バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒/12

Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒 12
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 f:id:OirenW:20201022213333p:plain
 
 「これは・・・鉱石の匂い!?」
 土ではなく微かにする金属や、属性などのエレメントの匂い、よく見れば洞窟を構成する焦げ茶色い土の色も少し薄い・・・
 先を進むと、広い場所におあつらえ向きにトロッコときたもんだ
 箱に車輪がついた筐体に、下には長く伸びる左右の鉄線路と一定間隔で並ぶ枕木によって作られたものが・・・
 「うわぁ!なにこれ!!」
 「トロッコだよ、こいつに掘った鉱石を乗せて運ぶんだって、何乗ってやがる!」
 言ってる間にリッキーが一息にトロッコまで飛んで前の方にその羽根をしがみつかせて乗っていた、その顔が楽しそうな笑顔で俺の方を向き
 「だって、楽しそうじゃん!!」
 「馬鹿言え、ブレーキが無いってことは、人が乗るために作ったわけじゃないってこと・・・って!」
 トロッコが前に動き出してやがる!
 「そっから出ろ!!」
 「嫌だ!」
 「っち、しゃあねーな!!」
 徐々に線路の角度が下に、速度が上に上がる中で急いでトロッコの端を掴むも、俺の方が引っ張られる!!
 ・・・仕方無い!!
 俺が飛び込む中で、トロッコは穴の中に入っていく、
 すでに止められる速度ではなく、絶妙に壁に両手も届かない、
 致し方なく様子を見る中で、トロッコは速度を上げながら左へ右へ!
 「うわー!!」
 リッキが歓声を上げる、一方俺は・・・
 ・・・正面を見つつも顔を上げるのがかなり怖い・・・ん?
 先が岩でふさがれてやがる!?
 持てよ!!
 剣を壁に突きつけ、一気に減速させる!!
 間に合え!!
 ガガガ・・・
 壁が斬り裂かれる音がしながらも、何とか減速・・・だが、間に合わない!!
 「リッキーこっちだ!」
 「え!?」
 無理矢理リッキーを引き剥がし、剣を刺したまま思い切り跳ぶ!
 ドゴォン!!
 大きな音立てトロッコは大破するものの、俺たちは何とか剣で止まったのだった・・・
 「・・・全く・・・」
 床に降り立つ俺、離すと宙に飛ぶリッキー
 ・・・そういや、こいついざとなったら飛べるのか、蝙蝠だから洞窟には強いだろうし、なんか、どたばたやって損したな・・・
 俺の葛藤とは別に間抜けな笑顔を向けてくるリッキー・・・
 「どうしたの?」
 「いや、別に」
 そう言いつつ、俺は剣を抜きつつ前に歩き、部屋に出る、
 岩の向こうに線路は無く、どうやらここがトロッコの終着のようだ
 大きく広い場所、しかし、壁や床に鉱石の影や気配がない、ここまで匂いがするのに・・・
 おそらく、この辺りは掘りつくしてしまったのだろう、ならば、もっと奥に行けばあるか・・・?
 幸い、戻りは線路を伝えば簡単だし、もうちょっと奥に
 「誰だ!ここは神聖なる鉱石場なり!部外者はお帰り願おう!!」
 ・・・出やがった・・・!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――