バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒/15

Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒 15
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 俺達は部屋に降り立った・・・
 そこに存在していたのは、黒い甲殻を光らせる、虫のような六本足の化け物・・・
 背中に細い羽をもち、角の丸い四角四面の顔にはしっかりと左右に楕円の複眼が埋め込まれ、頭の上には二本の触覚、
 左右に開く口を巧みに動かし・・・
 「我が主の念願を妨げし者よ、今ここで我がその命、断ち切ってくれようぞ!」
 前四本の足をいきなり上げて前に出すと、そこから竜巻がこちらに向かってきた!
 俺はプロペラシールドを前に出し竜巻を防ぎ切る!
 「ほう・・・」
 「お返しだ・・・!」
 そして、受けた回転を利用し、相手に竜巻を飛ばし返す!
 「む・・・」
 黒い虫は四つの腕で軽く防御し
 「この程度、風の力を持つ我には効かぬ・・・」
 だろうなぁ・・・
 なら、やっぱりこいつか!
 プロペラシールドの力を借りて大跳躍!
 さらに降りる勢いを利用しそこからミスリルキラーを振り下ろす!
 「む・・・」
 右腕二本で防御され弾き飛ばされるも、素早く銃に持ち替え撃ち込む!
 「ぬ・・・」
 放たれた水弾は軽く弾かれ、
 「これなら?」
 続けて、杖に持ち替えつつ念じる・・・虫の組成ならこいつが利くはず!
 炎が一気に発火する音が響き渡り、虫の足元より炎が吹き上がる、しかし、次の瞬間には長い羽を広げ、空に飛んでいた
 「空中戦か!」
 続けて狙うも、素早く右に飛ぶ飛行速度に、発火場所が狂い、まともに当てられない!
 っちぃ!
 「今度はこちらから行くぞ・・・」
 こちらに向かってくる!風が利かないならそうするしかないわな・・・
 右拳が二つ襲ってくる!プロペラを回して起こした風で威力を軽減しつつ盾で受けるも、それでも少し吹っ飛ばされる!
 ・・・ちょいと無茶するかね・・・!
 向こうが左拳二つを向かわせる中で銃を構えて撃ちまくる!
 「血迷ったか?!」
 左拳二つを盾からの風で急激に後ろに下がりつつそれでもなお撃ちまくる!
 すると、銃弾が出なく・・・
 「貰ったぁ!!」
 向こうが四本の前腕に竜巻を宿し、こちらに向かってくる!
 行けるか・・・?
 俺は左手に銃と地透石を持ちながらシールドの風を操りを一気に前進!すんでで風で肌を斬られる感覚を覚えながらも、何とか内側に飛び込むことに成功する!
 「何を・・・?」
 銃と地透石をともに叩きつけ、
 「頼むぜ、ヨルムンビート!!」
 槌を振り下ろす!
 出てきたのは幾多の足を延ばす大ムカデ!
 平べったく長く伸ばした体は竜の鱗を模した甲殻に覆われ、その瞳はまるで竜のよう・・・
 そのヨルムンビートが黒い虫をその体で締め上げる!
 「ぐぉおおおお!!」
 動きが封じられている間に、俺は銃に槌を叩き込み続け、とうとうそれは完成する、
 鋼、黄、黒のサインポールスパイラルカラーの銃!!
 しかし、出来上がった瞬間には、ヨルムンビートは消え失せ・・・
 「貴様!!」
 真上より、その拳を叩きつけてくる!
 しかし、その前に俺は黒い虫の腹に銃を突きつけ
 「どーん」
 ぶっぱなす、そこには、魔法で作られた鋼がそのまま液体状に螺旋に回転したような形状の鋼鉄製のドリルが回転しながら飛び出し、黒い虫の腹を貫こうとぶち当たり、火花を上げる
 「ぐはぁああああ!!」
 慌てて空に逃げる黒い虫、だが、もう遅い!!
 俺は放射状に五発、ドリル弾をぶっぱなし、それらが黒い虫を予想通り追尾、結果、黒い虫を貫いていったのだった・・・
 そして、部屋の奥に祭壇を見つけ、そこにはきれいな女性の幻影が現れた
 真ん中は白、左右は白に細かく茎付きのバラを多数あしらったセンターと左右に分かれたふくよかなドレス、頭の金茶の髪は大きくまとめている
 「我が息子を救ってください・・・」
 「わーってるよ、じゃあな!!」
 そう言って俺は振り返り、プロペラを使い戻っていくのだった・・・
 「あ!待って!!おいらも乗せてって!!」
 いつの間にか離れていたリッキーが飛んできて再び右肩に乗りながら・・・
 
 黒い闇が城を覆っていく・・・
 僕は玉座の間に向かって急いでいた・・・
 「父上!何をしているのですか!!」
 たどり着いたのは皆が苦しむ光景・・・
 おかしいと思っていた・・・
 間には幾多の人々が倒れていた、特に四つの点には私の見知った人々が苦しんでいたのだ・・・
 異常の前提はあった、どこからか異常な魔を漂わす鍛冶屋たちが出入りするようになり、
 兵士やメイドの大量失踪、そして現れた異常な鍛冶台、今も父上の目の前にある、
 それが周りに幾多の鍛冶屋を回し、そこに目に見えるほどのエネルギーが集まっている、
 それは闇が世界を覆っているのではない、すべての光が、そこ一点に収束しているかのような・・・
 そんな中で私の体もエネルギーが集中するような沸騰するような感覚を覚える・・・
 そして、鍛冶屋たちが槌を振るうたびに体がさらに熱くなっていく・・・
 ・・・鍛冶台の上でおぞましい何かが出来上がり、父上が両手に取り掲げる・・・
 「出来たぞ!!多数の鉱石からの属性エネルギーと思念エネルギーから、とうとう賢者の石を生成したのだ!!」
 え・・・?
 父上が僕の方に振り返り、右手にそれ持ち僕を見る・・・
 「お前はいずれこれを引き継ぐ存在となる、今は魔に身をゆだね、ゆっくりと眠るがいい!ふは、ふは、ふはははは・・・!!」
 そん・・・な・・・
 
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