カードゲームライトノベル Wカードフュージョン14話 メインサーバのありし場所16
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「っつ・・・!」
避けたつもりだったが、避けきれなかったか、でも!
マーゲイが着地した瞬間を狙い、右手で首根っこを引っ掴む!
こうなったら、手加減などしてられるものか!
「はあっ」
マーゲイが動き出さないうちに、思い切り向こうのガラス板に向かって放り投げる!
ドウン!
大きい音を立ててガラス窓にぶつかり、地に落ちぐったりするマーゲイ、
でも、まだ動けるはず、今までのパターンを見れば、爆発、消滅するまで油断できないのは明白、
いや、それでも場合によっては油断できないけど、
とにかく、右足は大丈夫か?とりあえず、上げ下げしてみる、うん、血が出てるが、取りあえず動かせる、痛みはひどいが・・・
「双歩!大丈夫か!?」
「僕の方は大丈夫だから、先に進めて、早く!」
「わ、わかった!」
思わず怒鳴った僕の言葉にカーディンが答え、ライフカードの一番右手側のカードを取ってチラリと中を見つつ左手の手札に加える、にしても、こんな状況でカーディンの立場に立つことになるとはね・・・
でも・・・今ジョーカーが放ったマーゲイってやつ、カードバトルであるにもかかわらず実体化してた、これは、こちらと同じ・・・
「リチャージですよ!」
と、ジョーカーの方から声が聞こえた、ジョーカーのチャージゾーンには、今一切カードが無いため、何もせずに宣言してきたのだろう、
それを見たカーディンもあわてて右手でチャージゾーンの表側表示のカードを裏に返しつつ
「リ、リチャージ!」
宣言して返し、続けて、その右手でそのまま山札の一番上のカードを持つ、
同時に、ジョーカーも自分の山札のカードを右の手に持って
「ドロー!」
「ドロー!」
引いたっ!
さて、ここからどうくるんだろう、マーゲイはまだ気絶してるし・・・してるし・・・
いや、なんか、ピクピク動いてのっそりと立ち上がってきてるな、まずい、これは、すこぶるまずい・・・
「セットですよっ!」
と、ジョーカーの宣言が響く、見てみると、すでに1番とチャージゾーンにカードが裏側で置かれていた後だった、
「ええっと・・・」
対して、カーディンの側は左手のカードを見つつ思考格闘中、頼む、早くしてくれぇ~
等と考えてる間にもマーゲイがこっちをゆっくりと見てくる、まずい、とことんまずい・・・
「よし、これだ!」
カーディンが右手で左の手の手札から一枚カードを引いて1番に裏側で置き、
さらに、そのまま同じように右の手で左手の手の札からカードを引き、チャージゾーンに裏側で追加し
「セット!」
ジョーカーからカードは・・・うん、動きは無し、悠長に自分で1番に裏側で置いたカードに右手を伸ばして持った、
同じようにカーディンも右手で1番に裏側に置いたカードを持ち、
って、マーゲイがこっち向って走り込んできた!?
両者持ったカードを表にするっ!
「オープン!!」
「オープン!!」
「ジョーカー獣士 ジャガランディ・アートルムディザルグ!!」
「バトルマシンズ ビックハンド!!」
マーゲイがこっちの方に一直線に駆けてくる!
ええい、一か八か・・・
右拳を高く上げ、マーゲイの鼻先に向かい、振り下ろす!
と、マーゲイが思い切りその口を開いた、まずい!噛みつかれる!!
ドガァ!
だが、僕の右拳は噛まれることなく、マーゲイを吹っ飛ばしていた、
え?なんで・・・?
よく見ると、いつの間にか僕の右手が、鋼鉄の右手になっていた!?
いや、正確には、手の甲に、等間隔で丸い穴の開いた鉄骨で、手の骨格を再現したような物が付いていただけだが、
よく見るとこれ、手首のあたりにジェットエンジン何かが付いている、もしかしてこれ、ビックハンドか・・・?
「双歩!左だ!!」
えっ?左・・・?
カーディンの声につられて左手の方を見ると、そこには灰色の大き目のネコ科の動物がこちらに向かって跳びかかってきている所だった、
顔は灰色の目に灰色の毛皮、体に灰色のスーツをまとい、右足の爪が大きくなっており、右目には四角いモノクルを付けている、
ぐっ、二者連続攻撃か、でもっ!
思い切り右手を左手そばから反対側に向かって振るう!
バチン!
大きな音を立て、右手側、マーゲイのいる方に吹っ飛んで行った!思わずカーディンの方を向き・・・
「カーディンありがと、後、ついでに今のうちにコストの処理!」
「わ、わかった!よし、これだ!ジョーカー、そっちは?」
カーディンが急ぎ、右の手でチャージゾーンのカードを一枚手にし、前に出す
「ではでは私はこれでいいですよ~」
ジョーカーも同様に右手でチャージゾーンのカードを手にし、前に出してきた
そして、同時に表にする!
「私はバトルマシンズ ビックハンドのコストにバトルマシンズ カーディン カーモードを指定!」
「私はジョーカー獣士 ジャガランディ・アートルムディザルグのコストにジョーカー獣士 パペット・アートルムディザルグを指定します~」
カーディン、バトルマシンズ カーディン カーモードでバトルマシンズ カーディン ロボモードのコスト召喚を狙ってきたか、でも
「ククク、残念でしたねぇ・・・」
ジョーカーが右手を口元に当てて笑っている、
そう、ジョーカー獣士 パペット・アートルムディザルグでコストの見せ合いでコスト召喚を阻止されたのだ、
そして、ジョーカーとカーディンは、互いに前に出したカードを右手で持ってチャージゾーンの元の位置に戻す
「続けて行くぞ!」唐突にカーディンが右手を大きく前に出していくっ!
「私は、バトルマシンズ ビックハンドの効果を発動!ジョーカー獣士 ジャガランディ・アートルムディザルグの効果を封じつつ、ビックハンドのパワーを500アップだ!」
「ムハハハ!それでは、私はジョーカー獣士 ジャガランディ・アートルムディザルグ自身の効果でそれを相殺いたしましょう」
ジョーカーが右手を口元に当てて笑う、
と、ジャガランディ・アートルムディザルグ、ジャガランディとマーゲイが気絶から回復したのか立ち上がり、こちらを向いて走り込んでくる!
「双歩!」
「大丈夫!カーディンはカードバトルに集中して!!」
問い返している間に、ジャガランディとマーゲイが来る!
先攻するのはジャガランディ、いきなり上に跳躍し、跳び掛かってきた!
「甘い!」
右拳を振り上げて突き出しジャガランディにブチ当てる!!
が、今度は地上からマーゲイが大柄の体で体当たり!
左手をマーゲイの首後ろ辺りに叩きつけて上に跳びつつジャガランディに追撃の右拳!ジャガランディを上の方に吹っ飛ばす!!
そのまま着地したところに後ろから気配が、
すかさず右手甲を後方下の方に振り回す!
マーゲイの右頬の鈍い感触が伝わり、マーゲイが吹っ飛びかけるがなんとか持ちこたえ跳びかかってきた!
口を大きく開けているが、ここだ!
とっさに左手の平を親指の方を手前に持ってきた体勢でマーゲイの頭の上の方を抑えつつ思い切り右拳を叩き込む!!
体が軽い、今までよりも力を感じる・・・
マーゲイが吹っ飛び、そこに走り込み追撃を駆けて行く!
が、そこにジャガランディが走り込んできた!でも、こいつがビックハンドなら・・・
「あれって、本当に人間なんですかねぇ?」
「双歩は生物学的にれっきとした人間だ!!」
「わたしゃ人間の定義が揺らぎそうになりますがね・・・」
色々聞こえるけど無視!
「カーディン!援護は!?無いの!?」
「あ、ああ、今出す!」
カーディンが右手でチャージゾーンのカードを一枚表に!
「私は、バトルマシンズブーストの効果を発動!バトルマシンズ ビックハンドのパワーを600上げる!!」
右手甲のビックハンドから力と熱を感じる、今ならやれる!!
「行っけぇええええ!!」
右拳を振り上げ、離れた場所から、思い切りビックハンドを突き出し、発射する!狙いは、マーゲイ!!
ビックハンドが飛んで行き、マーゲイを貫く!
と思ったら、一気にジャガランディが加速!ジャガランディを貫いた!!
が、いつの間にかジャガランディがマーゲイとすり替わっていて、マーゲイが爆発!消滅した!!
「ムハハハ!頭回ってますかぁ~!!これを使わせてもらいましたよ」
ジョーカーの声に思わず、ジョーカーの方を見る、
そこでは、ジョーカーが右手に何かのカードを持ってこちらの方に見せてくる図が見えた、
ジョーカートリック・黒獣・黒機・即律入替?あれでマーゲイとジャガランディを入れ替えたのか!?
おかげでジャガランディを見失った!
「さらに、それ!」
ジョーカーが右手を上げ思い切り人差し指で親指を抑え、勢いよく人差し指を手の平に打ち付け、指を鳴らした!
パチッ!
どこからくる?右、左、後ろ?でもとりあえず前にはいないっ!
思い切り前に走り出す!
「あっれぇ~?」
これにはジョーカーも想定外だったかすっとんきょうな声を上げた、
少し走って振り返ると、案の上、そこにはジャガランディが、いないっ!?
上かっ!
顔を上げると案の定ジャガランディが宙から跳びかかってきていた、恐らく、僕の後ろから攻撃しようとしたところいきなり走り出したので、あわてて上から攻撃する方針に変えたのだろう、
でも、このタイミングなら、この右拳が、入る!!
ジャガランディに向い勢いよく右の拳を繰り出し、ジャガランディにぶち当たる!
ガッ!!
が、ジャガランディはその上半身でビックハンドにとっさに掴まってきた!
ええ~
そこから体を曲げて後ろ脚で右腕内側をひっかいてくる!
「っつ!!」
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