バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

岩で鳴く音 ダブモン!!17話/09

岩で鳴く音 ダブモン!!17話09
 
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 扉の先にあったのは木材で出来た壁床天井に囲まれた温かい空間、
 奥に階段、部屋中央に木で出来た机と椅子、左手の壁際にかまどをはじめとしたキッチンがあるのだが、
 が、俺達の目を引いたのは机の奥にいた女性・・・
 灰色のローブを纏った女性、
 大人の女性だがかわいらしい雰囲気を持つ、
 しかし、俺達の目を引いたのはその肌の色、髪の色、そして耳・・・
 前に二つで分け、後ろで結んだ銀の髪、薄黒い肌、そして、長くとがった耳・・・
 俺は思わずカンテーラに耳打ちする
 「あれって、魔族・・・だよな?」
 「ああ、間違いなくな・・・」
 「ごめんなさい、ミスラさん、少し多いけど、泊まらせてもらっても」
 そう、男が女性に向けて話しかける、
 女性は朗らかな雰囲気のまま
 「ええ、私は構いませんが、父が・・・」
 「こりゃ!」
 階段の上から老人のような声が聞こえてきて、そこから杖を使って階段を下りてきたのは少し太ったヤモリのようなダブモン、
 頭に赤い帯の巻かれた黒のシルクハットをかぶり、木の杖を突いて、赤と橙の間の様な肌をしている、
 それが階段を下りてきて怒ったように杖をこちらに向ける
 「勝手に人を連れてきてどういうつもりじゃ!」
 「お父さん、そこまで・・・」
 今、あの魔族の女性、あのダブモンを見てお父さんって・・・
 「安心してくださいよ、意図が無いわけではないです」
 と、それには気もくれず、男が話し出す、
 「今朝、霧の結界を突破してきた一団がいたでしょ?彼らがそうです、ここまでつれてきたんですよ」
 「なんじゃと!?」
 ダブモンがこちらに歩いてきて、俺達を見回し、カンテーラの方で目を止める
 「おぬし、まさかカンテーラか?久しく見ておらんかったが・・・」
 カンテーラも真正面からダブモンの方を見返し、
 「そのカンテーラだよ」
 「なるほど、道理であの結界を突破できたはずじゃ・・・」
 と、女性の方を向き
 「食材はあるか?彼らにも晩飯を振舞ってほしいのじゃが・・・」
 「ええ、あると思うわ」
 「それでは頼む、わしとこいつは」
 と、杖を男性に向け
 「彼らと話すでな」
 「手伝いますよ」
 と兎白が女性の方に向けて話し出す、が、ダブモンが目線も鋭く横から俺達を見る
 「手伝いたいならまずわしと話してからじゃ、椅子が足りんですまんが、適当に座るなりなんなりしてくれ、カンテーラと主のパートナーはわしの前じゃ」
 そして、周りが各々に座る、
 主に俺とカンテーラ、それに兎白、鼓動、四葉が椅子が座って傍に相棒のダブモンが漂い。他は床、という形である、
 不意に俺達の間正面の老ダブモンの目が俺達に向け力を込めた真剣なものになる、
 「さて、おぬしたちに訊きたいことがある」
 なんだ?
 「何の目的でこの里に来た?」
 
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