この争い起きた戦場で ダブモン!!8話02 妖魔版
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「あ~どこまで行ったのかしら・・・」
「わかりませんですね・・・」
左右ともに緑々とした森に作られた舗装もされていないがそれでもかなり開けた道を私達は進む、
先行してアクリスという、聡明さと不思議さを兼ね備えた少年が行ったのだが、今だその姿は見えない・・・
「森にさえぎられて見えないんじゃねぇか?」
「だよな」
「うん」
「ま、そう言ったていが妥当だろう」
「だよね~」
「うむ」
大所帯だなぁ・・・
周りを見回し、いつの間にか増えていた者達を見る、
バカ3人、カンテラ、氷の小精霊女、炎の小魔人、
そして、私、蜜羽 四葉(みつば よつば)に光の炎のような見た目のウィルピー、
・・・旅に出た時は私とウィルピーだけだったっけ・・・
女神様からこの世界のためになることを、なんて言われたけど、さて、どうなることやら・・・
と、唐突に森の右手側が開き、そこに平原が現れた、
見渡す限りの緑が広がる大草原だ、
「うわぁあああ・・・」
思わず感嘆の声を上げる、だが、ん?
「あれは、何だろ・・・?」
遠くの方に見えた、端が空と同化しかかっているほど遠く、大きなどこまでも伸びる壁・・・
材質はよくわからないが石だろうか?見渡す限り、右手の方にも広がっていて、上の方にちょこちょこ誰かが乗っているのも見える、見張り・・・かな?
また、宿舎なのかこれも散発的に家々がある、ここからはわからないが、どこかに上り下りする階段か梯子でもあるのだろうか・・・?時々城壁の角のようなヘキサグラムの上にレンガが積まれたような塔柱もあるし・・・
「本当だ」「一体何だろうな?」「何処かの国境線かな?」
後ろから聞こえた声の限りでは三バカもあれが何なのか判断しかねている様子だ、気配からするに私の後ろから覗き込むようにあれを一緒に見ているのだろう
「何の事です?」
問いかけてくるウィルピーに私は思わず右人さし指を壁に向け
「あれよ、あの壁!」
「ああ、あれですか・・・」
「大体予測はつくと思うが」
「教えてあげましょっか!」
カンテーラの声を遮り氷の精霊女、フリージアが得意そうに胸を張り、鼻を上げる
「あれはねぇ・・・」
「人族と魔族との境線だ」「あー!!」
今度は炎の魔人、イグリードが答えてきた、イグリードの熱気がイグリード以外全員の右手前まで移動する
「こっちからは見えないが、壁の向こう側に魔族が作った壁もある、というか、そんなことも知らなかったのか?」「私が言おうとしてたのにー!!」
「知ってたけど、初めて見たんだよ、な、カンテーラ!」「相棒に自慢しよーと思ってたのに!!」
「俺は見たことあるぞ」
「は?」
「はい?」
めずらしく良星と私の声がはもり、少し右手後ろのカンテーラに視線が行く
「ウィルピー、どういうこと?」「はいはい、大丈夫、俺は驚いたから」
「じ・・・実は、私もちょこちょこと見たことがあり・・・」「本当!?兎白!!」
向こうは向こうで自己完結したようだ・・・なんか、見つめ合ってる、兎白の方はあきれ交じりだが、って、それより、
思わず視線が私の光の幽霊の方に行く、疑いの眼差し付きで
「どういう事よウィルピー」
私の視線に負けたのか、両手を開いて自身を守るようにしどろもどろとうろたえるようにひるむウィルピー
「だって、その・・・ですね・・・・」
「俺達、ちょこちょこ空を飛んで道案内してたじゃんか、それで視界に入ってたんだよ」
あ、なるほど・・・
カンテーラの言葉に思わず納得する私、でも・・・
「それならそれで話のタネにして私達にも話しなさいよ・・・」
「最初に見た時、上空であれがアクリスの言ってた壁だな、でそこで完結しちまったもんだから」
「そ・・・そういうわけです・・・」
ずーっと視線を向けられていて少しおびえた感じすらするように返すウィルピー
「なるほど・・・ま、いいわ・・・」
「だな」
半分あきらめにも似た納得を私と良星が行う、
ま、空とんでりゃ、私達より色々な物が目に入ってても不思議じゃないしね・・・
「まさか、壁を見たことない奴らがいるとはな、ま、壁から遠くに住んでるなら、初めて見る奴もいるか・・・」
「まぁ、確かに、遠くっちゃ遠くなんだけど・・・」
鼓動がイグリードの意見に苦笑いする、
イグリードも彼の姉も空を飛べるし、地理的な条件から壁を見たことないという人間の方が珍しいのだろう
ん?何だろあれ、進む先、正面の方にある森で遮られた向こう側から・・・煙?
真正面、私たちの視界を遮るように左手の森と道がカーブしていくのだが、
その奥から煙が見えるのだ・・・
距離はかなり遠いが、量はかなり多い、そんな煙・・・
と、いきなり向こうから一体の顔と体と尾が一直線に長い獣が駆けてきて、走りながらこちらに目線を向け・・・
「おい、今のうちに逃げた方がいいぞ!!」
「え、どういうことよ!?」
「俺は忠告したからな、じゃあな!」
そうして言い募りつつ私たちを通りすがり一気に私たちの後ろに駆けていった・・・
「この先で何かが起こってるって事かしら・・・」
「ですねぇ・・・」
「だが、そうなると・・・」
「あ!?」
「アクリスが危ない!!」「アクリスが危ない!!」「アクリスが危ない!!」
「アクリスが危ない!!」
カンテーラの示唆に良星の声共に四人の声が唱和し、私達は前へと駆け出す、
曲がるうちに森の影より見えてくる光景は、煙が上がり、壁のこちらと向こうに分かれた兵士たちが戦っている情景・・・
こちら側は軽装ながらちゃんとした青に近いインナーに鉄の防具を着け、向こうは革や布の防具ながら一見して人のようでそうでない毛皮や肌の色、角などの特徴を備えた者たち・・・
「おい、あれ!?」
「壁が・・・壊されてる!!」
カンテーラの指摘する声と良星の驚愕する声が響く、
それに、いた、草原側の茂みの中に隠れるように・・・金髪の少年が・・・
「アクリス!!」「アクリス!!」「アクリス!!」
「アクリス!!」
名・川探しの石鑑定士 フィレセキ ダブモンNo.236
概・M モンスター コスト0 パワー100 哺乳・地属性
発・タイミング・自任意・次の戦闘が行われるまで・条文の頭に指定:
条・主対象:一・次の戦闘に参加するこのモンスター
二・5枚以上の自分の山札
三・自分の手札1枚
略・“”
効・第一効果:三を自分のトラッシュに送り、二上5枚を見る
その中でコスト0のカテゴリ、地属性を持つ、
モンスター、リサイクル、スマッシュ、ハンド、イクイップの
いずれかのカードを選択するかしないかし、
選択したカードを相手に見せて確認させ自分の手札に加える、
残ったカードは二に戻し二をシャッフルする
文・河原で丸石を探し続けるカナディアンフェレット型ダブモン
川に石を跳ねさせ、鳥を気絶させ襲う習性を持つ、
そのために跳ねる石を常に探している
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