世界との邂逅、神との再邂逅 ダブモン!!29話09
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俺達に駆けてきた一団の先頭はフレェト、
俺らと同じ年ぐらいの少年で、首からは金の羽ロザリオをかけ、白と金縁の全身を包む壮厳な僧侶系の衣装、
青っぽい黒髪でその雰囲気は優しげ真面目そうであり少し眉をひそめた心配顔を見せ、そばには二足歩行で杖を着いたウミガメのようなダブモンが付いている、
そのフレェトが右手側から駆けてきた
「大丈夫でしたか!?いきなり黒いドームが中央大陸を覆って、僕はダブモン達に助けられましたが・・・」
「ああ、何とかな」
俺は問題無しといった感じで返す
安心したのか眉のひそまりが元に戻ると、少々大きく口を開け
「そうだ!みなさん話したい人もいるでしょう、降りて話してきてはどうです?僕もここで話してばかりいるわけにもいかないですので・・・」
「ユネッタ!」
「ユネッタ!」
と、話している間にも、鼓動とイグリードが一人の少女の方へ急ぎ向かう、
右手側後ろの方にいたその少女は赤い東洋風の前合わせに袴をはき、それぞれ大きく白いファイヤパターンが描かれており、
金の輪などを手首足首にし、
後ろ中程で髪を結んだ黒の髪、顔立ちは清楚さとかわいさが入り混じっている、
「大丈夫だった?」
「里があんなことになって」
鼓動とイグリードの焦燥っぷりに対してユネッタの表情は気落ちして少し悲しそうだ
「ダブモン達が助けてくれたの」
「ミスラ!!」
と、ハヤトが後ろの方の魔族に駆けて行く、
その人間と魔族の団体の中にいたのは、長くとがった耳に薄黒い肌、前に二つで分け後ろで結んだ銀の髪を持つ魔族の女性、
灰色のローブを纏っており大人なのだがかわいらしい雰囲気を持っている
「よかった、無事だったんだね」
少し気の抜けた安堵の表情を見せるハヤトに対し、どこかすがるようにハヤトを見上げ顔に力の入ったこわばった顔で近づくミスラ
「ええ、でも、父が・・・私達のために黒いドームに自分の力で抵抗しようとして石に・・・」
「そう・・・」
「私達はダブモンの力と魔術でここまで登って来たんだけど・・・」
周りが話し込んでいく中で、俺は左手方向にある魔族領側の魔族たちの中にその姿を見つける、
アグニス・・・
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