バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

大決戦!!賭けられる、世界の命運!! ダブモン!!27話/03

大決戦!!賭けられる、世界の命運!! ダブモン!!27話03
 
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 「見つけたぜ」
 森の近く、地平線に夕日を望む崖に四葉とウィルピーはいた・・・
 二者共夕日を見ており、四葉は座って少し空虚に、ウィルピーはそのそばを浮いている
 「ん・・・?」
 何故か少し気だるそうに首をひねりこちらを見る四葉
 「どうした?俺と話すの嫌か?」
 「別に・・・」
 俺は少し離れて座る・・・
 四葉はまた夕日に目を向ける
 「ねぇ?」
 「なんだよ?」
 四葉の気だるげの抜けない言葉に思わずいつもの調子で返す俺
 「あなたのハンドルネーム、バハ魔ン枢機卿でいいのよね?」
 「そうだけど・・・」
 「で、あの二人は巻き巻き屋と地獄の覇者と」
 「そうだが、何が言いたいんだ?」
 「別に」
 夕陽を見たままそうそっけなく言う四葉・・・
 仕方無しに俺も夕陽を見る、
 全員が地に隠れ行く夕陽を見てる・・・
 と、カンテーラが不意に飛び、ウィルピーの背を掴み、森の方に引っ張っていく
 「なんですか!?」
 思わずカンテーラを目を見開き驚き見るウィルピー
 「いいから行くぞ」
 が、無情にもそう言葉を放ちつつ森を向くカンテーラに引っ張られていく、
 「うわぁぁぁぁよつはさぁぁぁぁぁん・・・」
 徐々に消えゆく声、森の中に姿が紛れると、俺達は再び夕日を見出す・・・
 「ねぇ、ずっと考えてたことがあるの・・・」
 へ・・・?
 思わず夕日から四葉に視線を写してしまう、
 その横後ろ姿は白い肌や金の髪が赤い光を照り返し夕日に溶けてしまいそうにはかない
 「なんだよ一体・・・」
 四葉が首をねじり穏やかに楽し気に俺を見る
 「私に音楽を作ってよ」
 へ・・・
 「勘違いしないで、お金なら出すわよ、製作料に作曲作詞著作権料も・・・仕事ととして出すんだから当然でしょ、ただ、アイドルとしてじゃないかもしれないけど・・・」
 四葉の目には今にも消えてしまいそうだが確かな決意の光を感じた
 アイドルじゃないかもしれない・・・?でも、それでも、こいつなら・・・
 「仕事・・・か・・・」
 「そのかわり、そっちも覚悟してよね、世界中でこの音楽が流れるんだから、訴えられるようなことしたら承知しないんだから!!」
 あ・・・
 勢いよく言いながらも、その勢いはほんの一瞬で、四葉がさみしげに夕日を見る
 「本当は、こんな関わりなくても、言い出すべきだったんだろうけどね・・・」
 「そういうもんなのか?」
 「そうよ、こんな幻想の世界じゃなくて、現実で、あなたに連絡とって、言い出すべきだった」
 だけれど、吹っ切れた笑顔に変わり、座ったまま俺を見る
 「でも、関わっちゃたんだからしょうがない、帰ったら、よろしく頼むわ、それとも、もしかして断る気じゃないでしょうね?」
 「ちゃんとしてくれないならな」
 なぜかおどけてしまう俺
 「何よそれ、ちゃんとするに決まってるじゃない!」
 何がおかしいのか、二人して笑ってしまう
 が、不意に笑いが収まり
 四葉の目の光と表情が、より確かなものに変わる
 「信じてるわよ、バハ魔ン枢機卿じゃなくて、良星」
 「おうよ、四葉
 それから、少しの間夕日を見て、俺達はみんなの元に戻った・・・
 
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