ハーフビースト:ハーフヒューマン 23
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23
「ばかな・・・貴様、それは・・・拳銃・・・」
「卑怯だとは、言わないよな・・・」
そう、ビームが放たれる前、俺は、隠し持っていた拳銃を左手に持ち、後ろの竜の男の人間側の肉体に向かって撃ったのだ、
・・・ここはアメリカ、これぐらいは護身の範疇だ・・・
振り返ると、そこには、わき腹に開いた穴から血を流す竜の男の姿・・・
表情は唖然としているようでありそうでないようであり・・・
「悪いな、今、救急車呼んでやるからさ」
「いらぬ、だが、面白かったぞ!」男の顔がみるみる笑みに染まっていく「今回は貴様の・・・勝ちだ!」
言って竜の男は、翼はためかせさっきのビームの回転撃ちで天井に開けた穴から飛び去って行ったのだった・・・
・・・これで、この騒動は終わってくれればいいけどな・・・
「おい!今逃げ去ったのがここのボスか!?」
・・・今エレベーターから出てきたあのカミキリムシのおっさんにも説明しないとな・・・
「で、なんでお前がここにいるんだよ?」
「弟子入りしに来たアル」
俺の家の前に家の扉に背を預け、文字通り居座っていたのはあの火の鳥の少女だ、
それが俺に顔と目を向けつつ返答し立ち上がる、
まったく、こいつに全身に受けた火傷もうずくってのに、あ~あ、明日行くつもりだったけど、すぐに診療所行こうかな・・・
「俺は武術の弟子は受け付けてないぞ」
「問題無い、勝手に居座る」
ええ・・・
淡々と答える少女に困惑する俺
「困るんだよ、そもそも、何で俺の所に来たんだ?」
「あんたは私と前ボスに勝った、だからこれからあんたが師匠兼ボスだ」
「お前はともかく、前ボスはあんな勝ち方で勝ちだと判断するのか?」
「関係無い、勝ちは勝ちだ、それにもう、他に行く場所は無い」
はぁ・・・そう言われるとなぁ・・・
もしかして、前のとこもこうやって居座ったのか・・・?
「わかったよ、もうそこどいてくれ、もう休みたいんだ」
「私の師になるならな」
「ならないし、もし、中に入れないって言ったら?」
「燃やす」
表情一つ変えずに返答する少女
脅迫だろこれもう・・・
「そうかよ、なら中には入れてやる、無暗に私物に触れるなよ、ただし、師匠にはならない」
「問題無い、見て学ぶ」
まったく・・・これからどうなるんだ、俺・・・
少女が離れた扉を開き、俺はその少女を伴い部屋に入って行く・・・
ハーフビースト:ハーフヒューマン 終わり
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