カードゲームライトノベル Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう7
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「それでは、レースのルールを説明します!」
唐突に、実況ロボ娘の声が響く
「基本的にはレース場を周回し、ここに戻ってきてゴールラインを切ったロボの優勝です!」
ふむ、それだけ聞くと普通のレースだけど・・・
「レースは一周ですが、しか~ぁし、今回はレース場を野外に広げ、長大な荒野あり、森あり、川あり、山あり、谷ありのコースを突き進んできていただきます!」
サバイバルレースってわけ・・・
「他者への妨害は基本禁止、発覚した場合は失格になってもらぅぜぇ~、しかし、自然からの妨害はあるかもしれないなぁ、コースから大きく外れたらリタイア、走れなくなってもリタイアだ!」
向こうからの妨害は基本無しか、それはありがたい、こっちから妨害する手が無い以上、妨害する、されるルールはきつい・・・
「基本的に重さ・大きさ・機構のレギュレーションは設けてないが、地上を走るレースなんで、長時間の飛行は禁止だぜ、短時間の跳躍程度ならオッケ~だ、コースを外れないなら、地中に潜るとかもありだぁ~、ま、やるやつがいるかどうかは知らないけどなぁ~」
空を飛ぶのはダメ、と、まぁ、当然だよね、機構のレギュレーションが無いのはちょっと気になるけど・・・
「さて、ここからバトルブーストルールの説明だぁ~!」
ここからの説明が肝だ、バトルブーストルールってなんだろう?
「バトルブーストルールはデッキケースシステムを使う、皆、デッキの準備は出来たかな?」
う、まだだ、今まで話聞きながらも一応進めてはいるのだが・・・
「それでは説明に移るぜ、まず、レース中で互いに距離が縮まり、競り合う状態になったとする、」
それが、デッキケースやデッキとどんな関係が・・・
「先攻が後攻の妨害をしたり、左右に並んだり・・・そんな状態が一定時間経つと、自動的に2T1S5Tルールのカードバトルが始まるっ!」
え・・・?
「その状態でカードバトルを行い、勝った方はスピードを一気に上げるブーストがかかり、負けた方は一気にスピードが落ちる、負けた方は妨害できなくなるぐらいスピードが落ちるから、勝った方は華麗に抜き去っちゃって~!」
なるほど、カードバトルの混ざる変則ルールなわけか、でも、これは聞き捨てならないな、2T1S5Tルールのカードバトルしかしないっぽいし、それ用にデッキ調整しとこ・・・
「なお、同じ相手とはやるたびにカードバトルが始まる時間が延長されていくし、引き分けの場合は何も起きない、同じ相手との八百長試合はダメだぞっ!」
「人間じゃあるめぇ~し、そんなことしねぇよ!」
「あははは、ま、それぞれの論理感を信じるよ!」
今の野次、誰のだろう?
「1ターンは最大三分、相手を待たせすぎると自動的に負け判定出すからね、両方待たせてた場合は両方に負け判定出すからそのつもりで、ドロー後、セット前タイミングのカードの使用はそれぞれ二枚まで、手札が七枚以上の時にチャージゾーンに置くカードは五枚です!」
ここいらへんは補足説明か、ちゃっちゃと判断出さなきゃならない、というわけだな
「なお、デッキケースのカードバトル以外の使用は禁止させていただきます、外部からの妨害もダメ、健全なレース運営のため、よろしくお願いします!」
りょ~かいりょ~かい
「さて、みんな、準備はいいかな?」
げっ、もう始まるのか!
「選手のみんな、走り出す準備はお~け~?」
「オォーケェー!」
「オーケー!」
オーケーじゃないったら、カーディンまで!慌ててデッキを見直し枚数超過分の要らないカードをショルダーバックに放り込み、デッキを両手でまとめる、
「観客のみんな、レースを見守る覚悟は、お~け~?」
「オォーケェエエエー!」
急いで右手にデッキケースを持って左手でデッキを持ち放り込みふたを閉め
「それでは、スタートまで、3、」
突如、スタート上一番前にある鉄パイプで縦横斜め九〇度回転コの字に組まれたスタートゲートの上にある四つの丸ライト、一番左の物が赤く点灯する
「2、」
点灯したライトのすぐ右側のライトも赤く点灯する、すると、僕の前に緑の半透明の角の丸い板と緑の画面が出現した!
「え・・・?」
「1、」
三つ目のレース灯も赤く点灯する、ええ、デッキケースとりあえず置いとこう!右手のデッキケースを緑の半透明の板の上に中央に置くと、デッキケースからデッキが外れてシャッフルされつつ緑の半透明の板左手の方に置かれ、同時に、デッキケースがそのすぐ外側に置かれた
「スタート!」
四つの丸ライトが一斉に緑に点灯する、と同時に、皆が一斉に走り出す!
グォオオオオオオ・・・!
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