氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/06
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
台地2
「あ、見えてきた!」
先に鮮明に見えてきたのは白い台地だ、ここまでもそこそこ高いはずだが、向こうは見上げる程にかなり高い、っていうか、寒くなってきた気がする・・・
「凄い、雪が降ってる」
「早く行こうぜ、こんなとこで野宿はごめんだ」
「そうよ、凍え死にそう」
「その先も相当寒いようですけど?」
「正面に坂の上り口がある、そこをしばらく登ればすぐだ」
本当なんだろうか・・・村についたら防寒のために服とか買えないかな・・・?
そんなこんなで、先の方に居るカンテーラを追うように歩いて行く、
良星は黒い瞳に立った黒髪に黒いバンダナを着け、体には左肩後ろに炎翼のブローチを着けた赤銅色袖なしシャツを着て、
下にジーパンをはき、腰に左右下にポケットを大量下げたベルトを着け荷物入れの鞄を肩より下げ、
鼓動は少し太めの体で短い黒い髪、橙と緑の長袖サバンナ草原シャツに長ズボンのジーンズ、
腰にボックス状のポケットが一杯ついたひざ上までの皮を一対着けていて、背腰掛の袋を着け、
四葉さんは金髪のツインテールにヒラヒラが付いた高価そうな白シャツに首元のワンポイントの黒リボン、左胸には筆記体で黒字金縁で意の文字の書かれたバッチ、
下には多段ヒラヒラで構成された黒スカートに厚い黒タイツをはき、足もとには茶の革靴を付け、さらに腰に掛けた袋があり、
と、まぁ、こんな感じで寒さにはほんの少しは強いが吹雪いてくるとなると、と言う恰好ばかりなのだ、
ああ、カンテーラやウィルピーはどれだけ寒いのに耐性があるのかは知らない、寒かったら自分から言うだろう、多分、
あれ?坂の前に誰かいるな、
くすんだ青い鎧を着た・・・男の人・・・?
黒い髪に黒い瞳、顔や関節部を出した全身に鎧を着ており、20前後、顔は造形が整っている、それが両腕を組んで坂の端の断崖絶壁に背を預けていたのだが、こちらを向き
「あれ?君達、ここを上るのかい?」
思わず僕が歩きで近づき立ち止まりつつ声を返す
「ああ、そうだよ、お兄さんは?」
「僕かい?」背筋を両腕をしゃんと伸ばすお兄さん「僕はこの台地の先に用があるんだ、ちょっとした見周りからの帰りでね、南の方でとある剣の展示があるって聞いて、でも、偽物だろうと判断したから、こうして戻ってきたんだ」
まさか、あの剣の事かな、早いうちに帰っちゃって、僕達の事は知らないみたいだけど・・・
「洞窟を通って先に行こうと思ったんだけど、洞窟がまだ行き止まりらしくてね、引き返して来たんだ」
「え?洞窟を通らなきゃ先に行けないんじゃないの?」
「そういうわけじゃないんだけど、」お兄さんは少し困った様子だ「大回りになるからね、洞窟を通りたかったんだけど、確認してもまだ行き止まりだ、雪の中を大回りする気にもなれないから降りて来たのさ、まったく、行きも帰りも大回りとはね・・・」
へぇ、大変なんだ・・・
「そういえば、君達、ダブモンと一緒に旅をしてるの?」
「そうだけど・・・」「そうだよ」「そうだが・・・」
「それが何か?」
「いや、僕も昔ダブモンと旅してたことがあるんだよ、懐かしいなぁ、って思ってね」
ふぅん・・・
「それじゃ、僕ももう行かないと、じゃあね!」
そう言って、お兄さんは右の方に台地を回って行ったのだった
「ねぇ、あんたたち、もしかして、洞窟の事を調査したら善行になると思わない?」
「あ・・・」「あ・・・」「あ・・・」
四葉さんが不穏な言葉を発したのだった・・・
・・・
辺りは猛吹雪だが、不思議とあまり寒くはない、
雪踏む音を響かせ、その独特のやわかたい感触を踏みしめながら坂を一気に上っては来たものの、一応、台地の上の一番広いところまでは来ただろうか、
「意外と寒くない・・・?」
「そうだね・・・」
「どういうことだ・・・」
「もちろん、俺があっためてるのさ」
って、カンテーラ!?
よく見ると、先の方で半振り返るカンテーラのカンテラの炎が大きく・・・
「だから後ろのあたしたちの方寒かったのね」
「勘弁してほしいです・・・」
「そう思うなら少し前の方に出てこい」
カンテーラの忠告に四葉さんが前の方に出て少し団子状態になりながらも俺達は再度歩み出す、依然、一番後ろはウィルピーだが・・・
「とっとと街まで行って、防寒具を買おう」「そうだね」「そうすりゃ、カンテーラも少しは楽になるだろ」
「そうだな・・・」
「私、可愛いのが良い」
「実用性で選んでほしいです・・・」
そんなこんなで世間話をしてしまうぐらいの余裕はありそうだ・・・
「あ、戦闘とかは勘弁してくれよ、集中切らしてあっためてるのが止まるのは敵わん」
訂正、どうやらあまり余裕はないらしい・・・
そんなこんなしてる間にも・・・
吹雪の先の方に建物の影らしきものが見え始めた・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――