いつの間にかあれっ!?そこにマジック!を1番に設置」
 ジョーカーが表になったいつの間にかあれっ!?そこにマジック!のカードを自身の緑の半透明の板、中央自身から少し離れた場所の1番内左手側の場所に置き、再度カーディンの方を向く
 「ではでは、そちらのカードは?」
 カーディンの方はバトルマシンズ カーディン ロボモードということは・・・
 「ではでは、互いにジョーカートリック・黒獣・黒機・速攻準備開始の処理も終わったことですし、1番に置いたカードを表にしましょうか、それでは・・・」
 ジョーカーが1番に裏側で置いたカードを右手に持った!同時に、カーディンの方も1番に裏側で置いたカードを右手に持つ!
 「オープン!!」
 「オープン!!」
 「ジョーカー獣士 マーゲイ・アートルムディザルグ!!」
 「ぐっ、バトルマシンズ カーディン カーモード!!」
 カーディンの方はやはりバトルマシンズ カーディン カーモードかっ!?コスト召喚でバトルマシンズ カーディン ロボモードを召喚するつもりだったなっ!!
 と、向こうの方から少し小さめの豹のような動物が駆けてきた、
 その顔は黒毛混じりの豹柄の顔で茶色い目をしており、顔以外の全身に砂漠茶色のタイツスーツを身に纏い、
 その左目にサングラスモノクルを付けている、
 って、その小型の豹、マーゲイ・アートルムディザルグ、マーゲイが毛や尻尾を逆立て、明らかにこっちに向かってこようとしている、
 逃げ道は・・・無い!
 「双歩!」
 カーディンが少し上に跳びつつ胸のパトライト二つを内から下に出しつつ両腕を180度回転させ両肩と共に上に上げて両肩で頭を隠しながら両腕を両肩に収納してパトカーの前部と成し
 腰部を180度回転し両足を思い切り曲げてパトカーの後部にする!
 そして、タイヤを下にしつつ着地し
 「うぉおおおお!!」
 こちらに向かって爆走し
 ゴィン!!
 ものの見事にガラス板に阻まれ、弾かれた!
 「だからぁ、無理だって言ってるじゃないですか」
 ジョーカーの呆れた声と共に、小声での笑い声も聞こえた気がした、くそっ!どうにもならないのか・・・
 「さて、そろそろ行かせてもらいましょうかね、行ってください、マーゲイ」
 マーゲイがこっちに向かって駆けてくる!
 「うわぁあああ!!」
 思わず両腕で顔を守り、守り・・・何だこれ、右腕にパトカーが張り付いてる・・・
 右手から右ひじの部分までを覆う様に小型の、盾みたいに指は出てるけど
 これ、上のパトライトの部分がX字になってるなぁ・・・まるでカーディンみたいだ・・・
 って、マーゲイがこっちに向かって跳びかかってきた!思わず右腕のパトカーで防御!
 ガキッ!
 ・・・あれ?
 マーゲイがパトカーにしがみついてら!
 そして、歯と牙を立て、ガジガジと噛んだりしている、
 ほっ・・・どうやら大けがは免れたようだ、でも、このままじゃいけないか・・・
 「ふんっ!」
 思い切りパトカーを振り回し、マーゲイを放り投げる!
 が、マーゲイはもの見事に着地し、再びこちらに向かってきた、
 心苦しいが致し方あるまい、
 右拳を高く振り上げ・・・振り下ろす!
 しかし、マーゲイは思い切り上に跳んで避けた、
 まだまだ!こちらも右腕を勢い良く振り上げる!
 ドガッ!
 ものの見事にマーゲイの腹にヒットした!あまりいい感触ではないが・・・
 そのまま上に飛んで止まるマーゲイに向かい、右拳を強く握り、追撃の振り上げアッパー!
 マーゲイの鼻先にパトカーがヒットし、パトカーが壊れつつマーゲイが吹っ飛ぶ!!
 「で?これで終わりだと思ってませんよね?」
 ジョーカーが言葉を発した瞬間、僕の右の足元にマーゲイがいた、
 っつ、なんで!?あ、いつの間にかあれっ!?そこにマジック!のカードの効果か!!
 おそらく、パワー800のバトルマシンズ カーディン カーモードのパワーをいつの間にかあれっ!?そこにマジック!のパワーで500まで下げ、
 同時に、パワー300のジョーカー獣士 マーゲイ・アートルムディザルグのパワーをマーゲイ自身の効果で500まで上げ、
 互いに相打ちに持ち込みつついつの間にかあれっ!?そこにマジック!の効果でいつの間にかあれっ!?そこにマジック!をトラッシュに送りながら
 カーディン カーモードをチャージゾーンに、そして、マーゲイを2番に移し、
 そこからさらにジョーカートリック・黒獣・黒機・速攻準備開始の効果で山札からカードを一枚手札に補てんしたのだろう、
 って、そんなこと考えてる場合じゃない!
 マーゲイが至近距離から跳びかかってくる
 「双歩!?」
 マーゲイの爪が僕の右足を捉え、右足から血が噴き出す!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

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メインサーバのありし場所/14 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所14
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「私達の方も始めましょうかね?」
 ジョーカーがこちらの方を向く、そうだね、それじゃあ、やりますか!!
 デッキケースをジョーカーの方に向ける!
 「ムハハハ!待ってましたよ、この瞬間を!!」
 と、ジョーカーが・・・いつの間にか右手に持った黒い長方体の物体をこちらに向けてきた!
 その物体にはなぜか中ピンク外黒の猫耳と黒い猫の尻尾が生えており、中央少し上に黄色い猫の目が、少し下に猫っ口が描かれており、
 さながら四角い猫の顔のようになっている、
 あれは、まさか、デッキケース!?
 と、ジョーカーの前に緑色の角の丸い半透明の板と緑の画面が出現した!?
 「それでは・・・」
 そして、ジョーカーが緑の半透明の板の左手側にデッキケースを置くと、デッキケースからデッキが外れつつデッキケースが上下反転しながらさらに外側に移動し、デッキがシャッフルされて山札になり、デッキケースがあった場所に置かれる
 「ムハハハ!さぁ、そちらもどうぞ・・・」
 と、ジョーカーが笑っている間にも、いつの間にか僕の前に角の丸い緑の半透明の板が出現!そして、向こう側に同じ緑の半透明の板が映る緑の画面が出てきた!
 いや、それよりも・・・
 「ジョーカー!?どうしてそれを、どういうつもりだ!?」
 ただのカードバトル?いや、それだけであんなハッタリかましてくるとは思えない、
 まさか、カードバトルでデッキケースの誤作動誘って僕達の戦法を封じてくる?
 可能性はあるけど、今はそんなことないように祈って
 「おやおや、いいんですか、進めなくて?これの力はあなた方が一番よく知っていると思うんですがねぇ・・・」
 「ぐっ、ええい!!」
 とりあえず、緑の板左側にデッキケースを置くと、デッキケースからデッキが取り出されつつシャッフルされ、デッキケースがさらに外側に上下反転しつつ置かれると、同時にデッキケースが元あった場所にデッキがシャッフルされ山札となり、置かれ、
 緑の画面にライフカードを5枚置けという指示が出る!
 なるほど、今回は通常ルールか・・・
 そのまま山札から、右手でカードを一枚引いて緑の板手前に置き、
 これを計五回繰り返し横に五枚のカードを並べて山札とし、
 続けて、同じように山札から右の手でカードを引きつつチラリと見ながら左手に移して手札にして、
 これも計五回繰り返して五枚のカードを手札に
 「はいドーン☆」
 チュドン!!
 足元が爆発したっ!?
 「うどわっ!?」
 「双歩!?」
 吹っ飛ばされた先はジョーカーの方向!?
 床に叩きつけられそうになり額から冷や汗が出る中、慌てて両足を下に出しつつ着地!
 「ふぅ・・・」
 何とか着地に成功し、右腕で額をぬぐう、
 「ムハハハ、どうですか、人を模したロボット達が来るというので、わざわざ急いで敷き詰めたのですよ、さらに・・・」
 シュィイン!
 ん・・・?なんだ?
 前と左右の方から何かがせり上がってくる!?
 
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f:id:OirenW:20170721181016j:plain
 
カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所13
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「ああ、もう、しょうがないな、カーディン!」
 「わかっている!」
 カーディンがジョーカーとジャルーソの方に走り込んで行く
 「ムハハハ・・・これで終わりですねぇ、じゃあ、パンサーにでも砕いてもらいましょうか?おや?」
 ジョーカーがこちら側を向く中で、僕は右手で右腰の方の金具のボタンを押してシートベルトを外しつつ左手でドアを開けて外に出、そのまま右の手でジャケットの左内ポケットのデッキケースを取り出し
 「おおっと!」
 ジョーカーが一気に後ろに飛ぶ!
 でも、逃がさない!そのままデッキケースをジョーカーに向けつつ走り込もうとし、
 そこでジャルーソが前の方に両足を落とした
 「う・・・」
 「ジャルーソ!大丈夫か!?」
 「ううむ・・・」
 カーディンが思わずかけた言葉に、ジャルーソが両手を地面に付けて頭を上げて
 「お前達に心配されるいわれは、ない」
 答える
 そして、立ち上がり、ジョーカーの方に両手の銃をゆっくりと向け
 「さっきは油断したが、今度こそお前を撃ち取って見せる」
 「ムハハハ、無理だと思いますよ」
 「ちょっと待った!!」
 思わず、二体が向かい合うのを思わず止める
 ええい!めんどくさいことになってるけどこの際しゃーない!
 「ジャルーソ、ここは僕達に任せて!とっとと別の場所から目的地に向かって、もしくは部屋の外で見てて」
 「なんだとっ!?」
 ジャルーソがこちらを向き、目を見開き驚いている、気がする、それよりも、
 「僕達がジョーカーに勝ったって話、したでしょ?」
 「あんなもの、信じていると思っているのか?どうせお前たちのホラか、事実であったとしても、話になかった外的要因でたまたま勝ったに決まっている」
 あ、別に信じてるわけじゃなかったんだ、まぁ、確かに無作為に勝てた側面はあるけどね、ていうか・・・
 「それじゃあ、僕達を無視したのも話を信用してなかったから?」
 「無論だ」
 「ジョーカーもそうだよね?僕達を無視してた」
 「無論です」
 ジョーカーがふざけて右手を外側に伸ばした後胴の下に持ってきつつお辞儀する
 「足手まといにしゃしゃり出てきてもらっては困るからな」
 「私としても仮にも一度負けた相手、出てきてもらっては困りますからねぇ」
 「なるほど、つまり、僕達が出てこなかったら二体とも勝つ自信があったと」
 「当然だ」
 「当然です」
 二体がさも当然であるがごとくに答える
 「ま・・・もっとも、見た通り、しゃしゃり出て来られたら困るのは私の方でしたが・・・にしても、」
 ジョーカーが改めてジャルーソの方を見据えて行く
 「にしても、驚きましたよ、まさかあなたが装甲持ちだったとは・・・私の調査ではそんなデータは出てこなかったのに・・・」
 「装甲ではない」
 「なんですって?」
 ジョーカーが首をかしげるように顔を右手の方にかたむけた
 「しかし、装甲を貫けるのは装甲のみですよ、何事にも例外はありますが、ね、デッキケースとか、あ・・・でも、そちらもデータになかったはず・・・」
 ジョーカーがチラリと僕の方に向く、だが、僕は何もしていない
 「装甲やデッキケースではないと言っている」ジャルーソがさらにジョーカーにその両手の銃の狙いを定める
 「装甲を撃ち抜くための特殊装備だ、劣化装甲とでもいうべきもの、だ、詳しいことは知らないが、装甲のような防御能力やデッキケースのようなカードバトル能力は持っていない」
 なるほど、ということは、恐らく、装甲にあるステルスモードやデッキケースのカード精製なども使えないのだろう
 「なるほど、それはそれは」
 ジョーカーが納得したように首を縦に振る
 「ですが、私に構っている暇はあるんですか?ねぇ、レオンとレオリングに仲間を全滅させられたジャルーソさん」
 一瞬、ジャルーソの右眉がピクンと跳ね上がる
 「え?どういうこと?」
 「黙れ・・・」ジャルーソが両足を前後に出し、構える!
 「黙れ・・・!!」
 ジャルーソが銃の引き金を引き、銃を乱射!
 「ムハハハハハハ!!」
 これをジョーカーは上の方に飛んで回避していく!
 「逃すか!」
 ジャルーソが銃をジョーカーに向けて行くも、純粋にジョーカーの方が速い!
 そのままジョーカーはジャルーソの真上に扇状の軌道を描いて飛び
 「しまった!」
 ジャルーソが銃を向けづらくなっていくその隙に、ジャルーソの真上から一気にジャルーソの後ろまで回り込んで、頭を下に向けたままヘッドバット!ジャルーソを前方に吹っ飛ばす!!
 「うぉおお!!」
 ジャルーソが倒れ地にひれ伏した
 「ムハハハハハ!あなたでは勝てませんよ」
 ジョーカーが右目の方をにゅいっとジャルーソの方に向かって突きつける
 「限界のある人の器に、規則正しくしか生きられないロボットの心、いずれしか持たないあなたにはね!」
 「ぐっ・・・くそう・・・」
 ジャルーソが両手を付けてゆっくりと立ち上がろうとし
 「ああ、そういえば、あなた方も気になっているでしょうから少しお話してあげましょう」
 「やめろ!」
 ジャルーソが素早く立ち上がり、ジョーカーの方に自動小銃を向け
 「おや?その銃の弾丸が彼らに当たったらどうする気で?」
 「くっ・・・」
 そのまま固まってしまった、ううむ、ジョーカーの背後にいる僕達のせいで銃が撃てない状況となると悪い気が・・・
 「ではでは、お話しましょう、と言っても長い話じゃありません、」
 ジョーカーが楽しそうに僕達の方にくるりと向き、まるで語り部のように右手を後ろに移動させて左手をかざし
 「このジャルーソさんはですね、ある時、人間同士の戦争に駆り出されたんですよ、人間の兵士の中の一人としてね、その軍は計三万、目的は敵国の制圧でした、しかし・・・」
 ジョーカーが右手で口を抑え、クスクスと笑うようなジェスチャーを取る
 「そこにレオンさんとレオリングがやってきた、銃や重火器を乱射するも瞬く間にジャルーソさんの軍は蹴散らされ、結果・・・」
 ジョーカーは両手をパッと大きく広げる
 「ジャルーソさんの国は彼らに滅ぼされ、壊された彼はレオンさん達のいた国に回収されたわけです、もっとも・・・」
 今度はまたもくるっと回り、今度はジャルーソの方を向く
 「紆余曲折あってここに来たんですね不思議ですねぇ」
 「あのじいさんのおかげだ」
 ジャルーソは油断なく銃を構えている
 「あれのおかげでくすぶっていた俺の目が覚めた、そして、戦う使命もにもな」
 ジャルーソが下から見るようにジョーカーをにらんだ、気がした
 「俺の使命は人のために戦うということ、そして、その大きな障害となるあの二体を倒す、それだけだ、だが、なぜ貴様が俺の過去を知っている?」
 ジャルーソが銃口ジョーカーに向けたまま問う
 「いえいえ、敵側のリーダーの事を調査するのは当たり前でしょう、もっとも、その装甲破りはさすがに知りませんでしたけどね」
 「これも仲間のおかげだ、どこかから持って来た牛の胴体の装甲を分析してな・・・」
 その牛、僕が倒したものだと思うんだけど・・・
 「だから、俺がここで倒れるわけにはいかんのだ」
 ええい・・・それなら・・・
 「ジャルーソ!ここは僕達に任せて先に行って!」
 「何!?」ジャルーソの目線が僕達の方を向く
 「ここ以外にも上か下の階に行く道、あるんでしょう?だったらそっちの方に行って、ジョーカーは僕達に任せて!」
 「だ・・・だが・・・」ああん、もう!!
 「僕達ならジョーカーに勝ったことあるって言ったでしょ!それとも・・・」
 右口角を上げ、出来る限りふてぶてしく、笑う!
 「足手まといになるか、僕達がこいつを倒すまで影でこそこそ隠れてるかい、お坊ちゃん」
 「くっ・・・くはははははは!!」
 な・・・ジャルーソがいきなり顔を上げて笑い出した!?
 「いいだろう!!」
 次いで、ジャルーソは僕の方に右の口角をニヤリと上げた笑い顔を返す
 「ただし、死んだら許さんからな、そこだけはわかってろよガキ!!」
 そして、左手の方の扉に走り込んでいく!
 「生きてまた会ったらいい子いい子してやる」
 「なっ・・・」
 そのまま左肩で扉にぶつかりつつ扉の向こうに消えて行った、
 扉が自動的に閉まって行き、部屋にはジャルーソのいた余韻のみが残る、
 「さて・・・」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

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メインサーバのありし場所/13 カードゲーム小説WカードFu

f:id:OirenW:20170721181016j:plain
 
カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所13
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「ああ、もう、しょうがないな、カーディン!」
 「わかっている!」
 カーディンがジョーカーとジャルーソの方に走り込んで行く
 「ムハハハ・・・これで終わりですねぇ、じゃあ、パンサーにでも砕いてもらいましょうか?おや?」
 ジョーカーがこちら側を向く中で、僕は右手で右腰の方の金具のボタンを押してシートベルトを外しつつ左手でドアを開けて外に出、そのまま右の手でジャケットの左内ポケットのデッキケースを取り出し
 「おおっと!」
 ジョーカーが一気に後ろに飛ぶ!
 でも、逃がさない!そのままデッキケースをジョーカーに向けつつ走り込もうとし、
 そこでジャルーソが前の方に両足を落とした
 「う・・・」
 「ジャルーソ!大丈夫か!?」
 「ううむ・・・」
 カーディンが思わずかけた言葉に、ジャルーソが両手を地面に付けて頭を上げて
 「お前達に心配されるいわれは、ない」
 答える
 そして、立ち上がり、ジョーカーの方に両手の銃をゆっくりと向け
 「さっきは油断したが、今度こそお前を撃ち取って見せる」
 「ムハハハ、無理だと思いますよ」
 「ちょっと待った!!」
 思わず、二体が向かい合うのを思わず止める
 ええい!めんどくさいことになってるけどこの際しゃーない!
 「ジャルーソ、ここは僕達に任せて!とっとと別の場所から目的地に向かって、もしくは部屋の外で見てて」
 「なんだとっ!?」
 ジャルーソがこちらを向き、目を見開き驚いている、気がする、それよりも、
 「僕達がジョーカーに勝ったって話、したでしょ?」
 「あんなもの、信じていると思っているのか?どうせお前たちのホラか、事実であったとしても、話になかった外的要因でたまたま勝ったに決まっている」
 あ、別に信じてるわけじゃなかったんだ、まぁ、確かに無作為に勝てた側面はあるけどね、ていうか・・・
 「それじゃあ、僕達を無視したのも話を信用してなかったから?」
 「無論だ」
 「ジョーカーもそうだよね?僕達を無視してた」
 「無論です」
 ジョーカーがふざけて右手を外側に伸ばした後胴の下に持ってきつつお辞儀する
 「足手まといにしゃしゃり出てきてもらっては困るからな」
 「私としても仮にも一度負けた相手、出てきてもらっては困りますからねぇ」
 「なるほど、つまり、僕達が出てこなかったら二体とも勝つ自信があったと」
 「当然だ」
 「当然です」
 二体がさも当然であるがごとくに答える
 「ま・・・もっとも、見た通り、しゃしゃり出て来られたら困るのは私の方でしたが・・・にしても、」
 ジョーカーが改めてジャルーソの方を見据えて行く
 「にしても、驚きましたよ、まさかあなたが装甲持ちだったとは・・・私の調査ではそんなデータは出てこなかったのに・・・」
 「装甲ではない」
 「なんですって?」
 ジョーカーが首をかしげるように顔を右手の方にかたむけた
 「しかし、装甲を貫けるのは装甲のみですよ、何事にも例外はありますが、ね、デッキケースとか、あ・・・でも、そちらもデータになかったはず・・・」
 ジョーカーがチラリと僕の方に向く、だが、僕は何もしていない
 「装甲やデッキケースではないと言っている」ジャルーソがさらにジョーカーにその両手の銃の狙いを定める
 「装甲を撃ち抜くための特殊装備だ、劣化装甲とでもいうべきもの、だ、詳しいことは知らないが、装甲のような防御能力やデッキケースのようなカードバトル能力は持っていない」
 なるほど、ということは、恐らく、装甲にあるステルスモードやデッキケースのカード精製なども使えないのだろう
 「なるほど、それはそれは」
 ジョーカーが納得したように首を縦に振る
 「ですが、私に構っている暇はあるんですか?ねぇ、レオンとレオリングに仲間を全滅させられたジャルーソさん」
 一瞬、ジャルーソの右眉がピクンと跳ね上がる
 「え?どういうこと?」
 「黙れ・・・」ジャルーソが両足を前後に出し、構える!
 「黙れ・・・!!」
 ジャルーソが銃の引き金を引き、銃を乱射!
 「ムハハハハハハ!!」
 これをジョーカーは上の方に飛んで回避していく!
 「逃すか!」
 ジャルーソが銃をジョーカーに向けて行くも、純粋にジョーカーの方が速い!
 そのままジョーカーはジャルーソの真上に扇状の軌道を描いて飛び
 「しまった!」
 ジャルーソが銃を向けづらくなっていくその隙に、ジャルーソの真上から一気にジャルーソの後ろまで回り込んで、頭を下に向けたままヘッドバット!ジャルーソを前方に吹っ飛ばす!!
 「うぉおお!!」
 ジャルーソが倒れ地にひれ伏した
 「ムハハハハハ!あなたでは勝てませんよ」
 ジョーカーが右目の方をにゅいっとジャルーソの方に向かって突きつける
 「限界のある人の器に、規則正しくしか生きられないロボットの心、いずれしか持たないあなたにはね!」
 「ぐっ・・・くそう・・・」
 ジャルーソが両手を付けてゆっくりと立ち上がろうとし
 「ああ、そういえば、あなた方も気になっているでしょうから少しお話してあげましょう」
 「やめろ!」
 ジャルーソが素早く立ち上がり、ジョーカーの方に自動小銃を向け
 「おや?その銃の弾丸が彼らに当たったらどうする気で?」
 「くっ・・・」
 そのまま固まってしまった、ううむ、ジョーカーの背後にいる僕達のせいで銃が撃てない状況となると悪い気が・・・
 「ではでは、お話しましょう、と言っても長い話じゃありません、」
 ジョーカーが楽しそうに僕達の方にくるりと向き、まるで語り部のように右手を後ろに移動させて左手をかざし
 「このジャルーソさんはですね、ある時、人間同士の戦争に駆り出されたんですよ、人間の兵士の中の一人としてね、その軍は計三万、目的は敵国の制圧でした、しかし・・・」
 ジョーカーが右手で口を抑え、クスクスと笑うようなジェスチャーを取る
 「そこにレオンさんとレオリングがやってきた、銃や重火器を乱射するも瞬く間にジャルーソさんの軍は蹴散らされ、結果・・・」
 ジョーカーは両手をパッと大きく広げる
 「ジャルーソさんの国は彼らに滅ぼされ、壊された彼はレオンさん達のいた国に回収されたわけです、もっとも・・・」
 今度はまたもくるっと回り、今度はジャルーソの方を向く
 「紆余曲折あってここに来たんですね不思議ですねぇ」
 「あのじいさんのおかげだ」
 ジャルーソは油断なく銃を構えている
 「あれのおかげでくすぶっていた俺の目が覚めた、そして、戦う使命もにもな」
 ジャルーソが下から見るようにジョーカーをにらんだ、気がした
 「俺の使命は人のために戦うということ、そして、その大きな障害となるあの二体を倒す、それだけだ、だが、なぜ貴様が俺の過去を知っている?」
 ジャルーソが銃口ジョーカーに向けたまま問う
 「いえいえ、敵側のリーダーの事を調査するのは当たり前でしょう、もっとも、その装甲破りはさすがに知りませんでしたけどね」
 「これも仲間のおかげだ、どこかから持って来た牛の胴体の装甲を分析してな・・・」
 その牛、僕が倒したものだと思うんだけど・・・
 「だから、俺がここで倒れるわけにはいかんのだ」
 ええい・・・それなら・・・
 「ジャルーソ!ここは僕達に任せて先に行って!」
 「何!?」ジャルーソの目線が僕達の方を向く
 「ここ以外にも上か下の階に行く道、あるんでしょう?だったらそっちの方に行って、ジョーカーは僕達に任せて!」
 「だ・・・だが・・・」ああん、もう!!
 「僕達ならジョーカーに勝ったことあるって言ったでしょ!それとも・・・」
 右口角を上げ、出来る限りふてぶてしく、笑う!
 「足手まといになるか、僕達がこいつを倒すまで影でこそこそ隠れてるかい、お坊ちゃん」
 「くっ・・・くはははははは!!」
 な・・・ジャルーソがいきなり顔を上げて笑い出した!?
 「いいだろう!!」
 次いで、ジャルーソは僕の方に右の口角をニヤリと上げた笑い顔を返す
 「ただし、死んだら許さんからな、そこだけはわかってろよガキ!!」
 そして、左手の方の扉に走り込んでいく!
 「生きてまた会ったらいい子いい子してやる」
 「なっ・・・」
 そのまま左肩で扉にぶつかりつつ扉の向こうに消えて行った、
 扉が自動的に閉まって行き、部屋にはジャルーソのいた余韻のみが残る、
 「さて・・・」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所13
 
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 「ああ、もう、しょうがないな、カーディン!」
 「わかっている!」
 カーディンがジョーカーとジャルーソの方に走り込んで行く
 「ムハハハ・・・これで終わりですねぇ、じゃあ、パンサーにでも砕いてもらいましょうか?おや?」
 ジョーカーがこちら側を向く中で、僕は右手で右腰の方の金具のボタンを押してシートベルトを外しつつ左手でドアを開けて外に出、そのまま右の手でジャケットの左内ポケットのデッキケースを取り出し
 「おおっと!」
 ジョーカーが一気に後ろに飛ぶ!
 でも、逃がさない!そのままデッキケースをジョーカーに向けつつ走り込もうとし、
 そこでジャルーソが前の方に両足を落とした
 「う・・・」
 「ジャルーソ!大丈夫か!?」
 「ううむ・・・」
 カーディンが思わずかけた言葉に、ジャルーソが両手を地面に付けて頭を上げて
 「お前達に心配されるいわれは、ない」
 答える
 そして、立ち上がり、ジョーカーの方に両手の銃をゆっくりと向け
 「さっきは油断したが、今度こそお前を撃ち取って見せる」
 「ムハハハ、無理だと思いますよ」
 「ちょっと待った!!」
 思わず、二体が向かい合うのを思わず止める
 ええい!めんどくさいことになってるけどこの際しゃーない!
 「ジャルーソ、ここは僕達に任せて!とっとと別の場所から目的地に向かって、もしくは部屋の外で見てて」
 「なんだとっ!?」
 ジャルーソがこちらを向き、目を見開き驚いている、気がする、それよりも、
 「僕達がジョーカーに勝ったって話、したでしょ?」
 「あんなもの、信じていると思っているのか?どうせお前たちのホラか、事実であったとしても、話になかった外的要因でたまたま勝ったに決まっている」
 あ、別に信じてるわけじゃなかったんだ、まぁ、確かに無作為に勝てた側面はあるけどね、ていうか・・・
 「それじゃあ、僕達を無視したのも話を信用してなかったから?」
 「無論だ」
 「ジョーカーもそうだよね?僕達を無視してた」
 「無論です」
 ジョーカーがふざけて右手を外側に伸ばした後胴の下に持ってきつつお辞儀する
 「足手まといにしゃしゃり出てきてもらっては困るからな」
 「私としても仮にも一度負けた相手、出てきてもらっては困りますからねぇ」
 「なるほど、つまり、僕達が出てこなかったら二体とも勝つ自信があったと」
 「当然だ」
 「当然です」
 二体がさも当然であるがごとくに答える
 「ま・・・もっとも、見た通り、しゃしゃり出て来られたら困るのは私の方でしたが・・・にしても、」
 ジョーカーが改めてジャルーソの方を見据えて行く
 「にしても、驚きましたよ、まさかあなたが装甲持ちだったとは・・・私の調査ではそんなデータは出てこなかったのに・・・」
 「装甲ではない」
 「なんですって?」
 ジョーカーが首をかしげるように顔を右手の方にかたむけた
 「しかし、装甲を貫けるのは装甲のみですよ、何事にも例外はありますが、ね、デッキケースとか、あ・・・でも、そちらもデータになかったはず・・・」
 ジョーカーがチラリと僕の方に向く、だが、僕は何もしていない
 「装甲やデッキケースではないと言っている」ジャルーソがさらにジョーカーにその両手の銃の狙いを定める
 「装甲を撃ち抜くための特殊装備だ、劣化装甲とでもいうべきもの、だ、詳しいことは知らないが、装甲のような防御能力やデッキケースのようなカードバトル能力は持っていない」
 なるほど、ということは、恐らく、装甲にあるステルスモードやデッキケースのカード精製なども使えないのだろう
 「なるほど、それはそれは」
 ジョーカーが納得したように首を縦に振る
 「ですが、私に構っている暇はあるんですか?ねぇ、レオンとレオリングに仲間を全滅させられたジャルーソさん」
 一瞬、ジャルーソの右眉がピクンと跳ね上がる
 「え?どういうこと?」
 「黙れ・・・」ジャルーソが両足を前後に出し、構える!
 「黙れ・・・!!」
 ジャルーソが銃の引き金を引き、銃を乱射!
 「ムハハハハハハ!!」
 これをジョーカーは上の方に飛んで回避していく!
 「逃すか!」
 ジャルーソが銃をジョーカーに向けて行くも、純粋にジョーカーの方が速い!
 そのままジョーカーはジャルーソの真上に扇状の軌道を描いて飛び
 「しまった!」
 ジャルーソが銃を向けづらくなっていくその隙に、ジャルーソの真上から一気にジャルーソの後ろまで回り込んで、頭を下に向けたままヘッドバット!ジャルーソを前方に吹っ飛ばす!!
 「うぉおお!!」
 ジャルーソが倒れ地にひれ伏した
 「ムハハハハハ!あなたでは勝てませんよ」
 ジョーカーが右目の方をにゅいっとジャルーソの方に向かって突きつける
 「限界のある人の器に、規則正しくしか生きられないロボットの心、いずれしか持たないあなたにはね!」
 「ぐっ・・・くそう・・・」
 ジャルーソが両手を付けてゆっくりと立ち上がろうとし
 「ああ、そういえば、あなた方も気になっているでしょうから少しお話してあげましょう」
 「やめろ!」
 ジャルーソが素早く立ち上がり、ジョーカーの方に自動小銃を向け
 「おや?その銃の弾丸が彼らに当たったらどうする気で?」
 「くっ・・・」
 そのまま固まってしまった、ううむ、ジョーカーの背後にいる僕達のせいで銃が撃てない状況となると悪い気が・・・
 「ではでは、お話しましょう、と言っても長い話じゃありません、」
 ジョーカーが楽しそうに僕達の方にくるりと向き、まるで語り部のように右手を後ろに移動させて左手をかざし
 「このジャルーソさんはですね、ある時、人間同士の戦争に駆り出されたんですよ、人間の兵士の中の一人としてね、その軍は計三万、目的は敵国の制圧でした、しかし・・・」
 ジョーカーが右手で口を抑え、クスクスと笑うようなジェスチャーを取る
 「そこにレオンさんとレオリングがやってきた、銃や重火器を乱射するも瞬く間にジャルーソさんの軍は蹴散らされ、結果・・・」
 ジョーカーは両手をパッと大きく広げる
 「ジャルーソさんの国は彼らに滅ぼされ、壊された彼はレオンさん達のいた国に回収されたわけです、もっとも・・・」
 今度はまたもくるっと回り、今度はジャルーソの方を向く
 「紆余曲折あってここに来たんですね不思議ですねぇ」
 「あのじいさんのおかげだ」
 ジャルーソは油断なく銃を構えている
 「あれのおかげでくすぶっていた俺の目が覚めた、そして、戦う使命もにもな」
 ジャルーソが下から見るようにジョーカーをにらんだ、気がした
 「俺の使命は人のために戦うということ、そして、その大きな障害となるあの二体を倒す、それだけだ、だが、なぜ貴様が俺の過去を知っている?」
 ジャルーソが銃口ジョーカーに向けたまま問う
 「いえいえ、敵側のリーダーの事を調査するのは当たり前でしょう、もっとも、その装甲破りはさすがに知りませんでしたけどね」
 「これも仲間のおかげだ、どこかから持って来た牛の胴体の装甲を分析してな・・・」
 その牛、僕が倒したものだと思うんだけど・・・
 「だから、俺がここで倒れるわけにはいかんのだ」
 ええい・・・それなら・・・
 「ジャルーソ!ここは僕達に任せて先に行って!」
 「何!?」ジャルーソの目線が僕達の方を向く
 「ここ以外にも上か下の階に行く道、あるんでしょう?だったらそっちの方に行って、ジョーカーは僕達に任せて!」
 「だ・・・だが・・・」ああん、もう!!
 「僕達ならジョーカーに勝ったことあるって言ったでしょ!それとも・・・」
 右口角を上げ、出来る限りふてぶてしく、笑う!
 「足手まといになるか、僕達がこいつを倒すまで影でこそこそ隠れてるかい、お坊ちゃん」
 「くっ・・・くはははははは!!」
 な・・・ジャルーソがいきなり顔を上げて笑い出した!?
 「いいだろう!!」
 次いで、ジャルーソは僕の方に右の口角をニヤリと上げた笑い顔を返す
 「ただし、死んだら許さんからな、そこだけはわかってろよガキ!!」
 そして、左手の方の扉に走り込んでいく!
 「生きてまた会ったらいい子いい子してやる」
 「なっ・・・」
 そのまま左肩で扉にぶつかりつつ扉の向こうに消えて行った、
 扉が自動的に閉まって行き、部屋にはジャルーソのいた余韻のみが残る、
 「さて・・・」
 
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