バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

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森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話11

 
森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/11
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 「薬草探し・・・ね・・・」
 「薬草、証文も兼ねてメモ貰ってるけど色々種類あるな・・・」
 「それだけ、たくさんの種類の薬草がある場所を知ってるってことかな?」
 「複数の場所なら教えるのも簡単じゃないし、一か所ならなおさら直接は教えられないわね・・・」
 「にしても、カンテーラ、この先で間違いないのか?」「間違ってたら迷惑だよな」「だね」
 「ん~、街の北東の森っていったらこっちだろ?いざって時はウィルピーと一緒に上空を飛んだり、辺りのダブモンから話訊いてやるよ」
 「ですね」
 というわけで、俺達はカンテーラを先に、ウィルピーを後方のしんがりに、その足で東側の出口から木々生い茂って行く北東の森に向かっている所である、
 「にしても、人語を話せるダブモンがいればどうにかなる、か・・・」
 「言われてみれば不思議だよな、人語を話せる奴もいれば、」
 「動物みたいのもいるし、意志不可能な物もいる、前の蟻型ダブモンなんて言葉一切話せなかったよね・・・」
 「あれ系は俺やウィルピーでも言語での意志疎通は出来ないぞ、あの羽音出しまくってた蜂型の奴もな、あの手の奴らは普通の虫と同じく独自の意志疎通手段を持つんだ」
 「ま、虫系のダブモン同士でも意思疎通が出来たり出来なかったりバラバラですけどね、でも、向こうからは不思議と人語を解していたり、人を観察することでその人を見極めたりできるんですよねぇ・・・」
 「ややこしいわねぇ、一筋縄でいかないのかしら?」
 「それは無理ですよ四葉さん、あなた達の世界の生態系でもそうでしょ、人間は言語を獲得して意思疎通が可能になってますけど、というか、その人間ですら言語が違うだけで言葉での意思疎通は出来なくなるんですから、ま、こっちは女神様と世界樹がもたらした言語を使ってますのでほとんど統一されてますけど・・・」
 「なんで日本語なのよ・・・?」
 「それは知りません」
 「今度女神に訊いてみようかしら、答えてくれるとは思えないけど、・・・っていうか、ダブモンの言語、私達の世界と同じものなら、なんでダブモンはダブモンて呼ばれてんのよ・・・?」
 「言われてみればそうだよな、ダブモンって、一体何だ?」「俺達の世界では一応人間も動物や哺乳類扱いだよな」「ダブモンが動物扱いや他の生き物と違う扱いってことは、少なくとも、先祖は人間や動物とは違うってことだよね?それとも他の理由で違うもの扱いされてるのかな?」
 「あんたら、知ってる?」
 「ダブモンは元はドリヤードだぞ」
 「です」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
 「えっ!?「えっ!?「えっ!?「えっ!?」
 カンテーラの話すダブモンの正体に思わず驚く俺達一同
 「なんだ?知らなかったのか?って言ったって、誰も話してくれなかったっけ・・・」
 「そういえば、四葉さんも割と長いこといるのに疑問の一つも抱いてくれませんでしたねぇ・・・」
 「うるさい!」
 四葉が反射的に一喝する
 「で、あんたらはどこまで知ってるの?」
 「俺も聞きたい」
 「俺も!」
 「僕も」
 「ドリヤードっていったら、ほらあれだ、木の・・・」「木の精霊だよな、女性像で描かれる・・・」「木に宿ってて、枯れると一緒にその命を閉じるともいわれる・・・」
 そう聞いて、俺の頭にはあの女神が浮かんだ、ドリヤード程ではないにしろ、何らかの関係があるんじゃないだろうか・・・?
 「仕方無い、知ってるぶんは話してやるよ」
 「あ、お手伝いするですよ」
 「じゃ、話し疲れたら代わってくれ、って言っても、短いけどな、ほら、世界樹ってあったじゃん、女神の後ろにあったやつ」
 「あれか!」
 「え?女神の後ろに木なんてあったっけ?」
 「僕も見てない・・・」
 「あぁ、あれね・・・」
 俺と四葉だけが肯定の反応を示す、ま、兎白も鼓動も見てないんだから仕方ないんだが・・・
 というか、四葉も見たのか、ということは、四葉も女神とカードバトルしたのか・・・?
 「で、俺たちダブモンは元はその世界樹やその眷属のドリヤードだったんだよ」
 「眷属って、あんな木が他にもあんのかよ・・・」「どんな木なんだよ・・・」「っていうか、確かに世界樹のドリヤードって程のものなら、変なのが一杯いても不思議じゃないよね・・・」
 「この世界にちょこちょこというほど多くも無いが、自生しているはずだぞ、各国、国の領内にあるものは場所は厳重に秘密にしているけど・・・」
 「なんで・・・?」おもわず俺の口から疑問の声がこぼれる
 「そこから新しいダブモンが生まれるかもしれないから、ですね・・・」
 「まったく新しいダブモンはどんな能力を持っているかわからない、暗殺に長けている場合もあれば大きな破壊力を持っているものである可能性もある、人間社会に多大な貢献、場合によっては大きく発達させるものであるかもしれない、そんなに都合よくいくわきゃないんだが、いずれにしても、自国で隠してか、隠せない場合にしても一番最初にその恩恵にあやかりたいというのが人情だろう、もっとも、ダブモンはある程度近寄れば本能的にその位置がわかるから、実質、人間にのみ隠されてる状況だがな・・・」
 暗殺と聞いて、俺の背筋にぞ~っと、冷たさが走った、ダブモンに毒を盛られた時のことを思い出したからである、
 確かに、あんな奴らが生まれるかもしれないとなれば、確保しておきたい気はする・・・
 「で、話を戻すと、俺たちダブモンはその大元の木から離れて動物化して独立した存在なんだ、だから世界樹に生えたダブルカードのモンスター、だからダブモン、ダブルカードモンスター、ダブモン」
 「離れちゃいましたから、元の木が無くなっても、そちらの世界のドリヤードと違って死んだりすることはないんです」
 「なるほど、それで動物化か・・・」思わず納得する俺
 「もっとも、まだ種として繋がりはあるけどな・・・」
 「にしても、さっき、聞き捨てならないことを聞いたけど、世界樹に生えた」
 「ダブルカードって・・・」
 兎白と鼓動の言葉に俺はようやく今まで頼ってきた物の名称を知る
 「ああ、あの白黒のカード、ダブルカードっていうんだ」
 「そうっぽいな、こいつらの口ぶりだと・・・」
 「え、それってデッキケースの中にあった・・・」
 「あのカード・・・?」
 この一連の会話で、俺達四人のカードへの名称認識が一致したっぽい、
 「そう」
 「そうだ」
 「じゃあ、あのカードって、世界樹の・・・?」
 「でも、明らかに樹じゃないデッキケースから出て来たよねぇ・・・」
 兎白と鼓動の再度の疑問
 「それも不思議よね、でも、色々納得がいったわ」
 「木の方に付いてたカード、モンスターカードっていえば、全部ダブモンのカードだったもんな・・・」
 「どっちが先かは知らないけど、人間や動物のカードが無くてダブモンのカードばっかりってことは、やっぱり、元は世界樹のドリヤードだから何でしょうね・・」
 「そうそう、世界樹って、カードが葉っぱみたいになってたもんな、その代り普通の葉っぱは一枚も無い・・・」
 「そっか・・・」
 「そうなんだ・・・」
 俺と四葉の会話について行けなくなるのか呆然とした声を出す兎白と鼓動、これを機に、後で二人にちゃんと説明してやらないとな・・・
 「えっとな・・・」
 「そろそろ、説明があったのはこの辺りなんだが・・・」
 二人に世界樹の説明を始めようとすると、前方からカンテーラの声が聞こえてきた・・・
 
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