水晶の島のデモの末路 ダブモン!!9話03
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「ずいぶんと懐かしいわねぇ・・・」
俺達が後ろを振り返ると、確かにそこには、女神がいた、
金色の波型髪に青い瞳、白く輝く肌に翼、肩出しの白いワンピースを身に付けた女神様・・・
2頭身などでは無くリアル頭身の方である・・・
「どうかなされましたか皆さん?」
が、俺たちを少し余裕ありげに首を少し傾げ見るレファンにはやはり見えていないようだ・・・
視線は俺たちを見るばかりで女神の方にはみじんも向いていない
「相棒、どうしたの相棒?そっちに誰かいるの?」
「おい、どうした、そんな驚いた顔して・・・」
しかし、フリィジアとイグリードが女神と女神を見る自身の相棒を交互に不思議そうに見る、どうやら見えていないらしい・・・
よく考えればこいつらは旅の途中で加入したんだっけ・・・仕方ないな・・・俺は女神を見たまま
「おい、レファンはともかく、このダブモン達は見える様にしてやれよ、これからも付き合い長くなりそうだし・・・」
そう聞いた女神はあいつらを見正面から見つめ・・・
「うーん・・・問題は起こしそうにないしね・・・この二体は確か・・・フリィジアの者よ、イグリードの者よ、秘密を守ると誓えますか?」
「うわっ!?」
「こ、声がいきなり!?」
いきなり目を見開き体を左右に向き震わせパニックに陥るフリィジアとイグリード
「どうしたんですか?」
なおも表情変えず状況を飲み込めていないレファン・・・でもな・・・
「だがどうしたんだ?ダブモンて、この手の気配には敏感なんじゃないのか・・・?」
「仮にもお偉いさまだろ?いくら映像ったって、並みのダブモンから隠せるぐらいの気配隠しのやり方ぐらい心得てるだろ」
あ、なるほど、伝説のダブモンとかならともかく、精霊型とはいえ、並みのダブモンじゃ神様の、女神の気配隠しにゃ敵わないか・・・
「もう一度問いましょう、秘密を守ると誓えますか?」
「ど、どうしよう、相棒~」
フリィジアが兎白にすり寄る、
対し、兎白は少し苦笑いの表情
「秘密を守れると思ったら誓えばいいんじゃない?」
「どうすりゃいいんだ?」
鼓動に対して聞くイグリードに
こちらは表情変えず余裕すら感じさせ
「イグリードだったら、調子に乗らなけりゃ秘密ぐらい守れると思うけど・・・」
「これが最後ですよ、秘密を守ると」
「ち、誓う、誓います!」
「ち、誓うぜ、俺も!」
「では・・・」
女神の方に、フリィジアとイグリードの視線が向き、そいつらが一瞬固まる
「うわわっ!めが」もがっ!
「うどわわっ!めが・・・げふっ!」
フリィジアは兎白に口走ろうとしたところを危うく手で塞がれ、イグリードは自分で何とか抑えこんだ、
相変わらずレファンは半分ニコニコ笑顔の状態だが、状況が分かっているのかいないのか・・・
「いやーそれにしても懐かしいわー」
等という状況も無視してクリスタルの方を向き語り出す女神様
「そっか、ここで放り出しておいたのを人間達が利用してるのね・・・」
放りだす・・・?
「このクリスタルね、私がとあるものを作ろうと実験中にできた物なんだけど、何かに使うかと思って、ここにほっぽりだしたまんまだったのよね・・・」
うおい・・・
皆が皆、呆れと何か言いだしたい感情がふつふつとしているに違いない・・・
一体何を作りたかったのやら・・・
「ああ、そういえば、ビィジョンブックの事は知ってますか?」
レファンが話を変えようとしたのか話しかけてきた
「ビィジョンブック?」「って、」「何?」
「なんなの?」「わかりませんね」
「なんなんだろうな?」
「噂には聞いたけど、あれでしょ、書き替わる本?」
「俺もそんな感じだな」
書き替わる本てなんだよ・・・?
「そうですね・・・あ!そこの人?」
「なんでしょうか?」
レファンがすぐそばで呼び止めたのは、右手に本持つ浅黒い肌に上下共に簡易な服を着たそこしゴツめの成人男性だ、しかし、胸には鉄の羽ロザリオを引っ提げている、
「ビィジョンブックの使い方を教えてもらえないでしょうか?」
「いいですよ、今手持ちにあるのでよければ」
「すみません、使えそうなら教会で鎖付きのを借りようと思っているんです」
「わかりました、それでは、これを」
男性が手に持っていた本を開いて俺たちに差し出し、そして、ページの左上の方で右人差し指で一文を書くと、いきなりページ一杯に文字と絵が浮かび上がってきた!?
「こうやって他人が書いたページを探すことができるんです、そして、ここの青い文字を押すと・・・」
言いながら、文字の中の中央右にあった青い右矢印のような文字を押す
「ほら、教会のページだ」
文字がすべて消え、新しく絵や文字が浮かび上がってきた、
それには、教会の内部を描いたであろう絵や、教会の住所や場所を書いた文が所狭しと載っている、
これは・・・インターネット!?
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