オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話14

 
森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/14
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 「あの木から気配がするな・・・」
 言って森の中でカンテーラが右手で指し示したのは右手前の茂み向こうの一本の木、
 ごく一般的な木に見えるが、幹の上の方に穴が、地よりの下の方に洞が見える・・・
 「とりあえず見てみるか」
 「おー」「おー」「おー」
 「おー」
 「です」
 カンテーラが茂みを飛び越え木に近づく、と、そこに下の洞から一匹の兎が飛び出してカンテーラに近づいて行った、
 上に伸びる大きな耳に白い毛皮の小柄な体、それに後ろに縦に伸びるモコモコの尻尾がある、
 一見すると普通の兎にしか見えないが・・・
 カンテーラが近づいて律儀に話しかけて行く
 「おい、お前がこの辺りの薬草畑のある場所を知ってるプランバニツってやつか?」
 と、その兎の眼がキッと鋭く細まり、警戒感をあらわにし、口を動かし何かをしゃべる
 「そうだけど、お前、何もんだ?何の用なんだよ?と、言っておりますです」
 後ろの方にいたウィルピーが律儀に通訳してくれる
 「俺達は教会の方から薬草持ってくるように言われたんだよ、ほら、誰か、メモ」
 「ほい」
 兎白がメモを持った手を伸ばしてカンテーラに近づけ、カンテーラが移動して受け取ると、さらにカンテーラが元の場所に戻りつつ地に降りて目の前の兎、プランバニツに渡し、
 プランバニツがまじまじとそのメモを見る、
 「これは確かに婆さんの字だな、しかし、ずいぶんな量だ、でも、婆さん、なんで代わりの奴なんて寄越したんだ、ですって」ウィルピーの通訳
 「腰を痛めてここまで来れないそうだ、だから、俺達が代理で来た」
 「教会の奴らじゃなくてか?、です」メモの向こうから様子をうかがうように兎がカンテーラの方に目線を向ける「見たところ、教会のには見えないが・・・です、」
 「他に行ける奴は出払ってるんだと、」
 「そうかいそうかい、じゃ、さっさと薬草畑の方に行くかね・・・です」
 そうして、プランバニツがメモを尻尾と背に挟んで仕舞って向こうに行こうとしかける直前、しかし俺には少し気になることが・・・
 「そういえば、俺達、薬草の見分けなんてつかねぇよな?」
 「ない」
 「ダメ」
 「無理、ウィルピー達は?」
 「つかないです」
 「俺もだ」
 すると、プランバニツの俺達を見上げた目が呆れたようなじっとりとしたジト目になり
 「それくらい、俺が見分けてやるよ、俺の畑だしな、そのかわり、薬草持ちはお前らがやれよ、この量は一介の兎にゃ荷が重い、お前らはそれだけ人数いりゃどうにかなるだろ、後は」
 「わかってる」「薬草畑の場所は」「秘密でしょ」
 「んな簡単に喋んないわよ」
 ウィルピーの翻訳に俺達がわーと横槍を入れて行く
 と、プランバニツの目からさらに力が抜けて行き、
 「こいつらに場所教えんの不安だなぁ・・・ま、いいや、何があっても教えられないってわけじゃなし、何かあったら教会側の責任ということで、です」
 そう言って、プランバニツが向こうを向いて森の奥へと走りだす
 「おい!」「待ってくれよ!」「待ってよ~」「しょうがないわね」「行きますですか・・・」「・・・」
 こうして、俺達も森の奥に走り出す、そうやって少しの間走り続けると、森の奥に開けた場所が見え、そこから強い光が刺してくる、
 が、そこには同時に、大きなスーツを着た背中が見える、スーツと言っても縦幅と共に横幅も広く上半身に比べ下半身が明確に小さく明らかに人じゃない、あれは一体・・・?
 
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