海の街と鮫 ダブモン!!11話/12
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「てなわけで、昨日言ってた洞窟行ってみようぜ!」
と、良星が言い出したのは、昨日晩ご飯を食べた場所で今度は朝食のエビと白身魚のサンドイッチを皆がほおばっていた時である
今日はどうしようかと話していた段階で、だ
「僕は市場と鮮魚店に寄りたいと思っていたんですが・・・」
「いいね、おいしい魚がありそうだ」
と左手のレファンとアクリスが顔を見て会話すれば、
「じゃあ、そこ寄ってからで、どの道行くところなんてあんまりないだろ?」
レファンとアクリスの話に同意しつつ自身の思惑に寄っていく良星
「後は万事屋かしら?でも、それら以外にこの島に施設なんてなさそうなのよね・・・」
「ですね、市場のそばだそうですから、ついでに寄りましょう」
「なら決まりだな!」
と、自身右手にいる四葉とウィルピーの話に思い切り同意する良星
「いいの?相棒は?」
「お前も何か意見言っていいんだぞ?」
「良星がいいならそれで、俺も洞窟には興味あるし・・・」
「僕も、ほかに行くとこなんて無いしね」
フリィジアとイグリードの言葉に俺と鼓動が賛同しつつ、朝ご飯を食べた後、昨日とは別方向の、下に下った先にある港へと降りていくのだった・・・
「わぁあ!」
「すごいねこれは!!」
降りて行った先では、網にかかったたくさんの魚や魚介類が水揚げされているところだった、
幾多の小型の船から上げられた大量の魚が、箱に仕分けされていく・・・
「でも、この島だけじゃ食べ切れないんじゃない?」
「明日は陸の方に行きますし、スモークや干物や塩漬けなどの保存食にもしますから・・・」
「あ、なるほど・・・」
「そこ!早く仕分けしておけ~」
四葉さんがレファンの意見に賛同している間にも港の人達はせわしなく動く
お、なんか、ところどころに足に水かき付いた蝙蝠みたいなダブモンも空を飛びながら手伝ってんな~・・
この島にいるのか・・・?
「鮮魚店は・・・ああ」
左手の方にお店が並んでいる、鮮魚店というよりかは市場にほぼ近い、奥で何やら魚捌いてるし・・・
行ってみると、中で爬虫や哺乳などの他のダブモンらしき影もある・・・
前の方に並ぶ見世物台には魚や干物などが並んでいる、島の人たちが買うのだろう・・・
「あ!万事屋あった、ちょっと行ってくる!」
「あ!四葉!!」
四葉さんが奥にある店に向かって駆けだしそれを良星、ウィルピー、カンテーラが追いかけていけば、
「う~むやっぱりおいしそうですね・・・」
「何か買う?」
と、左手のレファンとアクリスが何やら話している・・・
「とはいえ、無駄遣いもあまりね・・・」
「宿の人に頼めば捌いてくれるんじゃないかな?」
「凍らせとけば長く持つわよ、ね?相棒!」
「そうだな・・・」
「解凍は任せとけ!」
「イグリード・・・」
などと俺たちが話している間にも、右の方を見ると、四葉と良星、ウィルピーとカンテーラが見世物台に置かれたお玉やなべなどのものを見て何やら会話を交わしている・・・
「いいのあんまりないわね・・・」
「日用品を扱ってるだけっぽいな、」奥に他のものもあるのか?「趣向品を扱ってんなら本屋みたいにいろいろ珍しいもんが集まると思うんだが・・・」
「この網どうだ?」
カンテーラが両手にいくつもの黒く細い綱が交差して作られた網を広げている、それをウィルピーが目力無く呆れた目で見て
「漁でもする気ですか・・・」
そんな様子を四葉さんが体を店の方に向けたまま顔だけいつの間にか見て
「いいかもしれないけどまた今度ね~」
とまぁ、いろいろ話している・・・
「すみません、これを・・・」
あ、レファンが店主に赤い魚を出して買ってる・・・
「相棒、どうする?」
「少し冷やしておこうか・・・」
左肩のフリィジアの提案に賛同などしつつ
そうした後、俺たちは島の上の方まで登って行って、島の上部にある洞窟にまでたどりりつく、
岩がふちを覆ういかにもといった洞窟で、内部には光が漏れているのか青く、水が光を反射させているかのように見える・・・
「おーっし、行こうぜ!」
良星が音頭を取って先んじて進み始める・・・しかし、買い物帰りのような状態でこんなとこは言ってもいいのかね、僕の鞄にひんやりとした魚が別の袋に入れられて入ってるんだけど・・・
などと考えていると・・・
「キシャー!!」
いきなりトカゲのようなものが天井より垂れ下がって声を出してきた!!
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