カードゲームライトノベル Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう14
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「行っけぇー!」
追い風に後押しされ幾星霜、雪のカーテンをいくつも抜け、その雪幕も薄くなってきた、
「ぬ、この反応は・・・」
「どうしたのカーディン?」
「危ない!」
カーディンがいきなり右手の方に早寄せする!
「ちょ」
ズバン!
直後、僕達が走っているべき場所に、雷が落ちてきた!
一筋の、というにはおこがましい電気量の雷である、喰らっていたらどうなっていたか・・・
いきなりあんな雷が降ってくるなんて、一体ここは・・・
周りを見てみるとそこは黒い台地、上には黒雲が広がり、それがこの地を余計に黒く染めている、
さらに、そここに何かのコンクリートの建物の残骸が見える、こんな場所で何をしていたのだろうか、雷から発電する場所か何かだったのか・・・
「フーッ!」(来たか、雑魚がッ!)
あれは・・・?
前方に奇妙な車が見える、黄色や茶色や抹茶色を織り交ぜたような車なのだが、
様々なそれらの色の古い車を繋ぎ合わせたかの様につぎはぎだらけで、
左前輪側の黄色の部分が丸かったと思えば右後輪側が四角かったり、中央に抹茶色の部分が配されているかと思えば、右後輪さらに後ろはクリーム色の部分で左前輪より前はこげ茶色だ、
「フンーッ!」(さぁ、相手をしてやろう!)
そろそろ、カーディンの速度も遅くなってきたみたいだし・・・
等と考えている間にも、デッキケースにカードが回収されてシャッフルされつつ飛び出してデッキケースの右側に置かれる、
それなら、やってやる!
右手で山札からイチニサンヨンゴ枚のカードを引きつつ左手に移して手札にし、
続けて、何のカードも置かれていないチャージゾーンに向かい、
「リチャージ!」
「ガーッ!」(やってやるかぁ!)
さらに、山札から右手で一枚カードを引き、
「ドロー!」
「ガフーッ!」(いくぞぉー!)
今引いたのは機鱗の盾、で、残りの手札は・・・
機原砂風・風波返し、バトルマシンズ サンダースパイクダンプ、マシンリザイディア、原荒高・流元的化、バトルマシンズ バッテリーリクリエイト、この六枚!
よし、ここは、右手に持つ機鱗の盾を左手の手札に移動し、とりあえず、左手の手札からバトルマシンズ サンダースパイクダンプを右手で引いて1番に裏側で置き、
さらに、残りの手札をチャージゾーンに一気に裏側で置いて、
「セット!」
「ガフンーッ!」(これでどうだ!)
右手で1番に裏側で置いたカードを表に!
「オープン!バトルマシンズ サンダースパイクダンプ!」
「ガガフーッ!」(来い!雷怪径点投 イカズチトウ・シュタイン!)
右手奥から現れたのは電撃まとうつぎはぎ緑の皮の機械のゴーレム、
マッシブな体型に緑の皮のかぶった体、中には白い機械が垣間見え、
額両サイドにネジのような物が見えていて、顔は幾度も修復したのか、錆びたホチキスのような物で幾度も止められた色の違う金属で構成され、腹の部分に鉄の球体が埋まっている、
と、そのシュタインが腹に右手を当てた後、握り、そこから無理やり長い鉄の棒を引っ張り出してきた!
一部が繋がるつぎはぎである辺り、中で折りたたまれていた物を無理やり収納していたんだろう、それが取り出す時に磁石か何かでくっつけたに違いない、
それを一旦地に着け右手を少し離し中ほどに移動させ握り直し、思い切り振り上げ投げてきた!
そこにダンプカーが割り込み、防ぎ、吹き飛ばす!
ドガッ!
そして、ダンプカーの荷台が上に上がりつつその下を足を曲げた状態から思い切り伸ばすように展開させその端から台形の黒い板のような物が上がってつま先となり、続けて、反対側から黒い棘のような物が上がっていた部分が下がるように展開し、踵の部分となり、
さらに、荷台が下がりつつタイヤの付いた前の方が四角に曲げていた両腕を下に伸ばすよう伸長させ、その端が展開して黒い両手となりながらその両手を地面に付け上半身を上げるように姿勢を変えると同時にその下に両足が入ってダンプカーが立ち上がり、伸ばしていた部分が両腕と両手と変わり、
そこでダンプカーのコクピットが前に倒れるように胸部まで動いて、コクピットのあった場所に頭が飛び出してきた!
その頭に付いた顔は口の部分がダンプカーの前の下半分のようになっており、ダンプカーの前部の上を模して造られた兜をかぶって、両手足の関節が白めの鉄色で作られており、その先、両腕と両足の方にはタイヤの付いている部分が配されていて、拳と足先と踵の部位が黒い色で塗装され、その両瞳は黄色い鉱目となっている!
そして、そのサンダースパイクダンプ、スパイクとシュタインが対峙する!
っと、今のうちにコストを、
右手でチャージゾーンのカードを三枚表に!表にしたのは機原砂風・風波返し、マシンリザイディア、バトルマシンズ バッテリーリクリエイト、
この三枚、さて、向こうで表になったのは・・・?雷怪径点投 ライナゲ・ヤージョ、雷怪径点投 カミナリナ・バリリ、雷怪径点投 雷経鋭先?げ、向こうに召喚できるカードが二枚もある!?
と、向こうからいきなり鉄球が飛んで来た!それをスパイクがその右拳を突き出し弾く!
そして、向こうから何かが走ってきた!
それは、シュタインと同じつぎはぎの体ではあるものの、こちらは女性のような顔とシルエットを持つ女性型鉄人形、白いユニフォームで身を包み、頭には赤いスポーツヘルメットをかぶり、下に茶色い長いゆるやかな前髪と短めの後ろ髪が見え、足にも同じ赤色のスニーカーをはき、右手にはスマートな鉄の棍棒を握っていて、腹にはシュタインと同様鉄球が埋まっている、
と、緑の画面でカードが一枚表になった!雷怪径点投 雷係甲期?なるほど、コスト1の雷怪径点投 ライナゲ・ヤージョのコストか
・・・スパイクとシュタインが走り出し、互いに右拳を振り上げぶつけあう!
ドガッ!
そこに、ヤージョが右手を腹に当ててそこから腹の鉄球の表面の一部分を丸みを帯びた十字のような奇妙な形で取り外すとそれの四端が奥と左右に伸縮するように伸び組み合わさって十字球体を形成、
それを上に投げると両手のスマート棍棒を振りかぶり思い切りぶつけてスパイクに向かって吹き飛ばして行く!
これをスパイクは右手で払いのけるように弾き、そこにシュタインが右拳に電撃を溜めつつぶん殴ってきた!
ええい、これがシュタインの能力か、それなら!
右手を前に出し宣言!
「僕はバトルマシンズ サンダースパイクダンプの効果を発動!雷怪径点投 イカズチトウ・シュタインの効果を相殺する!」
スパイクがその右拳に電撃を溜めて振りかぶり、互いにぶつけ合って行く!
電撃の拳同士がぶつかり辺りに大放電が起きる!
バリバリバリバリバリ!
これにはヤージョも一旦後ろに下がって様子を見る、
ん?画面に何か映った?雷怪径点投 雷断行罵?これは・・・
途端に電撃が量を増す!
そして、一気にシュタインがスパイクを押し出した!
っつ、今の状況では、使えるカードは、無い!
そのままシュタインは腹に右手を当て鉄の棒を握り出し、その棒でスパイクを突いていく!
スパイクはとっさに背中の荷台を前に出しこれを防ごうとする!
ガンッ!
大きな音を立て、鉄の棒を防ぐ!
次の瞬間、シュタインが鉄の棒を右手側から軽やかに走り抜け、盾の奥からその左拳をスパイクに叩き込んだ!
そこに荷台を持ちつつ吹っ飛ぶスパイク!そこにヤージョがまたも腹から十字鉄球を取り出す!
スパイクはシュタインの方に注意が言ってるし・・・おっと、これ以上は追撃させないよ、2番戦闘に切り替わったみたいだし、ね!
右手でチャージゾーンのカードを二枚表に!
「僕は原荒高・流元的化の効果を発動!向こうでコスト召喚が行われているのでバトルマシンズ バッテリーリクリエイトを3番に召喚し、さらに、スマッシュカードの発動も行われているため、機鱗の盾も発動する!」
突如、右手手前の方から六角の盾が現れた!
上が短く下が長く、中央、左の方から少し斜めの右上に横方向に向いた鉄パイプがいくつも生え、その鉄パイプの隙間からかなり複雑そうなエンジンか何かのような機械が垣間見えながらそれらの周りに多量の金属の鱗が囲うように張られている
と、その盾がヤージョの鉄球を弾く!
ガキン!
さらに、そこに箱が後ろから転がってきた!
それは、白く四角い本体に黒いふたの付いた箱で、と、その箱を不意にスパイクが掴み、思い切りつぎはぎ車に向かって投げた!
刹那、白い箱の左右から手が伸びて出てきて、下の方からも両足が出てきて箱のふたの中央が少し空き、そこから両目が覗く!
そのまま右拳を出し、つぎはぎの車に飛んで行く手足の付いた箱、バッテリーリクリエイト、バッテリー、
が、そこにヤージョが右手のスマ棍を握ってバッテリーの目前に走り込み撃ち込みこちら側に吹っ飛ばす!
しかし、ここでスパイクが走り込んでバッテリーをキャッチ!
そのままつぎはぎな車に向かって投げる!
が、今度はシュタインが右腕を横に出して回転ラリアットし、バッテリーをこちらに吹っ飛ばし、またもスパイクが受け止めた、
ここでスパイクは考えを変えたのか、バッテリーを地に置き、二体一斉に走り出す!
前方にはシュタインとヤージョが立ちふさがる!
と、唐突にバッテリーがスパイクの背中に張り付き、いきなり前に跳び出てシュタインとヤージョに向かって行く!
シュタインがあわてて右拳を出してこれに対処、バッテリーが吹っ飛ばされる!
が、そこにスパイクが盾を前に出して突進!シュタインをふっとばしつつ、つぎはぎたる車に向かって行く!
次いで今度はそのすぐ後ろにいたヤージョがスマ棍を直接スパイクに叩き込み吹っ飛ばそうとする!
これを盾で防ぐも一旦押されるスパイクだが、
バリバリバリ!
盾から放電してヤージョを感電させ、動きを止めた!
そのまま一気につぎはぎ車に盾ごと突進!!つぎはぎな車をスリップさせる!
「ガガガーッ!」(なーっ!!)
さらに、一気に大きく右手側から回ってこっちに向かって来て、そこにシュタインが不意にその右手の鉄の棒をスパイクに投げ貫通させた!
が、それでもスパイクはカーディンの後ろにまで走り、付き、その盾で電撃交じりに一気に押してカーディンを瞬く間に加速させ爆発!消滅した!!
「サンダースパイクダァァァアアアンプ!」
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