バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

札使いどもが夢の跡 ダブモン!!28話/11

札使いどもが夢の跡 ダブモン!!28話11
 
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 そんなこんなで一週間、ではなく五日ほど、
 日曜の朝、リビングにて簡素な足つき机付属の椅子に座りテレビで見たいものを見て二階に行こうとしたころ
 「ねぇこの行方不明からの帰還者ってもしかしてあんたと関係あるんじゃない?」
 「は?」
 テレビでテレビ番組表を見始めた(昔は雑誌などを見ていたらしいが今はテレビで見れる)
 母がリモコンを片手コントローラーのようにボタンを押して照れに移る枠と枠の中の文字羅列の番組表を動かし回しながらそう言った
 「このテレビのアイドルの四葉って子」
 ぶはっ!
 まさか母親の口から四葉の名が出てくるとは思わず吹き出す、
 ・・・そういえば、あれから創作活動にうつつを抜かしていてすっかり調べるのを忘れていた・・・
 リビングに戻りテレビをのぞき込むと昼頃、ちょうど昼飯の時間に放映するようだ・・・ニュースで
 あいつがテレビねぇ・・・
 まだ時間あるようだし、作曲作曲・・・
 と、俺は部屋に戻って行く・・・
 ・・・そんなこんなで昼頃・・・
 リビングの椅子に座りテーブルの上に置かれた器の中に入ったうどんを右手の箸で掴み口の中に入れすすりながらテレビが付く、
 茶色の柔らかい色調の空間に左手側に画面を背後にした二人用のカウンター台、反対側に複数の椅子が並んでおり、
 二人用の台にキャスターであろう灰と橙のスーツを着た男女が、複数の椅子が並ぶもう一方に男女のお笑い芸人が全ての椅子にそれぞれ座っている、
 ニュースの名を借りたお笑い番組か・・・
 そして、お笑い芸人に混じり、金のツインテールの少女が一人・・・
 そう、四葉である、
 白い柔らかそうでふわふわしたシャツに黒いスカート、白と黒に二ーハイ、
 「それでは次のニュースです」
 メイクをばっちりしたキャスターの女性が少し和らか気な表情で告げる
 お?
 「全国で一斉に行方不明となっていた人が何人も帰ってきました、その内の一人、蜜羽、四葉さんに来ていただいています」
 「はいど~も~」
 カメラの切り替えに合わせて四葉が笑顔で会釈する、
 さて、この先は・・・
 「それでは、四葉さんには行方不明の真相を・・・」
 「三人とも!」
 と四葉が叫び、カメラがそちらに向く
 「さっさと連絡寄越しなさい!カンテーラ!フリィジア!イグリード!!いるのはわかってんのよ!!!」
 「おい、お呼びだぞ」
 「だよな・・・」
 腰に巻かれたカンテーラの小声に、俺は両親に聞こえないように小声で答える
 「ちょっと!四葉さん?!」
 若い男性キャスターが四葉の方を見て咎める、
 四葉も咄嗟に男性キャスターの方を見る
 「うっさい!決められた台本通りになって答えてられるか!!」
 「台本!?何を言って・・・」
 お?これは放送事故というやつでは・・・?
 「なぁにが全て子供たちの妄想よ、ふざけんじゃないわよ!!」
 「で、でも、それはあなたも了承して・・・」
 「テレビに出りゃこっちのもんよ!」
 周りの人たちが唖然としている、そりゃそうだ、
 しかし、放送は中断しない
 「どうなってんだ?放送が止まらない・・・?」
 「裏でウィルピーが何かしてんだろ?」
 なるほど・・・
 俺の疑問にカンテーラが応える
 「ちょっと!なんで調整室が光り輝いてんの!?」
 なるほど・・・
 左側の枠外を見る女性キャスターからとどろいた声に俺は思わず納得する・・・
 それでもテレビはスタジオ全体を映し続け、四葉は男性キャスターを含め全体に言い募る
 「ともかくね、私は伝えたいこと伝えられれば十分なのよ!!ついでに私のうっぷんばらしもね!!それももう終わったわ!じゃあね、嘘つきキャスターとつまらないお笑い芸人、テレビに出る資格なんて持たない人たち、あ、私のファンはこれからも応援よろしくね!!」
 言いながら四葉がカメラの方を向き飛びきりの笑顔をした瞬間、
 画面が光り輝きそれが消えた時には、
 四葉の姿は掻き消えていたのだった・・・
 
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